tag:blogger.com,1999:blog-45269613929528551872024-03-13T07:41:06.723+09:00性別適合手術(SRS)をタイで受けるためのサポート& ガイド性同一性障害(GID)当事者で、性別適合手術(SRS)を希望される方々を、世界でも有数のSRS実績(3500症例)を誇るタイ・バンコクのPAI(プリチャー・エスセティック・インスティテュート)にご案内するサイトです。島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.comBlogger113125tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-33955413613783367872019-09-29T17:36:00.000+09:002019-09-29T17:36:00.221+09:00島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-21283663020413373632019-09-29T17:34:00.001+09:002019-09-29T17:34:44.441+09:00島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-25920243064546323382015-07-01T23:18:00.000+09:002015-07-01T23:32:52.735+09:00同性婚、日本の現状は?</p>
<b>同性婚、日本の現状は?</b></p>
</p>
同性婚に関しては日本国憲法による大きな障壁があります。
日本国憲法第二十四条は次のように規定しています。</p>
</p>
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」</p>
</p>
これは戦後のマッカーサー司令官の支配するGHQより提示されたアメリカ政府原案に基づく条文です。
</p>
「両性」とは男と女を指すので、同性同士の結婚というのはあり得ないことになります。これは戦争放棄を謳う第九条と同じく、憲法改正なくしては不可能ということと私は理解しています。</p>
</p>
これには政治家を巻き込まざるを得ず、大変な努力と時間が必要ですが不可能ではないでしょう。それとも憲法第9条を拡大解釈で迂回して海外派兵も可能にするような絶対多数与党による「バイパス法案」で乗り切りますか?</p>
</p>
日本でも大きな第一歩となる動きが出ているようです。2015年3月31日、東京の渋谷区で「事実上の同性婚」を認める条例を区議会で可決したことです。 この条例は男女平等や多様性の尊重をうたった上で「パートナー証明書」を発行し、証明書を提示する同性カップルを夫婦と同様に扱うことを義務づけ、区営住宅への入居や病院での扱いなどで不利な扱いを受けないようにする狙いがあります。</p>
</p>
渋谷区議会での条例の採択では出席区議31人のうち保守系の10人が反対したということは、「全員一致」などという社会的合意はまずあり得ないという証明です。しかし完全に支持されないままでも社会的、法的制約から解放されることで同性カップル当事者の生活には物心ともに大きな支えとなることは間違いないので、ここは素直に喜ぶべきだと思います。</p>
</p>
この「パートナー証明書」には法的な効力はなく憲法の定める婚姻とは認めらませんが、渋谷区の区長は「国政に対しても人権上の課題として一石を投じ、歴史的な一ページを開いた」と条例の意義を強調したのは立派です。</p>
</p>
この渋谷区の採択した条例が同性婚の合法化への第一歩となるのかもしれません。何事も小さな一歩から始まりますから。</p>
</p>
**********
</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-68780670040810321922015-06-21T20:12:00.000+09:002015-06-21T21:43:02.978+09:00同性婚の世界を数字で見ると</p>
<b>同性婚の世界を数字で見ると</b>
(CNN – June 13, 2015)</p>
</p>
(この記事は2012年5月に最初に発表された内容をベースにして、2015年6月時点で最新情報にアップデートされたCNN記事を日本語訳したものです。)</p>
</p>
**********</p>
</p>
アメリカ合衆国最高裁は2013年になると同性婚の支持者に2件の大きな勝利をもたらした。一つ目は伝統的な男女間の結婚を防御するための「結婚法防御法」に定められている権利・権益は、たとえ合法的な結婚であっても同性間の結婚カップルには同様には認めないという法的制約があったが、この規制が部分的ではあるが削除されたこと。二つ目はカリフォルニア州で一時期禁止されていた同性婚が連邦最高裁として再び許可を与えるという裁定をくだしたこと。この裁定以来、同性婚支持者を勇気づけるような出来事がつぎつぎに起こっている。</p>
</p>
アメリカ合衆国における同性婚の変化ぶりを数字で追うと以下のようになる。</p>
</p>
<b>37州</b>――アメリカで同性婚を認める州の数は以下の37州になった。(アルファベット順)/p
アラバマ、アラスカ、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コネチカット、デラウェア、フロリダ、ハワイ、アイダホ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンザス、メイン、メリーランド、マサチュセッツ、ミネソタ、モンタナ、ネヴァダ、ニューハンプシャ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、ノースカロライナ、オクラホマ、オレゴン、ペンシルバニア、ロードアイランド、サウスカロライナ、ユタ、ヴァーモント、ヴァージニア、ワシントン、ウェストヴァージニア、ウイスコンシン、ワイオミング.
</p>
(州ではないが首都ワシントンDCも数字に加えると合計38となる)</p>
(訳者注)アメリカ合衆国は50州より構成されているので、4分の3の州が合法的に認めていることになる。</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-kbklLd_B_6k/VYar8MYl2cI/AAAAAAAAAzA/esNp1Pr_hlU/s1600/same%2Bsex%2B-nevada-gay-marriage-1007.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-kbklLd_B_6k/VYar8MYl2cI/AAAAAAAAAzA/esNp1Pr_hlU/s320/same%2Bsex%2B-nevada-gay-marriage-1007.jpg" /></a></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://2.bp.blogspot.com/-V6wW6zCW0IQ/VYasE9sbJjI/AAAAAAAAAzI/r3qryfJQYb8/s1600/same%2Bsex-montgomery-same-sex-0209-exlarge-169.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://2.bp.blogspot.com/-V6wW6zCW0IQ/VYasE9sbJjI/AAAAAAAAAzI/r3qryfJQYb8/s320/same%2Bsex-montgomery-same-sex-0209-exlarge-169.jpg" /></a></div></p>
