2008年5月23日金曜日

7歳の子供から性転換への道を!

7歳の子供から性転換への道を!

これはアメリカの話しです。5月21日のCNNネット版で見ましたが、キャスターはちょっとこのニュースに疑問をはさみ、医学関係者はその意義を強調していました。気になったのでCNN上で検索してみると、もう賛否両論が世界を飛びかっているようなので、以下にかいつまんで紹介させて頂きます。

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「ボストン小児科病院」の小児科専門医ノーマン・スパック医師が性転換症の子供への治療を手がけていたのは以前から知られていたが、その治療対象を7歳まで広げると発表したことが新たな波紋の発端です。

治療の第一ステップは、カウンセリング及び薬物治療によって二次性徴の発現時期を3,4年遅らせることにより、その間自分が本当に反対の性を望んでいるのか決定する時間を与えること。(この段階ではまだ後戻りは可能と解釈できます)

治療の第二ステップは、16歳くらいから反対の性に変わる準備を始めて、ホルモン治療により見分けがつかないほど自然な成熟した女性又は男性になることができる。この段階ではもちろん男女ともに不妊となるので、後戻りは許されない。

スパック医師は、「男性であれ女性であれ環境に自由に適応していけるので、これはまったく驚くほどです」、と述べているのは余程の自信があるからでしょうか。

ところで、ここまでのニュースでは「患者」(つまり子供)のことばかりで、保護者である親の話が取り上げられていないのは気になります。SRSのこともCNNだけでなく、参考にしたブロッグにも話題にされていません。SRSは必ずしも必要ではないとしても、それにぜんぜんふれないで性転換症治療を語るのもおかしな話しです。

以下はこのニュースに寄せられた賛否両論の一部です。
●ジョンズ・ホプキンス大学精神科のマクヒュー博士は、「思春期の到来を遅らせたり性意識を変えさせる試みなどは自然の法則への反逆である」。「子供に対する性転換は、教会の合唱隊の少年たちがハイピッチ領域の声を維持するために行われた去勢と同じような、暗黒時代の野蛮な行為だ」

●法律専門家は、たとえ病院と両親の間で同意書を取り交わしたとしても、ホルモン治療の結果として子供が不妊になれば訴訟沙汰になる事態は避けられないだろうと見ている。「最新医学の成果だからといって、それを直ちに実行に移してもかまわない、ということにはならないだろう」

●あるブログへの書き込みには、「これはデザイナー・チルドレン流行のはしりで、利益を得るのは子供ではなく、本当は男の子でなく女の子(またはその逆)が欲しかった親の欲求を満たすためのものだ」

●大人が性転換症のカウンセリングを受けるのは理解できるが、7歳の子供が同じようなカウンセリングを受け、それから得るものがあるとは想像しにくい。もし親の動機からそうなるなら、病院と医師の利益とも合致するわけだけから細かいことは見過ごすことになるだろう」

●性転換症の本当の原因はまだ判明していない。7歳の男の子で自分が女の子だと思っている子供のうち何人が20歳になってもそう思っているのか、まだ知られていないのだ。

●ホルモン治療は子供の体に強い医学的作用を及ぼす。長期の体と精神に与える影響はまだだれも知らないのだ。健康上の治療の理由もない場合には濫用としか言いようがない。20年後にガンにならない保証はどこにもない。感情と精神への影響は?性転換症にも悪影響はないのか?新しすぎてなにも答えはないのだ。

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・・・など、疑問視する意見も多いのは無理ないと思います。反対を恐れず、思ったことを実行してみるのもアメリカらしいところです。私見ながら、また非当事者の立場ながら、自分が本当のGIDかどうかは本人自身が一番よく知っているのではないか、たとえ7歳の子供であろうとも・・・と思います。

7歳で治療を始めるとしても、小学生の本人がこれから社会にどう適応していくか、興味ある試みであることは間違いないでしょう。何事にもリスクを恐れるニッポンでは考えられないことだけに、ボストン小児科病院での性転換症治療プログラム、どういう展開になるか今後の進展に興味が持たれます。

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