2010年9月20日月曜日

ミニペニス(=マイクロペニス)形成


■FTMへの近道―ミニペニス

男性から女性への性別適合手術は比較的に簡単で、手術は一回で済みます。熟練した医師チームなら3時間前後ですべて完了し、2週間後には帰国できます。

一方、女性から男性への手術で、本格的なサイズのペニスを望む場合には通常数ヶ月間隔で行われる4段階の手術工程をへて、一年以上もの時間を要します。ペニス形成のための筋肉・皮膚組織を移植するドナーサイト(腕、太もも、腹部など)には、大きな傷跡が残るという問題もさけて通れません。また、手術にかかる費用と時間は、当事者には大変な負担になります。

それでも、GID症状に深刻に悩む当事者にとっては、簡単にあきらめるわけにはいきません。一時的な悩みならともかく、幼少時代にはじまり、悩みが深刻になる青春期、さらに社会人として今後の人生を考え、真剣に解決方法を模索している当事者は大勢いるはずです。PAIのプリチャー医師も、日本人にはとくにFTM患者が多いという印象を語っています。

SRS発祥の地、ヨーロッパ

近年では従来からある本格的陰茎形成法のほかにミニペニス(=マイクロペニス)というFTM手術が注目を集めています。これは最近開発された手術法というわけではなく、ヨーロッパでは20年ほど前から実施されていて、手術法も洗練され、医師、患者双方の満足度も向上し、すでにFTM手術の有効なオプションとして定着しています。その先端を行くのが中央ヨーロッパ、セルビア共和国の首都ベオグラードのFTM手術で名高いペロヴィック医師です。

ペロヴィック医師の実績は2003年の英国泌尿器学会や2008年のアメリカ泌尿器学会のジャーナルでも特集され、解剖学的にも手術技法の面でもレベルの高さが注目を集めました。ペロヴィック医師とPAIのプリチャー医師とは長年の親交があり、2004年にバンコクで行われたプリチャー医師主催のSRSワークショップには特別講師として招待されました。このワークショップには日本からは埼玉医科大学の原科教授(当時)及び高松助教授(同)も特別ゲストとして招待されていました。

PAIのプリチャー医師とその医師チームも毎年のようにベオグラードに出向き、ペロヴィック医師と技術交流を行いながら、ミニペニスの手術技法の向上に努めています。まずミニペニスとは何か、その手術の主眼は何か、という基本を理解する必要があります。

ミニペニス(マイクロペニス)とは

女性に備わっているクリトリスは発生学的には男性のペニスと同じものです。どれも性的刺激を受けると勃起し、大きさを増し、そして性感覚が鋭敏になり、快感が絶頂になるとオーガズムに達します。クリトリスは個人により形やサイズはまちまちですが、ペニスに似た亀頭部分があるのが普通です。

大きな違いはペニスにはその中心部に尿道が通っているのに、クリトリスには尿道がないことです。女性の尿道口はクリトリスの下方、膣入り口のすぐ上にあり、外に向かって出っ張っていないため、立ったままでの排尿はできません。FTM当事者が術後になによりも感激するのが、男性として立ったままで排尿できるようになったことだ、とよく聞きます。

包皮に包まれたクリトリスの根元から亀頭の先端までは、約2センチ-2.5センチ前後の長さがあります。手術を考えているFTMトランスセクシュアルは、ホルモン療法を受けているのが普通ですが、男性ホルモンの影響でクリトリスはさらに増大する可能性があります。このクリトリスを覆っている包皮から開放し、ペニスのように立てて、包皮などで周囲を包んで補強します。さらにこの筒の内部に延長した尿道を通して、ペニスの先端から排尿できるようにしたのがミニペニスです。

男性には睾丸が備わっていますが、これも丸いシリコンボールを大陰唇の袋の中に挿入して、小さいながらも男性の性器に類似した性器官ができるのです。

ミニペニスの有意性

●名前の変更には精神科医のGID診断書があれば問題ないようですが、戸籍上の性別変更は外科的な方法により反対の性別に近似した外観の性器を有している場合には、家庭裁判所もとくに問題視せずスムーズに性別変更ができます。

●晴れて男性として社会生活が送れるようになれば、長年の悩み、苦しみから解放されて、前向きな人生設計が可能になります。

●ミニペニスは短すぎるため、挿入セックスはできないと思ってください。しかし、元のクリトリス性感は維持されるのでいろいろ工夫はできるでしょう。

●性別変更もできるということは、正式に異性と結婚もできるということです。残念ながら、ふたりの間で子供を産むことはできません。

●本格的な陰茎形成とはちがい、ミニペニスでは身体の他の部分からの皮膚移植はありません。そのため目に付く傷跡が一切残らないことは、精神的な負担もやわらげてくれます。

●本格的な陰茎形成法を望む場合には、このミニペニスは無駄にはなりません。クリトリスを含むミニペニスを土台として、さらに尿道を延長して、腹部などからの筋肉皮弁移植により、本格サイズのペニス形成が可能です。

●ミニペニスは本格的陰茎形成のための必要条件ではありません。ミニペニスのままでも、本来の目的だった男性として社会生活を送りたいという望みはかないます。これで精神的な余裕ができて、種々の条件や態勢がととのった段階で、あらためて本格的なペニス形成を目指すというオプションがあるのも大きなメリットでしょう。