(男性カップルはネヴァダ州、下の女性カップルはアラバマ州)</p>
<b>13州</b>――州法、または州憲法により同性婚を否定している州の数は13州ある。</p>
</p>
<b>4州</b>――同性婚を禁止している州で、同性婚を認めている合衆国憲法に異論を唱え現時点で法廷係争中の州があり、それはオハイオ、ミシガン、ケンタッキー、テネシー、の4州である。その争点はそれら各州で同性婚禁止を合法と認定した下級審の裁定意見をめぐってである。</p>
</p>
<b>1統治領</b>――アメリカの統治領で同性パートナー同士の結婚を認めているのはグアム。
</p>
<b>約72%</b>――アメリカ合衆国で同性婚が法的に認められている州で生活する人口のパーセンテージはおよそ72%。(2014年現在のアメリカの総人口は3億1200万)</p>
</p>
<b>900万人</b>――アメリカ合衆国の成人(18歳以上)のLGBT人口は約900万人。</p>
</p>
<b>251,695</b>――2013年現在のアメリカ人で同性結婚しているカップルの数。
(アメリカ地域人口調査局の調査による)</p>
</p>
<b>60%</b>――同性婚を支持するアメリカ人の割合は60%になった。
(2015年5月時点のギャラップ調査による)</p>
</p>
<b>2001年</b>――ヨーロッパのオランダが同性婚を合法と認定したのが2001年のこと。これが世界初の前例となった。</p>
</p>
<b>2003年</b>――アメリカ連邦最高裁が法的に総称ソドミー(sodomy)と呼ばれる性的行為を刑事罰の対象とするのは憲法違反であると認定したのが2003年。</p>
(訳注)「ソドミー」は広義では男性同士、男女間、また動物を相手にする肛門性交やオーラルセックスを指す用語。</p>
</p>
<b>2004年</b>――マサチュセッツ州で同性婚が合法と認められたのが2004年で、アメリカでは最初の州となる。</p>
</p>
<b>19カ国</b>――国全域で同性婚が合法と認められた世界の国の数は、以下の19カ国。</p>
オランダ(2001)、ベルギー(2003)、スペイン(2005)、カナダ(2005)、南アフリカ(2006)、ノルウェー(2009)、スウェーデン(2009)、アイスランド(2010)、ポルトガル(2010)、アルゼンチン(2010)、デンマーク(2012)、ブラジル(2013)、フランス(2013)、ニュージーランド(2013)、ウルグアイ(2013)、ルクセンブルグ(2014)、英国(イングランド/ウェールズ2013/スコットランド2014)、フィンランド(2015)、アイルランド2015)。</p>
</p></p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-uxRYVCu6hNs/VYaoNK0T77I/AAAAAAAAAy0/QKmRc7brvHs/s1600/same%2Bsex%2Bmarriage%2B-ireland-votes-0523---restricted-exlarge-169.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com
/-uxRYVCu6hNs/VYaoNK0T77I/AAAAAAAAAy0/QKmRc7brvHs/s320/same%2Bsex%2Bmarriage%2B-ireland-votes-0523---restricted-exlarge-169.jpg" /></a></div>
(2015年5月に結婚が成立したアイルランドの女性カップル)</p>
<b>2カ国</b>――同性婚が州や地域によっては合法とされている国の数は2カ国で、メキシコとアメリカ合衆国がその例。</p>
</p>
<b>4州</b>――アメリカ合衆国のうち同性カップルにシビルユニオン(事実婚)を認めている州は、コロラド、ハワイ、イリノイ、ニュージャージーの4州。</p>
</p>
<b>22%</b>――アメリカの同性婚カップルのうち、養子や里子として子供を育てているカップルの割合は22%。(UCLAのウィリアムズ・インスティテュートによる2015年3月の調査から)</p>
</p>
**********</p>
<b>[個人的感想]</b></p>
</p>
ヨーロッパには小国が多く、人口も少ない上に人種や宗教も多種多様ではなく比較的まとまりやすい。北欧にみられたように性の解放も世界に先駆けて起こった歴史がある。一方アメリカは国土も広大で、今や人口も3億2千万人、多人種のるつぼと言われる他民族国家となっている。また、統一された精神文化は存在しないものの、アメリカ建国以来ヨーロッパより持ち込まれたキリスト教が基本となる道徳価値観が国のバックボーンとなっている印象です。</p>
</p>
しかし同じキリスト教でも保守派のカトリックと比較的進歩的なプロテスタント派との見解の分かれる分野も多く、LGBT分野についての見解にも大きなへだたりがあります。ただ言論や表現には自由が保障されているアメリカでは、その自由を旗印として偏見に打ち勝ってきたという粘り強い自信があります。その自由の国アメリカでは確実にLGBTの権利が擁護される社会基盤ができつつあると思いますが、その道のりは決して楽なものではなかったようです。テキサス州のように同性婚は命をかけても絶対に阻止するという超保守派の支配する地域もあります。</p>
</p>
正しいと思うと強引にでもつき進んで目的を達してしまうのが楽天的なアメリカ人の得意とするところです。アジア諸国ではLGBTは社会的には認知されてきていても、まだ同性婚は表立った話題にはなっていないようです。日本は今どの辺にいるのでしょうか?</p>
</p>
**********</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-51853018097218850522014-11-21T23:25:00.001+09:002014-11-21T23:40:05.622+09:00トランスジェンダー勝訴の背景と意味 (マレーシア)</p>
<b>トランスジェンダー勝訴の背景と意味(マレーシア)</b></p>
</p>
先回11月9日の投稿でマレーシアでのトランスジェンダーたちの控訴審に勝訴の判決が下りた記事をお伝えしましたが、この勝訴の意味を一般人や外国人にも分かりやすいようにとの意図で、弁護士の一人を務めたシャーレザン・ジョハン氏の解説がスター紙に載りました。以下はその概要です。(2014年11月12日ネット版The Starより)</p>
マレーシアはイスラム教国家であるため一般国民や官憲のLGBTへの理解はおそらくアジアでも最低のレベルであることを念頭においてお読みください。</p>
</p>
*********</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://3.bp.blogspot.com/-a4BUqnTMkU4/VG9Knm362rI/AAAAAAAAAtw/aC-v_iCX-r8/s1600/Shieko%2Band%2Btransgenders%2Bat%2BCourt%2Bof%2BAppeal.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://3.bp.blogspot.com/-a4BUqnTMkU4/VG9Knm362rI/AAAAAAAAAtw/aC-v_iCX-r8/s400/Shieko%2Band%2Btransgenders%2Bat%2BCourt%2Bof%2BAppeal.jpg" /></a></div>
<判決を喜ぶトランス女性たち></p>
