2007年2月7日水曜日

SRSに関連する手術・「豊胸手術」

豊胸手術―Breast Augmentation

乳房は女性の象徴です。MTFの方はSRSに先がけて受けるホルモン治療により乳房が発達し、個人差はありますが普通はAカップの大きさにはなります。身長や体格によりもっと大きいBからCサイズを希望する方には、SRS手術と同時に豊胸手術を受けられますので検討に値します。一回の全身麻酔で、SRSが3時間、豊胸手術が1時間、合計4時間で両方の手術が終了します。回復期間もとくに延長する必要はなく、14日後には帰国できます。

手術費(US$2,800)に含まれるもの
・ ドクター・フィー
・ 手術前問診・カウンセリング料
・ 術前後の診察代・治療費
・ 全身麻酔代
・ 個室にて一泊入院費
・ 医療用具費
・ インプラント代

インプラントバッグについて
豊胸インプラントは「シリコンジェルバッグ」あるいは「生理食塩水バッグ」を使います。

シリコンでは、滑らかで艶がある「スムースタイプ」、またはザラザラした手触りの「テクスチャータイプ」を使用します。テクスチャータイプはスムースタイプに比べて「カプセル拘縮」が少ないのが特徴です。

インプラントの挿入場所について
インプラント挿入には二種類の方法があります。
・ 乳腺下法
インプラントバッグを乳腺の下、大胸筋の上に挿入します。この方法では乳腺を持ち上げ、大胸筋上にポケットを作ります。インプラントの中心が乳首の位置になるように挿入します。

・ 大胸筋下法
インプラントバッグを乳腺と大胸筋の下に挿入します。大胸筋下に挿入することによって、カプセル拘縮が少なくて済み、さらに胸部X腺検査での乳房撮影への影響が少なくて済みます。しかしながら、大胸筋下への挿入ということで乳腺下法に比べ、術後数日間は痛みを強く感じることがあります。

インプラントバッグ挿入を容易に行うのに適当な大きさに、脇の下の目立たない箇所を切開します。切開後は縫合をし、サージカルテープで固定します。術後の回復の為にガーゼで患部の胸部を保護します。

どの手術方法で行うかについては、担当医の十分な診断の下で決定されます。手術の目的はご自身の体形との均衡を保ちながらバストを大きくし、かつ自然な外観を得られるようにすることです。

担当医の診断によって、元々のバストサイズ、ご希望のカップサイズ、大胸筋の大きさなど多くの要素を考慮した上でインプラントのサイズを決定します。

胸がとても小さく出来る限り大きいバストをご希望の場合、インプラントバッグが目立たないように「大胸筋下法」をお勧めします。この場合、カプセル拘縮も少なくて済みます。
スポーツをよく行って大胸筋が大きい方の場合には、「乳腺下法」の方がより動きが楽で自然な仕上がりになります。

合併症の可能性について
・ インプラントを包み込むように周辺皮膜(カプセル)が収縮して固くなった場合、「カプセル拘縮」という現象が起こります。これが起こると、見た目にも感触的にも固く不自然なバストになってしまいます。固くなったバストの対処法はいくつかありますが、場合によってカプセルを除去、あるいはインプラントバッグを交換する必要があります。

・ 一般的に手術中の出血は少量ですが、術後の出血により、稀に大きな血液凝固が起きる場合があります。もしこうなった場合には、凝固した血液を取り除く必要があります。

・ 乳首の感覚が敏感、鈍感、麻痺、あるいは切開部分に多少の無感覚が起きる場合もありますが、これらの症状は時間の経過と共になくなります。

・ 感染症の心配はほとんどありませんが、もしも乳房に感染が起きた場合、インプラントバッグを直ちに除去しなければなりません。その後、再度手術するまでには数ヶ月間待つ必要があります。

・ 稀にインプラントバッグが破れる、あるいは漏れる場合があります。もしも生理食塩水が漏れた場合、バッグが数時間でしぼみ、生理食塩水は体内に吸収されますが無害です。シリコンジェルの場合には、ジェルバッグが破れてもインプラントバッグ周辺の皮膜が破れていない場合には、判別出来ないことがあります。もし胸に強い衝撃を受けた場合には、バッグが破れてしまい、シリコンジェルが周辺組織に流れ出てしまうことがあります。ジェルは乳房内に集まり、周りに新しく瘢痕が形成されます。この場合は再手術によって漏れたインプラントを取り替えます。もしもジェルが破裂してしまった場合、乳房組織内のシリコンジェルを全部取り除くのは不可能なこともあります。

・ 「コーヒーシブ・シリコンジェル」と呼ばれる新しいタイプのものでは、仮に破れることがあっても周辺に流れ出すことはなく、複雑な問題が起きにくい構造になっています。PAIではヨーロッパ製のコーヒーシブ・シリコンジェルを使用しています。

副作用
とくに同時に複数の美容整形手術を行った場合など、副作用の度合いと回復期間に個人差があります。

術後のケア
・ 術後3日目に包帯などを外します。その後は普段通りにお風呂に入れます。
・ 術後3日から5日間は腕の動きは最小限におさえて下さい。
・ 術後3日目にガーゼを取ったあとは、ブラジャーをして形を整えるようにして下   さい。
・ カプセル拘縮防止のために、インプラントを左右にやさしく円形を描くようにマッサージして下さい。
・ マッサージは絶対に無理をしないで下さい。乱暴に揉んだり、力を入れすぎると炎症や皮膜に悪影響を及ぼす恐れがあります。
・ 術後一ヶ月は一日3~4回、一回15~20分のインプラントの運動が必要です。これによってバストの形が良くなった場合、一日1~2回に減らして構いません。
・ 一定以上の年齢の方の場合、定期的に乳房撮影検査(マンモグラフィー)を受けることが必要です。この場合、必ず豊胸手術患者の検査経験のある放射線技師のいる施設で受ける必要があります。場合によっては、豊胸手術後の乳房のしこりや、インプラントの状態を調べるには超音波検査などのさらなる検査が有効です。

麻酔について
全身麻酔で行います。

手術所要時間
約1時間

入院について
一泊の入院が必要です。

回復期間について
5日間から一週間のバンコク滞在が必要です。

(その他の詳細についてはPAI認定のカウンセラーにご相談ください)