●ミニペニスは一回の工程、3時間ほどで終わります。バンコク滞在期間は2週間。したがって、時間と経費の大きな節約になり、望んでいた自分本来の性別で早期に社会に参画することが可能になります。

         <包皮から開放されたクリトリス=ミニペニス>


技術上の問題

尿道形成
女性の尿道はおよそ4cmの長さ、男性の尿道は20cm近くあります。これが肉体的には反対の性を目指すSRSをむずかしくする大きな要因です。SRSを手がける医師のほとんどが、尿道形成が一番やっかいだと認めるでしょう。尿道自体がやわらかい海綿体でできていて、接合がむずかしい。術後の尿漏れや、尿道狭窄という後遺症も起こり得ます。ただ、経験をつんだSRS医師は技術の向上によりこのような問題は最小限におさえていて、再手術を要するようなケースはまれにしかないといえます。

提供される材料に左右される
内視鏡手術やロボット手術など、近年の医学界では技術革新は日常的な話題になっていますが、SRSの世界はすべて医師の手先の技術と経験により磨かれた職人芸のようなものです。CG合成によるシームレスな変身とは無縁の世界です。患者さんから提供された材料を使ってしか手術はできません。したがって、仕上がりも材料の質、大きさ、形体に左右されることは理解しなければなりません。その意味で、過大な、空想的な変身願望は現実的ではないと思います。ベオグラードのペロヴィック医師も「仕上がりは医師の技術よりも、提供される材料に左右される」と述べています。

クリトリスの大きさ
ミニペニスにはクリトリスのサイズが大事な要件になります。というのも、ミニペニスの仕上がりは、提供されたクリトリスという材料に大きく左右されるからです。クリトリスは一年以上の男性ホルモン治療により増大するのが普通ですが、当然ながら個人差があります。2年以上の期間をかけるか、それでも十分でない場合にはとるべき方法はあるようですので、検討してみてください。(*注参照のこと)

同じく、挿入する睾丸インプラントや陰嚢の大きさも、その袋として転用される大陰唇のサイズにより左右されます。小さすぎる袋に大きいインプラントを入れると裂けてしまいます。これは、手術への準備として、大陰唇を指先で引っ張って、皮膚面積を伸張するストレッチ作業を根気よく続けると効果があるでしょう。

手術に完璧はない
夢に描いていたSRSも、終わってみれば結果は現実的です。自分にとってSRSの大事な目的は何か、順番をつけてリストアップしてみてください。目的意識がはっきりするでしょう。

いかなる手術にも完璧はありません。目的意識がはっきりしていれば、そしてその大事な目的が達成されていれば、過大な期待や、失望感からの呪縛から開放され、前向きな人生に向けて前進できるのではないかと思います。いかなる手術にも完璧はありません。これは、全世界の医師からの真摯なメッセージだと思ってください。

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*《注》 クリトリスをさらに大きくしたい方には、ヨーロッパ/アメリカなどから入手できる男性ホルモン・ジェル(クリーム)があります。ジヒドロテストステロン(dihydrotestesteron=DHT)配合ホルモン剤で、ペロヴィック医師もこれをクリトリスに塗ると1ヶ月ほどで効果があるとして推薦しています。すでに投与中の男性ホルモンとの関連もあるため、かかりつけの専門医と相談してみてください。

なお、値段の安いバキューム式の吸引器具もあるようですが、これは国内のアダルト系のサイトで探してみてください。

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2010年8月25日水曜日

スワンナプーム空港に鉄道アクセス


スワンナプーム空港に鉄道アクセス

バンコクのスワンナプーム国際空港にやっと都心と結ぶ鉄道サービス、エアポートリンクが開通し、8月23日から正式運航を開始したというニュースです。

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バンコク都心と空港間は約28キロメートル、これまではハイヤー、タクシー、中古車みたいなリムジンバスしかアクセス手段がなく、利用者からもとかく評判がよくなかった。

この空港鉄道線は、バンコクの高架鉄道BTSスカイトレインやMRT地下鉄と同じドイツのシーメンス社の車両と運行システムを使うものです。空港線には二つの運行システムがあります。

「エクスプレス・ライン」(30分間隔)
空港 - マカサン駅  ノンストップ便 所要時間15分 
料金100バーツ(約¥270)

「シティライン」各駅停車便
空港 - パヤタイ駅  8駅で各駅停車する 所要時間30分 
料金15バーツ均一 (約¥40)

運行時間: 午前6時から翌日午前0時まで
表示の料金: 年内のみ有効で、来年から通常料金に値上げ予定

海外から到着する旅行者は都心に近いエキスプレスライン終点のマカサン駅を利用することになります。ここからはタクシーを利用して目的のホテルなどに向かうことになる。荷物が多い場合などには空港からタクシーに乗った方がドア・ツ・ドアで便利ともいえる。また単身の身軽な旅行者には鉄道が便利で、経費もすこし安くあがりそうです。

一方、シティライン線は地元バンコキアンや交通不便な郊外に住む人々の利用が中心になりそうで、通勤や通学に利用するひとも多いと推測されます。

なお、マカサン駅には航空便利用旅客の預け入れ荷物のチェックインカウンター設置が計画されているものの、利用できるのは来年初めになるとの見通し・・・・ということは現実的には来年半ばごろから?