この控訴審での判決はこの国を揺るがすものだった。ヌグり・スンビラン州のシャリア法刑事法令
第66項は憲法違反として挑戦した3人のトランスジェンダーたちが勝訴したのである。</p>
この控訴審法廷において判事全員一致の見解として下された判断は、シャリア刑事法令第66項は連邦国憲法第5,8,9、10条を犯すものであり、したがってそれらの法令は憲法違反であると断定したのである。</p>
シャリア法令66項とは、ムスリム(イスラム教徒)の男性が女性の服装をしたり、女性として振る舞うのが発見されると法令違反とみなされ、10,000リンギ(=約35万円)または最高6ヶ月の懲役刑、またはその両方、という罰が科せられる規定である。</p>
上訴した3人のトランスジェンダーは肉体的には男性である。しかし、普通の男性とは明らかに違っていて、医学的には「性同一性障害(GID)」と呼ばれる症状をもつ人たちなのである。この症状の人たちは男性として生まれながらも自分は女性であるという感性をもち、女性の服装やメーキャップをして女性として自分を表現し、また女性特有の動作やしぐさを身につけているのである。</p>
この3人は専門家による医学的な根拠となる診断書をそれぞれが3通も提出し、GIDが医学的には「治療不可能」の症状であること、なおかつ一生涯にわたる症状であると診断している。また、上訴した3人は女性としての振る舞いは自分で好んで選んだものではなく、また自分ではどうしようもない症状であると認定している。</p>
上訴された側のヌグリ・スンビラン州政府は法廷に提出された医学的証拠には反論しなかった。</p>
このような症状の3人の当事者は、法令第66項にもとづき州の宗教警察による日常的なハラスメントにあい、逮捕・拘留されたり、起訴されたりした。この法令が存在するために家から一歩出るのもためらうほどで、普通の人間として生活するのが困難な状況に置かれていた。</p>
想像できますか、自分ではどうしようもない医学的な症状のため罰せられることを。</p>
想像できますか、GIDでなくても、なにかの病気のために法的に罰せられることなど。</p>
このような根拠にもとづき、上訴した3人は連邦国憲法に謳われている基本的人権がヌグリ・スンビラン州の法令第66項により侵されていると訴えたのです。具体的には、連邦憲法第5条にもとづく基本的人権、第8条の平等と非差別の保証、第9条の移動の自由、第10条の言論と表現の自由、これらすべての国民に与えられた権利が、州法令第66項を根拠とする官憲により侵犯されているとするものです。</p>
それぞれの州はイスラム教にもとづく法律を制定する権利は有しており、その中には法令66項のようなシャリア刑法が含まれている。しかし、これら州の法律はこの国の最高の法である連邦国憲法に準拠するものでなくてはならない。</p>
合憲であるか否かの判定はイスラム教の定めるシャリア法ではなく、あくまで国の憲法でなければならない、と控訴審の主任判事は言明している。</p>
憲法第3条にはこの連邦国家の宗教はイスラム教であるとの宣言があるが、この条文は憲法に規定する他のすべての条項に優先するものではない。シャリア法で定める条項でも憲法の規定に準拠していなくてはならず、社会的マイノリティとみなされる人々の権利を侵すことはできないのである。</p>
シャリア法令第66項にはGIDに苦しむ当事者は刑法による処罰からは免除するという規定はない。もしあったと仮定すれば、この法令は憲法違反と判定されるのを免れたかもしれないが、この法令にはそのような例外規定がないため、GID当事者の憲法上の権利を侵害するものと判定されたのである。</p>
しかしこの裁定はシャリア法に対する挑戦とみなすべきではない。「シャリア法」という冠をはずしたとしても、その法規の内容の違憲性については同じ判断原則が適用されなければならない。また同様に、一部の人たちが期待するように同性婚にドアを開くものと解すべきではないし、LBGTの権利を認めるものと早合点するのも的を射ていない。</p>
上訴審に訴えてまで法による判断を求めた3人のトランスジェンダーの真意は、官憲によるハラスメントから自由になりたい、自ら望んだわけではないこの症状で、しかも自分ではどうにもできないことに対して刑罰を受けることから解放されて、普通の人間として生きたいという単純で純真な人間的要求からきているのである。</p>
*********</p>
<付記></p>
マレーシアにはイスラム教を背景とする宗教警察(通称)と呼ばれる組織は各州に存在し、戦時中の日本の「特高警察」のように有無を言わさず逮捕する権限をもち、しかもその行動には異論を受け付けないという。ゲイやトランス当事者はたえずその存在を意識しながら行動しなければならない、その場で捕まるとなぐる蹴るは当たり前で、頭に瀕死の傷を負わされたトランス女性の写真を見せられたことがある。日本では考えられないような現実がまだマレーシアにはあるのです。</p>
*****</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-39613631665039230262014-11-10T21:26:00.000+09:002014-11-10T22:33:27.268+09:00トランスジェンダー美人コンテスト (タイ)</p>
<b>トランスジェンダー美人コンテスト
</b></p>
(バンコク・ポスト紙11月9日記事より。)</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-V9k9nWUE0oo/VGC-fwaqdUI/AAAAAAAAAtA/d5i0v1OKKmc/s1600/TG%2Bcontest%2B2014%2B-%2B706683.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-V9k9nWUE0oo/VGC-fwaqdUI/AAAAAAAAAtA/d5i0v1OKKmc/s320/TG%2Bcontest%2B2014%2B-%2B706683.jpg" /></a></div>
写真中央がミス・ベネズエラ、左がミス・タイランド、右がミス・ラオス</p>
恒例の「ミス・インタナショナル・クイーン」が11月7日夜、タイの海辺のリゾート地パタヤで開催された。このコンテストは「世界最大のトランスセクシュアル・トランスベスタイトのイベント」と自称しているが、今年の栄冠は22歳のベネズエラ代表の頭に輝いた。</p>
18カ国から21人の参加者があり、女王の栄冠を獲得したイザベラ・サンティアゴさんには44万バーツ(約145万円)の賞金が与えられる。また副賞としてスポンサーからいろいろの贈り物があり、希望すれば無料の美容整形手術も選べるという。</p>
タイの参加者ニッシャ・カタホンさんは二位となり150,000バーツ(約49万円)、三位のラオスからのピヤダ・インタボンさんには95,000バーツ(約31万円)が与えられた。</p>
純白のイブニングガウンに身をまとい栄冠を頭に頂いたミス・ベネズエラは、これから何をしたいですかという質問には、笑いながら「ただ眠りたいです」と答えた。</p>
「ステージに上った彼女はエレガントそのもので、審査員全員の賛成で選ばれた」、とメディアのパーソナリティであり学者でもありこのコンテストのジャッジもつとめたスリ・ウォンモンタ氏は言う。</p>
パタヤのトランスジェンダーのステージショーで有名なティファニー・ナイトクラブで毎年開催されるこのビューティコンテストは今回が10回目で、出場希望者は男性として生まれたトランスベスタイトか、または手術前か手術後のトランスセクシュアルでなくてはならない。</p>
