2011年7月28日木曜日

SRS目前の迷い

SRSを目前にして迷う

まだ20台前半のMTF当事者の方とメールでのやりとりが数回続いたあと、具体的な手術日程を検討する段階にきて急に連絡が途絶えました。まだ若い方なのでいろいろ事情もあるだろうと思い、念のためもう一度連絡したところ、いろいろ迷うことがありもう少し考えた上で決断したいので・・・・という丁重なお返事がありました。

以下はそれに対する私の返答です。ご参考までに私の返答をそのまま投稿させて頂きます。

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00さん、お便り頂きありがとうございます。たいへん気持ちが楽になりました。

実際のところ、00さんのように若い人は始めてだったので、面談もなしに本当に話を進めて大丈夫かなという一抹の不安は感じていました。その意味で私自身の反省もふくめていい教訓の機会になりました。

迷いの理由はわかりませんが、SRSを決断するに当たって自分のジェンダーに確信がもてなくなった(本当に女性になるのが本望なのか?)、それとも一時の迷いなのか(そう主張する精神科医もいます)?

自分のジェンダーに自信がもてない場合は、体の性を変更するSRSにはぜったい進むべきではないと思っています。いずれにしろ、迷いが解決するまではSRSは避けるべきです。後戻りのできない手術になりますから。

先日バンコクに行ったとき、FTM(女性から男性)の人たちと会食の機会があり貴重な経験談を聞きました。その人(30台前半)はまだ乳房を除去しただけの段階ですが、ホルモン治療のせいであごひげ、口ひげを生やし、外見、話しぶりなども精悍な男性そのものです。

彼の話では、ポルノビデオを見るきは、自分が上になってセックスしている男の気持ちになって観ている、というのです。これは明確に「彼」が体はまだ女性でありながら、ジェンダー(性意識)は完全に男性のものであるという証拠だと思いました。ジェンダー意識とはこんなものだという一例に過ぎないかもしれませんが、面と向かって聞いた生々しい個人体験談ですから参考にはなるでしょう。

ホルモン治療も1年も続けていると後戻りできないと理解していますので、この点も医師に相談したうえで、慎重に行動してください。まだお若いですから、あわてることはありません。いつでもご相談に応じますのでご連絡ください。

くれぐれもお大事に。

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《さらに思う》最近はGID・SRSに関する情報も多くなっただけに、若い当事者にとっては自分はどうすればいいのか迷うひとが増えてもおかしくありません。逆に30台や40台の当事者は、自分たちが一番悩んで苦しんだ時期には何の情報もなかったという、語りつくせない痛切な思いがあると考えると、私自身も複雑な思いです。しかし、物事は深刻に考えても解決しないことは学びましたので・・・・。
(クアラルンプールにて)