6月より試運転を実施しており、この期間は一日あたり17,000人のお客を運賃無料で運び、安全性を確かめ、また運行システムの習熟期間とした。シーメンスの運行するBTSやMRTは大きな事故は起こしていないので、エアポートエキスプレスも乞うご期待というところです。利用客からとかく評判の悪かったスワンナプーム空港ですが、すこしは失地挽回となるかどうか。

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2010年8月7日土曜日

FTM - 世界初のペニス成形手術


『世界最初の人造男性』 《The First Man-Made Man》

FTM性転換手術に関して記録に残る歴史的な資料は少ないものの、確実だと思われるのはアメリカの女性作家ペイガン・ケネディ著になるノンフィクション(2007年刊)“The First Man-Made Man” 『世界最初の人造男性』という本に詳細なドキュメントとして残されています。それによると、第二次世界大戦直後の1946年から49年にかけて行われた、英国のハロルド・ギリーズ医師がトランスセクシュアル男性のマイケル・ディロンに行ったFTM手術が最初だそうです。

誤解をまねかないように付け加えると、世界最初というのはホルモン療法から始まって近代的な手術法で行われた最初の性転換手術ということで、はるか昔から原始的な方法による性転換手術らしきものが世界のあちこちで行われていた証拠はあります。また、マイケル・ディロンというFTM患者が上流階級出身で、高等教育を受け、大学で医学を勉強し、自らも医師の資格を持っていた人物であり、その後の人生で数奇な運命をたどったということも注目を集める理由でしょう。

この著作が発表されるとニューヨークタイムズ紙、サンフランシスコ・クロニクル紙などのメディアの書評、その他書評専門誌やウェブサイトが取り上げ、どれも大変好意的な書評を掲載しています。それはこのノンフィクションがまさに小説を思わせるストーリー性があり、登場人物、社会背景、英国、アメリカ、インド、チベットと舞台がつぎつぎと変わり、主人公マイケル・ディロンのミステリアスな最期など、小説を思わせる面白さがあるからでしょう。

それぞれの書評は違ったアングルから焦点を当てているので、それら複数の書評からエッセンスを取り出し、著作を読まなくでもこの歴史的な人物を客観的に把握できるよう、以下のように要約してみました。

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世界最初の人造男性』 《The First Man-Made Man》
著者ペイガン・ケネディ(アメリカの女性作家。ノンフィクション、小説、伝記など)

まだ若手ながら幾つかの文学賞を受賞している。入念な資料調査やインタビューを含めた豊富な資料をもとに、裏づけのあるノンフィクションを構成していく才能は高く評価されている。マイケル・ディロンの人物写真だけでなく術前・術後の性器の写真も入手しているが、SRSという特異な分野だけに著書ではその類の写真はいっさい公開していない。
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マイケル・ディロン(1915-1962.女性として英国上流社会の家柄に生まれ、子供時代の名前はローラ・ディロン。名実ともに世界初のFTM性転換者となり、47歳のときインド北部の国境地帯で原因不明の死を遂げる)

ローラ・ディロンはこども時代から自分が他の誰とも違っているのに気づいていたが、どこがどう違うのか言葉には表せなかった。やがて、思春期を迎えて胸が大きくなってくると、女の身体に閉じ込められた男であると確信するようになる。20世紀初頭のイギリスでは、卵巣や精巣の役割などまだミステリーゾーンの彼方にあり、ホルモン剤を使って自分の性を変えようなどという発想は想像もできなかった時代である。

オックスフォード大学在学中は同性愛者として振舞ったが、やはりしっくりこなかった。トランスセクシュアルとかトランスジェンダーという言葉さえ生まれていなかった時代である。レズビアンの友人も周囲にいて女性には惹かれたものの、性的に親密な関係には興味がなかった。

男へのトランジション
1938年に性の問題を専門とする軍医がいると聞き相談に行ったところ、話を聞くや否や追い返されたが、薬だけ渡してくれた。それがテステステロンというホルモン剤であった。数週間もたたないうちに声に深みがでるようになり、頬にはひげが生えてきた。これで自信を持ったローラ・ディロンはマイケルという男性名に改名する。テストステロン服用を始めてからは肩幅も広くなり、ひげも生えた彼は、紳士の集まる社交クラブに出入りしてもだれも変な目でみることはないほどの変身であった。

しかし、ペニスなしにどうやって男になれるか?この問いに勇気を与えてくれたのが、イギリスで最初の成形外科という分野を切り開いた外科医ハロルド・ギリーズ医師だった。1946年から49年にかけて13回に及ぶ手術を施し、ディロン自信が自慢するほどの立派なペニスをもつ男性が誕生した。これは医学史にも残るべき成形外科手術の快挙と言ってもよい出来事である。

この本の著者ペイガン・ケネディ自身が手術前・手術後の写真を見たときの感想は、「フランクフルト・ソーセージみたいで、異様なくらい太く、なめらかな皮膚をしていて、その先端には穴があった」。ペニスの材料は身体の他の部分(脚と腹部)からの移植であり、おそらく今日行われている標準的な手術方法はこれに準じたものではないかと想像される。