他のビューティコンテストとおなじく、「ミス・インタナショナル・クイーン」出場者は出身国の伝統衣装で披露すること、イブニングガウンを着ること、また水着姿でパレードに参加することがきまりとなっている。
</p>
ミス・アメリカのサミラ・シタラさんは、コンテストへの参加は夢だったのでとてもうれしい。友人のすすめで決心したこのコンテストが初めて公然とカムアウトする場になった意義も大きい、と興奮した面持ちで語る。</p>
「わたし気がついたの、これが人生というもので、自分の過去からは逃げられない。もう隠すことはできないから、これでよかったと思う。」</p>
</p>
*****
</p>
<b>(独り言)</b>世界にはこんなトランス美人がいるんですね。余計ながら、副賞の美容整形などは必要とされないと思いますが、、、。
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-88016891502797547102014-11-09T16:26:00.000+09:002014-11-10T22:45:26.747+09:00クロスドレシングの刑法罰は憲法違反の判決(マレーシア)</p>
<b>クロスドレシングの刑法罰は憲法違反の判決(マレーシア)</b></p>
</p>
今年の7月まで6ヶ月にわたって日本に滞在し、トランスジェンダーに関するフィールドワークに関わっていたマレーシアのTG女性のシェコさんからの事前予告のとおり、11月7日に控訴審法廷でクロスドレシングを刑法で罰するのは個人の表現の自由を不当に束縛するものであるとの判決が下された。これはイスラムの国マレーシアのトランスジェンダーにとっては画期的な判決であるので紹介いたします。(2014年11月8日掲載、The Star紙より)</p>
*****
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-4usJM24ptbc/VGC_ZWulhPI/AAAAAAAAAtI/08fUsVNoWdU/s1600/Shieko%2B-%2Bcrossdressing%2Bruling%2Boverturned%2B11_08.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-4usJM24ptbc/VGC_ZWulhPI/AAAAAAAAAtI/08fUsVNoWdU/s320/Shieko%2B-%2Bcrossdressing%2Bruling%2Boverturned%2B11_08.JPG" /></a></div>
写真:喜びのTS関係者(左端が日本にもきたシェコさん)
</p>
3人の裁判官で構成されるパネルは3人のトラスジェンダーの控訴を認め、ヌグリ・スンビラン州のシャリア刑法(1992年制定)の第66条は連邦憲法の条文に抵触するものと次のように裁定した。</p>
「個人の服装、身につける装飾品などは自己表現のひとつの形であり、憲法10条の表現の自由で保障されていると当法廷は解釈する。」</p>
現行のシャリア法第66項では女性の服装をして女性としてふるまう者は、本人が性同一性障害(GID)であるかどうかに関わらず6ヶ月の懲役刑か最高1,000リンギ(約33000円)の罰金が課せられる。</p>
「三人の上告人や同じようにGIDに悩む当事者に課せられた制約は、明らかに不当であると言わざるを得ない。したがい、理性的観点からシャリア法第66項は憲法違反と裁定する。」</p>
三人の判事により構成される審議の結果は、GIDは精神セラピーや薬物投与では変更できない精神の様態であり、それに悩む個人に生まれながら備わっている症状である」との一致した見解による。</p>
「シャリア法66項により当事者たちは自分にとって自然な服装をしたいのに出来ない、また逮捕、拘留、起訴の可能性もある。このような制約は当事者の品格を卑しめるものであり、抑圧的であり、非人間的である」、と主任判事のモハマッド・ヒシャムディンは陳述している。</p>
主任判事はまたシャリア法はHIVの拡大につながる同性愛から社会を守るためにも道理にかなっている、とのセレンバン州の高等裁判所の判断には賛同せず、「高裁の見解は事実や確たる証拠にもとづくものではなく、非科学的な個人的感情、または個人的偏見が混在したものである」と述べた。</p>
トランスジェンダー上告代表者の弁護士であるアストン・パイヴァ氏は、「クロスドレッサーたちは今後も逮捕される可能性はのこるが、これからは高等裁判所で堂々と抗告できる権限を得たことに大きな意味がある」と報道陣に語った。</p>
「女性に正義を」運動の主唱者であるニシャ・アユブは、今回の判決をもとに国中のトランスジェンダーたちに教育の機会をもうけ、それぞれの州にある同様の権利抑制の法律にチャレンジするよう呼びかけると言う。</p>
2011年2月2日に別の3人のトランスジェンダーが憲法違反を理由に、同じシャリア法による逮捕と起訴を禁止するよう法律解釈の見直しを求めていた。2012年10月11日に出されたセレンバン州の高裁はこの訴えを却下し、原告が男として生まれ、ムスリム(イスラム教徒)であることを根拠として、憲法に定める原告の権利は無視されるべきであるという判定であった。</p>
今回の控訴審の判断に「独立ジャーナリズム・センター」のソニア・ランダワとジャック・キーは、「この裁定は連邦憲法がこの国の最高の法体系であることを再認識させるものである」と拍手をおくった。</p>
</p>
*****
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-72672851721150103262014-10-31T00:20:00.000+09:002014-10-31T00:35:55.256+09:00ローマ法王の同性愛者への視線 (その2)</p>
<b>ローマ法王の同性愛者への視線(その2)</b></p>
</p>
10月26日の投稿のあとCNNニュースに興味深い記事がありましたので、性的マイノリティに関するキリスト教とローマ法王フランシスコの言葉の意味を考えてみたいと思います。</p>
この記事の寄稿者Jay Paniniは詩人であり小説家、バーモント州のミッドベリー・カレッジで教鞭もとる。最近「Jesus: The Human Face of God」の題名でイエスの伝記ともいうべき作品を発表された人物。</p>
以下はパニーニ氏の寄稿の中で最近のローマ法王の言動に感する部分をとりあげて、法王の言葉の意味を再度確認したいと思います。</p>
*****</p>
</p>
同性愛結婚には断固として反対してきたアメリカのキリスト教徒にも最近ではこの問題への対応に変化の波が見られる。2016年の大統領選挙には出馬が確実視されている、言葉に衣着せぬ保守派の代表ランド・ポール氏さえも、地元サウスカロライナ州での最近のインタビューで「今までもずっとそうだったように、これはローカルな問題だ」と答えている。要するに、州単位、キリスト教区単位で決めればいいこと、ということ。</p>
これはまた2013年に移動中の飛行機内でゲイをどう思うかという記者の質問に答えた法王フランシスコの短い言葉「Who am I to judge=私に誰を裁けというのか?」に象徴されている。</p>
この短い言葉は驚くほどのインパクトをもっている。歴代のローマ法王は、同性愛を「道徳の根源的な退廃としての悪である」として糾弾してきたからである。</p>
これはマタイ伝にあるイエスの言葉「裁くことなかれ、汝ら裁かれたくなければ」を敷衍した言葉である。この法王フランシスコの言葉は強力なインパクトのある教えであり、慈しみの心で人々に門戸を開いたもので、その扉は簡単には閉じられることはないだろう。</p>
世界はめざましいスピードで変化しつつある。全米に強力な組織と影響力をもつ長老派教会は、州法で認められるなら教会の司祭が同性愛結婚を執り行うことができると決定したのである。この歴史的な決定はアメリカ全土で10,000におよぶ教会で同性愛者同士の結婚ができることを意味する。</p>
監督教会派では2003年からすでに同性愛結婚を認めていて、初のゲイの司祭も選任した。しかしこれは教会派内部の亀裂を生む結果ともなり、所属教会のなかには離脱する教区がでるという会派内騒動も起こしたことがある。</p>
肝心のイエスキリストは同性愛や性欲の表現についてどう考えていたのだろうか。マタイ伝のなかにイエスのよく知られた教えがある。「読んだ覚えがあるであろう、この世の始めに人間を造られたとき神は男と女に分けられた。それゆえ、男は産みの父と母のもとを離れ自らの妻と結ばれて二人はひとつの肉体となる。したがい、神が結ばれたものをまた二つに分断することは許されない。」</p>
この詩文によりキリスト教徒の離婚を認めないという片寄った倫理観が伝統として根付くことになった。しかしこの規制は前世紀から必然であるかのようにゆるくなり、あまりにも多くのクリスチャンが離婚したので今やこの伝統は守られなくなっている。</p>
ここで注目すべきはイエスがこの教えについてさらに質問されたときのこのマタイ伝の発言である。「この教えはすべての人に当てはまるわけではない、たとえばこの世に生を受けたときから性能力をもたない宦官(かんがん)、また他者より否応なく宦官にされた者、また自ら望んで宦官になり天の王国のために身をささげた者もいるのだ。これらを受け入れられるひとには幸あるであろう。」</p>
アレキサンダー大王にもバガオスの名の男性の愛人がいて、彼は宦官としての記述がある。宦官はいろいろな意味合いで使われており、去勢だけでなく男性らしくない男や同性愛者もふくまれている。</p>
創造主である神は創造されたあらゆるものに愛の目を向けられていて、他を裁き断罪することを好む者は容赦なく罰するのである。</p>
イギリスの詩人ウィリアム・ブレークの詩にあるように「生きとし生けるものはすべて尊い」のである。</p>
*****</p>
この記事で私がいちばん注目したのはイエスの言葉「生まれたときよりそうであった宦官」である。
聖書には同性愛者という言葉はでてこないが、宦官が性的マイノリティの代表者になっているのかもしれない。</p>
「生まれたときよりそうであった・・・」はLGBT全般にあてはまると私は思っていたので、それがイエスキリストに認められたようで大変勇気付けられた。宦官がそうなら、「L」も「G」も「B」も「T」もこの世に生まれたときからその指向が脳内にインプリントされて生まれてきたのである。決して病気(Disorder)などではない。</p>
しかし、性自認と身体が一致しないトランスジェンダーはGID(Gender Identity Disorder=性同一性障害)として治療のための便宜上病気として扱われてきたが、2年前にアメリカで開かれた国際学会で単なるGD(Gender Dysphoria=性違和感)と称することが決定されている。生まれつきの性自認と身体が一致しないための違和感の苦しみにくわえて、家族もふくむ世間の理解がないため増幅される違和感をどう克服していくかが課題である。</p>
</p>
*****</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-53158581932110642572014-10-26T21:40:00.000+09:002014-10-26T23:19:59.193+09:00ローマ法王の同性愛者への視線
</p>
<b>ローマ法王の同性愛者への視線について
</b></p></p>
10月20日の日経新聞に目立たない記事が目に留まりましたので、ちょっと感想を
述べてみます。記事の表題は「カトリック教会、同性愛者への寛容案見送り」です。</p>
ローマ法王フランシスコはイタリア系移民の子としてアルゼンチンに生まれ、労働者階級のなかで育ったという生い立ちのためか庶民感覚にあふれ、カトリック総本山のバチカンに新風をおくりこみ、つぎつぎと改革にとりくんできた。大げさにいえば現代の宗教改革ともいえるその行動力には世界が注目していた。</p>
その1つのテーマが同性愛などに対する寛容な態度だった。カトリックの信者や神父、バチカンにも同性愛者はいるからでもあり、この問題は無視できないと直視しようと思われたのであろうか。その勇気と決断を実行に移すスピードには、部外者ながらハラハラしつつも感嘆していた。</p></p>
今回のニュースは、離婚したカトリック信者や同性愛者に寛容な姿勢をしめす内容の、法王主導でとりまとめた中間報告が「世界代表司教会議」でそのまま採択される見込みであった。その中には「同性愛者を歓迎する」との項目があり、「同性愛者もキリスト教社会に貢献できる才能と資質がある」との文言が盛り込まれていた。</p>
「神の御計画」を破壊する企てとして同性愛や同性婚を禁じるというカトリックの教義は肯定するものの、現実の社会に生きる同性愛者の人間としての権利には配慮しなければいけない、とする中間報告書での歴史的な方針転換が将来への期待感として注目されていた。</p>
ところが10月18日バチカンで開かれた200人近くの枢機卿や司教で構成される世界代表司教会議でその歩みよりの文言が多数を占める保守派の抵抗にあい、同性愛者への姿勢を変えると解釈される文言は削除せざるを得なくなった。これが改革を進める法王の初の後退となったのがニュースの主眼である。</p> </p>
ここで宗教にはとらわれない私には合点がいかないことがある。なんでこんなことが大騒ぎになるのか。LGBTと称される性的マイノリティーは、当事者本人が好んでなったのではない。生まれながら備わっていた性自認がある時期に発現するのであって、他人や社会の影響をうけて自ら選んだのではない。その性自認が自覚される年齢には個人差があるだけで、人種や文化が違ってもこれは共通している。これが文化の異なるLGBT当事者と接触してきた私の経験的な結論である。</p>
さらにキリスト教やイスラム教などの宗教の拠りどころとなる聖書や法典には同性愛についての記述はない。この世には男と女、オスとメスしか造られていない、だから旧約聖書の神の御言葉「産めよ、増えよ、地に満ちよ」にいそしむのが人間や動物の役割だとされてきた。</p>
同性愛では子は産まれない、そのような行為は神の意志に反するものである。これがキリスト教、イスラム教にも共通した道徳観である。</p>
しかし現実社会では同性愛者として生まれてくる子供がいる。それが母親の胎内にいる間に方向付けされたもので誕生後に身につけた性自認ではない、という事実には宗教は眼をつむり耳を閉ざす。医学的にも未だに解明されていない。そこに社会的な偏見がはびこり、人間として生きる権利や場が制約される。</p>
そこで誕生前から潜在する性自認をもつ同性愛者をなぜ神が造った人間として認めないのか、バチカンから広い世界に問いかけるべきではないでしょうか、とローマ法王にも言いたかったのですが、、、、。</p>
しかし実際にはフランシスコ法王ご自身はすでにご承知のこと、自らは同性愛者を同じ目線で見ている。民主的に運営される世界代表司教会議で反対する多数派を説得するには段階をふんでやらないと一足飛びでは大ケガをすると、、、。</p>
一年後にはまた機会がめぐってきます。LGBTも神が造られた同じ類の人間です。がんばってください。陰ながら応援しております。</p></p>
*****</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-88483741338236408522014-10-08T12:32:00.000+09:002014-10-08T12:45:34.111+09:00HRWレポート日本語訳</p>
<b>HRW レポート日本語訳</b></p>