ケンブリッジの医学校で医学を勉強していたマイケル・ディロンは、『自己とは―倫理と内分泌学の研究』という、性転換症に関する彼の分析をまとめた近代科学の先駆けともなる本を出版した。この本でディロンはホルモンと性転換症の関係、性認識と性の欲望を分類する方法論を考えだした始めての学者の一人ともなった。彼の主張では、クロスドレッサーと性転換症者は全く異なるカテゴリーに属する。また、生まれながらの性認識を捨てるように執拗に説得しようとする精神科医の態度に異を唱え、性認識はまだ母親の胎内にいる内に発達するものだと唱えた。自らの性別を決めるには、まず自分に聞いてみることだ。「本来の性とは身体の外見には関係なく、自分が男性であるか、女性であるか、または両者の中間である、という心理構造からくるものである」との持論を展開している。

この本が世間の注目を集めることはなかったが、その後のディロンの人生を大きく変える転機となった。この本を読んで彼にアプローチしてきたのが、MTFトランスセクシュアルのロバータ・カウウェルである。1949年のことで、カウウェルは男性から女性へのトランジションに際してディロンが助けになってくれることを期待したからであった。それは、当時の英国では兵士として国のために働ける男性が睾丸を除去することは法律で禁止されていたから、開業医には頼めなかったからである。

今では医師の資格を持つディロンは、魅惑的な容姿のカウウェルに恋心を抱き、彼女を助けるために睾丸除去の手術を施してやる。膣成形手術はディロンの恩人であるギリーズ医師が行うことになった。1951年に行われたこの手術は、近代的なMTF性転換の世界初めての手術となる。コペンハーゲンで手術し、1954年にニューヨーク空港にブロンド美女として降り立って世界に名をとどろかせた、クリスティーン・ジョーゲンセンに先駆けることおよそ2年前のことである。この事実はカウウェルが「ロバータ・カウウェル物語」という自伝を出版する1954年まで世間に知られることはなかった。

第三の性
カウウェルの自伝出版からやがてディロンの女性から男性への性転換手術がマスコミの知るところとなる。クリスティーン・ジョーゲンセンの場合は男性から女性への性転換であったが、女性から男性への性転換も可能だと知って驚いたマスコミは、ディロンを好奇の目で追いかけ始める。ディロンは絶えず周囲に目を配りながらの生活の強いられるようになった。

カウウェルに恋心を抱くディロンはプロポーズしたもののあっさりふられてしまう。1958年、失意のディロンは、船医として船に乗りアメリカの港町ボルティモアに行く。そこではすでに大衆紙がかぎつけていて露骨な取材攻勢にあい、ディロンは好奇の目を避けるためインドに渡る。そこでイギリス人の僧侶が運営するテラヴァダ仏教の僧院で修行僧となり、仏教に心の安らぎを感じはじめる。しかし、インド仏教には「第三の性」に属する者は僧侶にはなれないという戒律があるのを知ることになる。2500年前の宗教が規定する「第三の性」とは自分のことだと失望したディロンは、1959年の秋がくるとわずかの身の回りの物をまとめてインドの僧院に別れを告げる。

チベット仏教への帰依
1959年は中国がチベットに侵入して新政府を設立した年で、多くのチベット人がインドに亡命していた。飢えと悲嘆にくれるチベットのリーダー格の人物も多く、運よく会えた高名なチベットの僧侶は、第三の性であろうがなかろうが、僧侶になるのはなんら問題ないと教えてくれた。

また、サンスクリット大学のチベット文化にくわしいい教授から、何百年も前から純粋なチベット仏教の戒律をかたくなに守っている僧院があることを聞いて惹かれたディロンはそこに向かおうと決意する。戦争状態にあったインドと中国にはさまれた小さな国にあり、旅行者が自由に行き来できるところではなかった。ディロンはヒマラヤ山中の秘境にあるこのリゾンの僧院にやっとたどり着き、頭を丸め、黄色のローブをまとい仏教僧になりたいとの一念で修行僧の生活にはいる。過去の自分や俗世のしがらみから解き放たれたディロンは、子供の修行僧たちに交じって食事作りや清掃などの下積み生活に明け暮れるうちに、自らを客観視する余裕を得て心から笑える自分を発見し、生まれて初めて心の平安を感じるようになる。

ディロンはチベットへの入国ビザ更新のためインドに旅行し、そこに滞在中にすでに書きためてあった自伝の原稿を書き上げてロンドンの出版社に送ってあった。その原稿の表紙には著者マイケル・ディロンの本名の下に彼の仏教名ロブサン・ジィヴァカとタイプされていた。そこにはタブロイド紙のスクープを待たずに自らから仮面をかなぐり捨てたディロンの強い意思があった。しかし運命は皮肉で、リゾンの僧院への帰路に泊まったホステルで、原因不明の病にかかり謎の死を遂げてしまう。毒殺といううわさもあった。1962年、ディロンは47歳であった。火葬に付された彼の遺灰はヒマラヤ山中に撒き散らされたという。