10月2日の投稿記事でマレーシアのトランスジェンダーの新聞記事を
紹介しましたが、マレーシアのTSの友人からすでに日本語訳があると
いうメールが入りました。</p>
ヒューマンライツウォッチ東京からも許可を得ましたので、その日本語訳
サイトを以下にそのまま転載させて頂きます。</p>
http://www.hrw.org/ja/news/2014/09/24</p>
</p>
***********
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-40414164727835204002014-10-02T11:26:00.001+09:002014-10-02T19:55:00.476+09:00LGBTが虐待されるマレーシアの現状
<b>トランスジェンダーを虐待するマレーシアの官憲</b></p>
Human Rights Watch(HRW)が報告するマレーシアの現状
(2014年9月25日版Bangkok Post紙掲載のAFP記事より翻訳)
</p>
**********
</p>
(クアラルンプール発)マレーシアのトランスジェンダーたちは組織的な抑圧、挑発行為、虐待に日常的に遇っていて、政府は早急にトランスジェンダーのライフスタイルを犯罪扱いする法律を撤廃しなければならない、とアメリカを本拠とするNGO人権監視団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が最新の報告書を発表した。</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-pPlX0l9NwbQ/VC0DJRgl5zI/AAAAAAAAAr8/7RWFMX7_e_8/s1600/HRW%2Bphoto.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-pPlX0l9NwbQ/VC0DJRgl5zI/AAAAAAAAAr8/7RWFMX7_e_8/s320/HRW%2Bphoto.jpg" /></a></div>
(HRWレポートに見入るマレーシアのTSたち)</p>
Human Rights Watch(HRW)の発表した詳細なレポートによれば、東南アジアでもイスラム教徒が過半数をしめるこの国ではトランスジェンダーたちの直面する人権侵害行為は悪化の一途をたどっている。</p>
その中には逮捕、襲撃、官憲による強要、強奪、公衆の面前で女性の衣服を全部脱ぐことを強要するなどトランス女性をはずかしめる行為、健康・医療、雇用、教育機会等に対するさまざまな障壁がたちはだかっている。</p>
この人権団体でレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル(LGBT)の人権擁護推進を担当するボリス・ディトリック氏によれば、マレーシアでは保守的なイスラム教信奉者の影響が加速的に強まっているためにトランス当事者の状況は悪くなるばかりである。</p>
「簡単に言ってしまえばトランスジェンダーであるだけで逮捕されるということ。こんなひどい状況は他の世界中のどの国を廻っても見られない。」</p>
「この国の加速するイスラム化の現状とぴったり一致するのだ。」</p>
マレーシアは元宗主国の英国の法律にもとづく民事法廷があるが、その一方でイスラムの教えへの遵守を規定するシャリア法によるイスラム法廷も存在する。このイスラム法は人口の6割を占めるマレー人だけに適用されるもので、マレーシア人でも中国系やインド系の非イスラム教徒には適用されない。</p>
シャリア法とよばれるイスラム法では男が女の服装するだけで、最高3年までの懲役刑が科せられる。また州により、とくに保守的な東海岸の州では、女性によるクロスドレシングも同様に罰せられる。</p>
HRWによれば、男として生まれながら女性としての感性をもつトランス当事者たちは、イスラム法を強要する官憲(宗教警察)の手によるさまざまな肉体的、性的な迫害にあっている。</p>
73ページに及ぶ同団体の発表したレポートでは、そのような人権侵害を体験した何十人もの当事者へのインタビューが掲載されている。</p>
そのひとりヴィクトリアは言う。「わたしはたとえようもない恥辱をうけました。公衆の面前で全裸にされ、身体をあちこちいじられたのです。」</p>
「大勢が見ている前です。中には裸にされたわたしの身体の写真を撮っている人もいました。」</p>
3人のトランスジェンダーが原告となった裁判が注目されている。クロスドレシング法は差別的であり憲法違反であるとの根拠でマレーシアのある州で同法を廃止するよう裁判に訴えているのだ。</p>
HRWグループのディトリック氏は声明を出し、「マレーシアのトランスジェンダーたちは日常的に逮捕されるリスクを負わされている。その一方の加害者ともいえる官憲は相手をどのように扱おうとも一切の責任を問われないのである。」</p>
同性愛も事実上は不法行為とみなされ禁止されており、同性同士の性行為は最高20年の懲役刑が科せられる。</p>
人口3000万ほどのマレーシアの約60%はイスラム教徒のマレー人であるが、歴史的には穏健なイスラム教の国であった。それが最近になり特定のイスラム教勢力の保守化傾向がさらに勢いを増す傾向が続いている。宗教的にも民族的にもマイノリティであるグループや他の批判グループからはひんぱんに警鐘が鳴らされているが、政府は対応に手をこまねいていて見て見ぬふりをしているのが現状。</p>
(以上AFP記事より)
**********</p>
<b><私的感想></b></p>
マレーシアには宗教警察という他国にはみられない警察機構がある。今年の3月、数回メール通信していたマレーシアのTS女性と東京で会うことができた。彼女からもその宗教警察の話を聞いていて、はっと息を呑むような残酷な仕打ちを受けたTS女性の写真も見せられていた。</p>
そういう背景もあったので過去何十回も訪れているマレーシアのトランスジェンダー事情には興味をもっていた。8月末にクアラルンプールを訪れた際その女性のアレンジで、現地のTSたちが安全に集まれる場所でSRSのオリエンテーションとQ&Aの集会が開かれた。10人ほどのTS当事者たちと親しく話す機会が持てたのは私にとっても貴重な体験となった。一人は母親同伴で別途カウンセリングもしたが、母親は娘の手術には賛同しているとその場で感じとれた。</p>
その直後にバンコクに来た彼女をプリチャー先生に紹介し、今や親友となったその女性をマレーシアの窓口としてPAIとのコーディネーター役も引き受けてもらったのも望外の収穫だった。彼女もプリチャー先生の寛大で温情あふれる人柄に感激した様子で、真心のこもった感謝のメールをもらった。</p>
帰国後まもなく参加者の3人がPAIで手術したいということで、すでに具体的な日程まで決めているとの連絡があったのには驚いた。これには経済的に苦しい生活を強いられているマレーシアのTSには特別価格を提供するというPAIのプリチャー先生の配慮も大いに力となったのはもちろんです。</p>
マレーシアのTSたちの多くが国境に近いタイ側の町やバンコク裏町のうらぶれたクリニックでSRSを受けているのはその親友から聞いていた。値段が安いのが最大の理由です。バンコクのPAIはよく知られているものの、彼女たちには「5スター」クラスで手が届かなかったのです。</p>
東京に帰って間もない9月25日のバンコクポスト紙のこの記事を見て早速クアラルンプールの彼女にも知らせてあげた。まずマレーシア現地の大手マスコミは政府に遠慮してこのようなニュースは取り上げないと思ったからである。半面、隣国のタイではマレーシアのTS関連のニュースは英字紙が取り上げることがよくある。</p>