ディロンの自伝の原稿を受け取った出版社は、准男爵の爵位をもつディロンの弟から名誉毀損で告訴されるのを恐れて、出版には手をつけようとしなかった。マイケル・ディロンがローラ・ディロンとして女の子の服装に抱いた嫌悪感、男になりたいという抑えようのない衝動、女の身体を男に変えたテステステロン、ペニスを得るために延々と続いた外科手術、などについての自らの感情を隠すことなく赤裸々に語ったその原稿は、今でもロンドンの地下倉庫に保管されたままである。

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関係人物背景

ハロルド・ギリーズ医師 (1882-1960)
ニュージーランドで生まれたが、医学の勉強のためイギリスに渡り、ケンブリッジ大学で勉強する。第一次世界大戦中に若手の外科医だったギリーズ医師は、戦闘で顔にひどい傷を負った多くの兵士を見るに見かねて、英国戦争局に何度も足を運び、気の毒な負傷兵士の成形手術のために陸軍病院に特別な手術室を用意するように説得した。これが成形外科が医学の新しい分野として受け入れられるきっかけとなり、成形外科の父とも呼ばれる。第二次大戦後にギリーズ医師は成形手術専門のクリニックを開設し、1946年から49年にかけてマイケル・ディロンに13回におよぶ手術を施し、立派なペニスを与え、始めての成形手術による「人造男性」を世に送り出した。

またギリーズ医師は、1951年5月には、ディロンの片思いの相手でもあったトランスセクシュアル女性ロバータ・カウウェルに初めてのMTF転換手術も施し、本格的なSRSの先駆者ともなった。これは1952年から54年にデンマークで手術を受け世界にセンセーションを巻き起こしたアメリカのMTF女性クリスティーン・ジョーゲンセンより2年ほど早かったが、その事実が世間に知られたのは1954年にロバータ・カウウェルの自伝が出版されてからであった。

ペイガン・ケネディの著作がなかったら、世界で始めてFTMとMTFの性転換手術を行ったギリーズ医師の歴史的な業績は、クリスティーン・ジョーゲンセンの華やかな名声の陰に隠されたままになっていたかもしれない。

ロバータ・カウウェル(1921年生まれ。MTF女性で男性時の名前はロバート)
父親は外科医で陸軍中将、彫刻家、音楽家など多彩な才能の人物。母親も社会活動家、ピアニスト、歌手としても知られる。姉と弟のいる裕福な家庭に育つ。ロバートは結婚して二人の子供をもうけるが、自らの体の異変には悩んでいた彼は、各地の医師を訪れ診断を受け、女性の特徴を備えていることを確信する。1952年には妻と離婚するが、すでに戸籍上の性別は女性に変更済みであった。

第二次大戦中はイギリス空軍のスピットファイア戦闘機のパイロットであり、ドイツで撃墜され終戦まで捕虜生活を送る。戦後はレーシングカーのドライバーとして活躍した。マイケル・ディロンと知り合いになり、間もなく彼女も同じギリーズ医師よりイギリスでは初めてのMTF性転換手術を受ける。当時のイギリスでは性転換手術を受けたのはディロンとカウウェルの二人だけであった。カウウェルは1954年に自伝『ロバータ・カウウェル物語り』を出版し、その魅惑的な容姿もあずかって一躍有名になった。

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2010年6月30日水曜日

FTM ミニペニス形成術


FTM「ミニペニス形成術」について

女性から男性へのトランジションはMTFに比べてより複雑な課程を経なければなりません。本格的な男性の生殖器(陰茎形成術)を望まれる場合には、通常は数ヶ月の間隔をおいて4段階の手術を受けることになります。完成までには1年半以上の期間と、旅費滞在費などを含めるとかなり高額の費用もかかります。自分としては何を目的とするか(当面の目的と最終到達目的)をよく冷静に考えて計画的に取り組む必要があります。

FTM当事者にとってより現実的で、到達容易な方法としてミニペニス形成術(=マイクロペニス)が最近注目を集めています。その概略を以下にご紹介いたします。


FTMのトランジション道程

精神科医の診断
ホルモン治療
乳房除去
子宮・卵巣除去
陰茎形成術
*オプションとしての陰核陰茎形成術(ミニペニス形成)


ミニペニス形成術について (マイクロペニスとも言う)

日本では陰核陰茎形成法とよばれるFTMミニペニス形成術は、あまり注目されていないようですが一考の価値があります。この術式にはそれなりの大きな利点があり、(1)それは小さなミニペニスのままでも完結している術式であること、(2)一回の手術で済むため時間と経費がすくない、(3)また将来的に本格的なペニス形成に進むまでの第一ステップとしての価値である。

方法: 
ホルモン治療により増大したクリトリスを利用して、小さいながらもペニスを造る。新尿道も中に組みこむので、男性として立ち居で排尿ができるようになる。ただし、挿入セックスは無理と思ってよい。

条件: 
クリトリスを包皮からはがして立て起こしてペニスとするため、根元から先端までが少なくとも2センチから3センチの大きさのクリトリスを有していること。クリトリスの亀頭部分が男性の亀頭に似た形態なら理想的。これから3センチから5センチのミニペニスが形成される。

利点: 
1)子宮・卵巣摘出術がまだの場合でも、それらも含み一日ですべての手術を完了することができる。時間と旅費・経費も少なくてすむだけでなく、短期間で社会復帰できる利点は大きい。

2)まず、念願の男性として立ち居で排尿できるようになる。

3)インプラント睾丸も大陰唇を袋として挿入されるので、小さいながらも外観的に男性器と認められる。

4)まず家庭裁判所で戸籍の性別変更が認められるので、晴れて男性として社会生活がおくれる意義は大きい。

5)将来的にこのミニペニスを基盤として本格的な陰茎形成に進むことができるので、それまでのステップはけっして無駄になることはない。

6)クリトリスの性感は維持されるので、セックス時の工夫やパートナーの協力により快感を味わうことができる。ただし、ミニペニスでは現実的には挿入セックスはむずかしいですが、必要は発明の母です。パートナーとの間で新しい愛の形を発見できるでしょう。

留意点: 
どのSRSにも言えることは、手術後の性器の外観は医師の技術もさることながら、患者の提供する材料の大きさや質により結果が左右されるという事実です。SRSは100%手作業の手術であり、映画のCG合成のように変幻自在というわけにはいきません。

陰嚢の大きさや形態は、睾丸インプラントを挿入する大陰唇の大きさと皮膚の伸縮度により限定されます。


ミニペニス形成手術費用 (手術予約時に再確認が必要)

1)子宮・卵巣摘出術を同時に行う場合
  US$12,500

2)ミニペニス形成術のみの場合
  US$9,800-10,000

3)子宮・卵巣摘出を別途バンコクで行う場合:
  切開手術: US$4,100
  内視鏡手術: US$6,500

その他の必要経費
医師や看護スタッフとの通訳、滞在中のお世話など、個々のご要望にあわせてお見積もりしますのでご相談ください。


バンコク滞在必要日数 (ミニペニス形成)
入院2泊 + ホテル滞在12泊 =14泊


PAIでのミニペニス形成術について

●クリトリスのサイズ(長さと太さ)により左右されるが、2.0cmから3cmあればこれより長いミニペニスができると思ってよい。

●立位での排尿が可能になり、FTMの最初の関門である男性としての振る舞いが可能になる。また戸籍上の性別変更もできる。ただし、性行為での挿入セックスはできないと思った方がよい。

●ミニペニス形成の利点は、将来本格的なペニス形成術に進む場合でも、それを基盤として利用できるのでムダになることはない。本格的なぺニス形成術にかかる時間と費用を考えると、ミニペニス形成術はたいへん現実的な手段としてその有用性が高い。

●子宮・卵巣摘出は、ミニペニス形成と同時に行うことも多いので、とくに問題ない。手術時間はおよそ3時間。

●ミニペニス形成は現時点で100例を越す実績がある。

●ホルモン治療期間は1年間以上であれば問題ない。

●クリトリスの形状は見てみないとミニペニス形成に適・不適が判定できないので、日程を決める段階までにプリチャー医師宛にデジカメ写真をメール添付で送ってもらえると好都合です。

<ミニペニス形成参考例>



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FTMであることを絶えず意識しながらも、経費や仕事上のスケジュールなどの問題で、宙ぶらりんの不安定な精神状態におかれている人たちにとっては、このミニペニスという小さなステップが、男性器形成SRSへの大きな第一歩になるかもしれません。

ミニペニスのままでも構わない場合には、そのままで男性として生きることもできます。その後、時間をかけて次の本格的なペニス形成に進むための予算の確保、仕事の計画、最終ステップが終了してからの人生プランなどを、じっくり考える余裕が生まれるのではないでしょうか。ミニペニスはその意味でも検討に値する手術だと思います。

FTMの患者さんには若い方が多く、このミニペニスは現実的な第一段階の方法として注目を集めているようです。PAIでもすでに100例を越す実績を積み重ねており、ミニペニスではヨーロッパの先駆者といわれる医師たちと連携して技術交流を深めながら、医師チームの技量研鑽に努めています。


以上がPAIにおけるFTMミニペニス形成術の概要です。ご興味のある方はご連絡いただければ、個々の状況に応じてさらに具体的なお話ができると思います。

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2010年3月1日月曜日

SRSのすべてを語るプリチャー医師


そこが知りたいあなたに、SRSのすべてを語るプリチャー医師
(2月24日付けCNN Asiaの記事より翻訳。記者:リチャード・アーリック)

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バンコクの性別適合手術(SRS)で著名な医師が、この複雑な手術の実際を赤裸々に解説してくれた。

サンフランシスコから来た手術希望者モニカ・ワイスさん(29歳)は、PAI(Preecha Aesthetic Institute)のカウンセリングルームで二種類の膣を見比べていた。そこ(ペニス)をくるんでいる皮膚を切り取り裏返して、膣の内側に移植するのです。陰茎皮膚反転法と呼ばれています。ここタイでは約8,000ドルでできます。もうひとつ別の方法があり、大腸の一部を切り離し膣の空洞として利用するものです。この方法は、20,000ドルかかります、とワイスさんが教えてくれる。

「わたしは恐らく大腸膣形成法を選ぶと思います。理由は仕上がりの質がすぐれているからです。合併症も少なくてすみ、長期間の安定した状態が期待できます。また感覚がもっと本物の膣に近いと聞いています。」