その親友からはさっそく返事があり、TSコミュニティ全員がHRWレポートに歓喜の声をあげて、今後も権利獲得の闘いを続けていくことを誓ったそうです。話せばわかる相手ではない宗教警察にだけは気をつけてね!</p>
HRWの報告書のコピーが届いたら、その内容の詳細を翻訳して報告できると思います。</p>
(島村記)
*****
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-41784757882316535032014-01-23T22:15:00.000+09:002014-01-24T22:23:09.068+09:00同性愛禁止法に大統領署名 (ナイジェリア)<b>LGBT関連ニュース(アフリカ・ナイジェリア)</b>
</p>
<b>同性愛禁止法に大統領署名(ナイジェリア)</b></p>
(2014年1月13日付け: Voice Of Americaより)</p>
</p>
LBGTに対するアジア諸国での法的対応を数例取り上げてきましたが、今度はアフリカのナイジェリアの最新情報を紹介いたします。
</p>
**********</p>
ナイジェリア大統領グッドラック・ジョナサンは同性結婚と同性愛団体の会員資格を禁止する法案に署名し法律が成立する運びになった。
</p>
この法律によるとゲイクラブに参加すること、および「ナイジェリア国内において同性同士による性愛行為を公衆の面前で演じる者」は法律違反とみなし最高10年の懲役刑に科するという。
</p>
さらに同性結婚や同棲契約などの行為は最高14年の懲役刑が科されることになる。
</p>
この新しい法律制定にはアメリカ国務省のジョン・ケリー長官から抗議の声明が寄せられた。ケリー長官の声明では、「アメリカは同法案に重大な懸念をもっており、ナイジェリアの憲法に謳われている人権擁護の精神に違反するものであり、ナイジェリア全国民の集会と交流、表現の自由を著しく制限することが懸念されるものである」と述べている。
</p>
西洋諸国とは異なり、多くのアフリカ諸国では同性愛に対する反感にはいまだに根強いものがあり、うち数カ国は最近になり同性愛をきびしく制限する内容の法律を制定する動きを示している。
</p>
先月にはウガンダの議会はある種の同性愛行為を終身刑で罰する法案を通過させたばかり。その法案はヨウェリ・ムセヴェニ大統領の署名を待って成立する運びになる。
</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://4.bp.blogspot.com/-D6KgdjmhqSo/UuEVTYFfVII/AAAAAAAAAoc/mspcmfS-xTQ/s1600/68A37035-8736-4E16-849E-4F3CA10B1E23_w268_r1.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://4.bp.blogspot.com/-D6KgdjmhqSo/UuEVTYFfVII/AAAAAAAAAoc/mspcmfS-xTQ/s320/68A37035-8736-4E16-849E-4F3CA10B1E23_w268_r1.jpg" /></a></div>
<ナイジェリア大統領グッドラック・ジョナサン></p>
**********</p>
(<b>以下は翌日1月14日の続報です。一部重複する部分があるため抄訳とします。)</b>
</p>
ウラズリケ氏は人権擁護活動家で、ナイジェリアでは同性愛封じ込めの法律制定に反対の声をあげてきた少数のひとたちの一人。このような法律はゲイをターゲットにしたように思えるかもしれないが、他の人々も傷つける可能性があると言う。
</p>
たとえば、ナイジェリアではゲイの男性は17%という高い率でHIVに感染しており、このような法律ができると逮捕を恐れて治療を受ける機会を逃してしまうことになるだろう。
</p>
また、HIV患者にサービスを提供している団体もこの法律によれば閉鎖しなくてはならない。同性愛者のなかには既婚者もいるし、ガールフレンドもいるだろう。そのような女性もやがては結婚して子供を生む人もでてくるだろう、そうなるとどうなるだろうか……ウラズリケ氏は言う。
</p>
西洋の多くの国とは対照的にゲイに対する反感はアフリカの多くの国で感じられ、今回の法律制定も実のところナイジェリア人の間では評判がいい。街頭で一般大衆の声を聞いてみると、彼らの共通の心理が以下のサンプルに読み取れるだろう。
</p>
“このニュースはたいへん喜ばしいことで正しい方向への一線なので神に感謝しなくてはならない。”
</p>
“この件はキリスト教とイスラム教に反しており、非常に悪いことなので連邦政府の方針を支持します。”
</p>
“これは正しいことですよ。もっと前にやっておくべきことでした。憲法の中にも謳うべき内容のものですよ。”
</p>
ナイジェリアの国会議員はもう何年にもわたってこのような法律を検討していたのです。その法律にジョナサン大統領が先週署名して一般国民には月曜日に発表されたのです。
</p>
西洋の何カ国かの国はこの法律に異をとなえましたが、英国などはゲイを封じ込める法律を制定するアフリカの国からは援助を撤回するとおどしました。
</p>
政治分析家によればこの法案のタイミングに注視すべきで、2015年は選挙の年で大統領の人気にかげりが見えているのです。アブジャ大学のアブバカール・アリ政治学講師によれば、同性愛者の権利は貧困の極に生活するナイジェリア人の大半には切実な興味のあるテーマではなく、今回の法律制定には多くの市民が賛成すると予測されます。
</p>
「イスラム教徒もキリスト教徒もゲイの権利については圧倒的に反対の立場をとっており、大統領も次回の選挙で政治的に有利になることを狙っているのでしょう」とカーン氏は言う。
</p>
ツイッター上ではこの法律に反対する人たちが抗議運動を呼びかけている一方、賛成派の人たちは西側諸国に対してナイジェリアの文化に口を挟むべきでないと抗議している。
</p>
ナイジェリアのゲイたちは性指向を隠してたえず身に危険がふりかかることを恐れ、自分の家族や友人からも捨てられることを恐れて暮らしている。活動家のオラズリケに自らの身を守るためにナイジェリアを離れる気はないかと聞くと、「ゲイのほとんどが隠れて生きている現状では誰かが彼らの代弁者になって声をあげなくてはならない。逃げるわけにはいかない。」、と言う。
</p>
ナイジェリアではキリスト教徒が国民のほぼ半分、残りの半分はイスラム教徒だと言われている。キリスト教もイスラム教も同性愛は神の教えに反するとして容認しない。まして同性愛をきびしく罰する法律が成立したこの国で、今後同性愛者やその他の性的マイノリティが社会からどういう扱いを受けるかは想像に難くない。
</p>
**********></p>
<b>(付記)</b></p>
歴史的にはアフリカ諸国のほとんどが西側諸国の支配下にあったため、独立後もキリスト教が根をはっている。キリスト教はゲイには反対の立場が強く反映されていて、自由の国と思われるアメリカなどでもLBGTには強烈な反感をもつ人口も多い。アフリカはまたアラビア半島からのイスラム教の勢力もつよく、イスラム社会も同様にゲイをはじめLGBTの存在することすら正式には認めていない。
</p>
カトリックの総本山とも言えるバチカンをおひざもとに抱える国イタリアも、トランスセクシュアルには暮らしにくいところですよ、とバンコクに来てSRSを受けたイタリア人MTFが話してくれたことを思い出します。
</p>
人間を救済するはずの宗教がぎゃくに迫害する教えに固執している様を見聞きするにつけ、特定の宗教に固執しない、また極端な偏見のない日本がいちばん住みやすい国ではないかと思えるようになります。私の実家のように神棚と仏壇が同じ家にあり、神道と仏教が渾然として日常生活に共存する日本人の精神構造は柔軟性と包容力を象徴するもので、その「いいかげんさ」が住みやすい国の要件ではないでしょうか。