ワイスさんはバンコクに来て、Preecha Aesthetic Institute (PAI)のプリチャー・テュートラノン医師の手に、自らの性意識と体の再統合をゆだねることに決めた。プリチャー医師は性転換の手術においてはタイでは最も有名な存在なのです。ワイスさんはラッキーなひとりと言っていいでしょう。性転換という複雑な分野では、男性を女性の体に変えるのは(通常はペニスの皮膚を使い膣壁とする)、比較的に簡単です。一方、女性を男性に変えるのははるかに複雑で困難がともないます。

しかし、プリチャー医師の手にかかると、男性から女性への手術は一日で終わる仕事です。「この30年間で3,500件以上の手術をこなしてきた」と、バンコクの今一番トレンディーな街トンローに新しく完成した(昨年12月)、モダーンなビルの1-3階を占めるPAIクリニックの中で語ってくれた。

ワイスさんがその手術を受ける決心をするとなると、その結果は過去の実績から言ってもまず成功裏に終わるはずである。プリチャー医師の指導下の15人の医師チームの一人が、男性器をメスで削り取り、もう一人が胸にインプラントを挿入する。手術後に生まれ変わった新しい女性は、たいていの場合、男性と性的関係をもつことになり、クライマックスを味わうことができる。手術を受けた患者の約80%が男性と性的関係をもつようになり、残りはいわゆるレズビアンになる。およそ80%の患者がオーガズムを経験することができる。性的クライマックスは年齢やホルモンの使用暦にも左右されることもあるが、とプリチャー医師は付け加えた。

ワイスさんは、性的クライマックスを味わう能力を失うのが心配になることは正直認めている。しかし、すでにその手術を受けた何千人もの人たちと同じように、本来あるべき体を取り戻したいという抑えようのない渇望が、このような心配に打ち勝ち決心する場合が多いのだ。その結果として、プリチャー医師とPAIも十分な利益をあげていることも事実なのである。

コストフレンドリーなタイでの性別適合手術

タイでの手術費用は他の国と比較してコストが安く、それが性転換手術のために多くの外国人がバンコクを選ぶ理由となっている。男性が女性になるためのコストは、術式により9,000ドルから約20,000ドルであるが、男性から女性(MTF)がプリチャー医師の患者の圧倒的な割合を占めている。

女性から男性の患者(FTM)には12,000ドルで出来る、約2.5cmの小さなペニスをつくる方法がある。これには乳房のふくらみを取り、子宮と卵巣の除去も含まれている。もっと長いペニスを希望する場合には、コストが約20,000ドルにまで高くなる。

PAIのビジネスは十分な収益力がある。これは、プリチャー医師のクリニックはほかにも鼻や目の整形、その他脂肪吸引などの多くの美容整形手術を手がけているからである。今年後半にはベトナムのハノイに分院をオープンする計画があり、中東のドバイにも進出することも検討している。

ワイスさんは今年の1月に、男性から女性に変わるための前段階の部分となる手術をプリチャー医師のクリニックで受けた。バンコクで術後の静養をしている彼女は、アメリカで同じ手術をした場合の三分の一の経費、10,000ドルで済んだと言う。これがトランスジェンダー、つまり女、となることが私にとって正しいことかどうか判断するための、最初の後戻りできない行動だったと思います。女性ホルモン治療はもう11年間続けているし、サンフランシスコの友人たちは私をまだ男として付き合っているので、今回の手術により自分がもっと前進し、ほとんどの人が私を女性として認めるようになるのを願って、その日を楽しみにしています。

プリチャー医師チームの外科医がワイスさんの胸にインプラントを挿入し、鼻の整形とその他顔の女性化の手術を行った。本格的に性別適合手術に進み、ペニスを取り去り膣に造りかえるかどうかの決心は、現時点ではお金の問題と、それが私の将来にいい結果をもたらすかどうかの判断にかかっている、とワイスさんは言う。

そう簡単ではない女性から男性へ

パソコンの画面で正視に堪えないような生々しい手術写真を見せながら、プリチャー医師はなぜ女性を男性に変える方がもっとむずかしいか説明してくれた。この手術にありがちな医学的、美容的な問題のために、多くの女性が小さいペニス形成法を選ぶ傾向が強くなっていると言う。

「長いペニスを造るにはとても大がかりな手術が必要となり、また体のあちこちに傷跡を残すことになります。これは、わき腹、腕や太ももからの皮膚移植、皮弁跡です。最近では、小さなペニス、いわゆる「マイクロペニス」を選ぶ患者さんが多くなってきました。通常のやり方はクリトリスを長く伸ばし、2.5cmほどの長さのペニスを造ります。これで患者さんはトイレで立ち位置で小便ができるようになります。また、マスタベーションで自らを性的に刺激することもでき、性的感覚を味わうことは可能なのです。」

「残念ながら2.5cmのペニスでは、挿入による性交は不可能です。短すぎるので挿入は無理ですが、さわったり、こすりあったりすることで、性的快感を楽しむことは可能になります。」

「このマイクロペニスのもうひとつの利点は、体に傷跡が一切残らないことです。本格的なペニス形成の場合と違って、体の他の部分からの皮膚移植が必要ないからです。」

「長いペニスの場合は、皮膚がたくさん必要になります。平均的なサイズ?6インチ(15cm)、8インチ(20cm)も可能ですが、平均としては4インチ(10cm)くらいです。患者さんの希望により決まります。」

ペニスを1インチより長くする場合には、円筒形になるだけの皮膚を移植することが必要になります。これが本物のペニスの役割をするわけですが、感覚はどうしてもにぶいものになります。

「このように再建したペニスには感覚がありません。立って小便することはできます。またペニスをこすり刺激することにより、女性のパートナーを興奮させることができます。シリコン・インプラントを挿入することでペニスに硬さを持たせられるので、挿入性交も可能になります。」

FTM-なぜ外科医のメスの性転換に時間がかかるのか

「もしあなたが女性で男性になりたいなら、何段階にも分かれた手術を経なければなりません。男性から女性の場合のようにワンストップ・ショッピングはないのです。男性から女性なら、2週間の滞在ですべてが終わり、帰国してさらに2週間ほど休養すれば、もうあなたは立派な女性になれるのです」とプリチャー医師は言う。

しかし、女性から男性になるには患者にとってもリスクが増大します。とくに挿入セックスが可能な長いペニスを希望する場合です。「挿入したシリコンがずれて飛び出すこともあり得ます。帰国してからこのような事態になれば、また医師のもとで修復するための旅費など余分な経費がかかります」とプリチャー医師は言う。

タイ政府は最近になり性転換手術に関する法律を改定した。それによると、タイ人の患者は実際に手術を受けるまでに最低1年間は待たなければならない。18歳になる前の性転換手術は完全な違法とみなされ、さらに18歳から20歳までの患者は親の同意を必要とする。

この新しい法律に対応するため、プリチャー医師はタイ人患者の場合は二人の精神科医の診断を求め、資格に適合するか判定してもらう方法をとっている。実際には、女性になりたくてプリチャー医師を頼ってくる患者の大部分は外国人で、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国、中国、日本、韓国、中東、などが占めている。(注2)

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(注1)レポーターのリチャード・アーリック氏はサンフランシスコ出身のアメリカ人で、1978年以来外国メディアのためにアジアで取材活動をしており、現在はバンコクを拠点としている。

(注2)外国人の場合は、精神科医のGID診断書、20歳以上、1年以上のホルモン治療、6ヶ月以上の望む性での生活体験、などの要件を満たせばとくに問題はない。

(注3)PAIとSRSに関してもっと詳しく知りたい方は、下記のメールアドレスまでご連絡ください。個々の状況に合わせてできるだけのサポートをいたします。
Email: masa.shimamura@gmail.com

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2010年2月27日土曜日

GIDの中1女子に男子制服OK

性同一性障害の中1女子に男子制服認める 
2010.2.27 11:15 

「教育動向」ニュース(MSN産経ニュースより転載させていただきました)

 
 心と体の性が一致しない性同一性障害と診断された鹿児島県内の公立中学1年の女子生徒(13)について、学校側が4月から男子制服で通学するのを認めたことが分かった。名簿上の性別の扱いや、体育の授業をどうするかなどは今後、生徒や両親の希望を聞きながら対応を検討する。
 
 学校と教委によると、生徒は「セーラー服を着ると頭が痛くなる」と女子の制服を嫌がり、昨年7月に両親が「男子の制服で登校できないか」と相談。学校側は当初認めず、生徒は9月から体操服で通学していたが、今月20日に医療機関で性同一性障害と診断され、学校側が男子の制服着用を認めた。
 
 性同一性障害をめぐっては、兵庫県の小学校が入学当初から男児を女児として受け入れたり、埼玉県の小学校が在学中の2年男児に女児としての通学を認めた例がある。

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このような小さな展開が徐々に全国的に広まって、GIDの学童が精神の安定を得て成長していくのを応援したいですね。以前にも言及しましたが、登校拒否児童の中には少なからずGID児童がいるのではと思われます。


2010年2月12日金曜日

GID - 公立小2の男児が女児と認めめらる


小学2年生男子が晴れて女子に--堂々のカムアウト

今日の新聞ネット版ニュースには大変驚きました。と同時に、GIDの重いドアが開かれ、将来への明るい展望が開かれる大きな一歩になる出来事だという気持ちで勇気づけられました。

カムアウトに至るまでのご両親の勇気、医学関係者、学校側の理解と配慮もあり、民主党政権の閣僚なども前向きな取り組みを表明しているので、法的な整備も含めてGIDの諸問題への取り組みが大きな波となって全国的に波及する可能性があるのではという予感がします。まずは、単純に今回の明るいニュースを喜びたいと思います。

以下のサイトに関連記事が載っていますので、まだ読まれていない方のご参考までにリストアップしておきます。

http://sankei.jp.msn.com/life/education/100212/edc1002121815002-n1.htm

http://mainichi.jp/select/science/news/20100212dde041100029000c.html

http://mainichi.jp/select/science/news/20100212k0000m040102000c.html

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100212k0000m040101000c.html

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100212-OYT1T00819.htm

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100114k0000m040045000c.html

http://mainichi.jp/life/health/news/20100212k0000e040026000c.html

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100113k0000m040125000c.html

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