</p>
アジアきっての仏教国タイなどもいいかげんさでは立派な国です。まじめに考えると腹がたつほどのいいかげんな面がありますが、だからこそ人気があるのでしょうね。
</p>
*****
</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-73612079090817729452013-12-31T22:43:00.002+09:002014-01-04T21:16:51.554+09:00アンチ・ゲイ運動推進のミュージカル、学校を巡演する</p>
<b>LGBT関連ニュース (マレーシア)</p>
アンチ・ゲイ運動推進のミュージカル、学校を巡演する</b></p>
(英国The Guardian紙より、2013年3月28日刊)</p>
アジアでLGBTが法律で有罪扱いを受けている国はシンガポール、マレーシア、インドネシア(一部の州のみ)があります。シンガポール、マレーシアはイギリスの元植民地だった関係でインドの刑法377条に匹敵する法律が独立後56年を経た今も置き土産として厳然として残っています。その結果LGBTコミュニティがどのような扱いをされているか、英国ガーディアン紙の記事によりマレーシアの現状を知ることが出来ます。</p>
</p>
**********</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-EwBabRqfbm0/UsLNbVvLz8I/AAAAAAAAAoI/F42V29USBEc/s1600/malaysian-anti-gay-musical-2013-blog-kakiseniadotcom.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-EwBabRqfbm0/UsLNbVvLz8I/AAAAAAAAAoI/F42V29USBEc/s320/malaysian-anti-gay-musical-2013-blog-kakiseniadotcom.jpg" /></a></div>
(アンチ・ゲイ推進のミュージカル「異常なる欲望」の一場面)</p>
<b><記事訳文></b></p>
マレーシア政府が後援するミュージカル劇の目的は、若者に対してこのイスラム教国においてレズビアンやゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル(LGBT)になることの危険性を警告することにあったのであるが、国をスポンサーとする偏見についての論争が火花を散らす結果を招いており、人種・宗教を異にする国民の間にさらに憎悪感をかきたてる恐れがある。</p>
この「異常な欲望」というミュージカルは3人のLGBT友人同士の行動を追い、騒々しいパーティから麻薬服用のシーンへ、さらにゆきずりのセックスにふける様を見せ、それらの行為が信心ぶかい隣人たちの怒りをかい、イスラムの教義をあらためて教え込まれることになる。罪を悔いる者は許され、悔い改めない者は雷雨に打たれ死ぬことになるというストーリー設定。</p>
このミュージカルの作者で演出も手がけたラーマン・アダム氏(73歳)は、彼のねらいは「若者と親をLGBTの悪い点について教育すること」にあると言う。</p>
「今日のマレーシアでは新聞やその他の情報媒体の記事でLGBTについてあらゆることを読むことができる。LGBTの情報は学校にまで浸透しており子供たちに影響を与えている」と彼は言う。「子供たちは男は女のためにあり、女は男のためにあることをしっかり認識する必要がある。LGBTの集団はおおっぴらにホモセクシュアルの、またはレズビアンのセックスを行っている。今のマレーシアではそんなに深刻ではないが、われわれは行動しなくてはならない、何かしなくてはならない、何か言わなくてはならない。これはいけない事だ、この風潮に従ってはいけないと言わなくてはならない。」</p>
このミュージカルにはマレーシアでも有名なテレビ俳優たちが出演しており、3月の首都クアラルンプールの国立劇場をかわきりに各地の学校や大学、教員養成大学などで巡演公開され参観はすべて無料で提供された。
マレーシアではLGBT反対の公式見解表明はこれが初めてではない。2011年には政府は男子学童の女性化の風潮を是正するためのキャンプを主催したし、昨年には若者のゲイとレズビアンの“症状”を見分けるためのハウツーガイドの作成を承認したのです。</p>
今年になりLGBTの行動を抑制するためのワークショップを開催し、主催者である副教育相のモハメッド・プアド・ザルカシはLGBTを「社会悪」と呼び、「麻薬と同じように危険性の認識不足がLGBTの拡散につながる。」と警告したのです。</p>
作者のアダム氏はミュージカルへのマスコミ報道の反応の多くは好意的であったと言うが、作品の意図する反LGBTメッセージが一部の観客や人権団体の怒りを買い、LGBT者の権利がまだろくに認められていないマレーシアにおいては憎悪感を呼び起こす効果しか生まないのではないかと見られている。</p>
マレーシアでLGBTの権利向上を推進する年一回のフェスティバル「性指向の権利」を主催するS.ティルガ氏は言う、「あのような傷つけるメッセージや誤解を生む内容がLGBTコミュニティへの暴力行為を助長することを非常に恐れている。今までもいろいろな形の暴力行為にさらされており、国家権力による迫害も受けているのです。」</p>
オンライン・アートのポータルサイトの評論のなかでアリア・アリ氏は、このLGBT問題を一方的な狭い見方でしか表現できていないことからも政府がいかに偏狭な偏見でしか理解していないかがよく分かると言う。「政府の言い分に耳を傾けて欲しいなら、政府自身もLGBTコミュニティの言い分を聞く必要がある」と彼女は言う。「LGBTコミュニティには政府がこのミュージカル公演に使ったような豊富な予算はなく、LGBTサイドの主張をのべる機会は限られているのです。」</p>
アダム氏のミュージカルはマレーシア政治のタイミングに合わせて上演された印象がある。総選挙が今年6月までに行われるという政治日程があり、過去60年近くもその地位を守ってきた与党バリサン・ナショナルは、今回はその権力の座を追われる可能性があった。野党党首のアンウォー・イブラヒムは過去15年の間に2回も同性愛者同士の性行為をしたという嫌疑に問われ裁判にかけられていた。イブラヒム氏は政治的な陰謀であると主張して政治生命はなんとかつなぎ留めてきたという背景がある。</p>
*****</p>
<b>(訳者注)</b></p>
5月5日の総選挙の結果は、野党は与党の腐敗体質をつき善戦して投票総数の過半数を獲得したものの、州単位の当選者数では与党が過半数を確保し、からくも与党はその地位を守った。日本でもよくあるように、複数の野党が結束して一団となれなかったのが結果的には敗因になった。</p>
なお、マレーシアでは男性同士の性行為は20年の懲役刑。イスラム教のシャリア法が適用される州においては、いかなる同性間の親密な行為にも3年間の懲役が科せられる。</p>
</p>
*****
</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-16322598639387182372013-12-29T23:00:00.000+09:002014-01-04T21:16:51.550+09:00インドのゲイ・レズビアンはまたもやクロゼットに逆戻り</p>
<b>LGBT関連ニュース(インド)</b>
</p>
<b>インドのゲイ・レズビアンはまたもやクロゼットに逆戻り</b></p>
Bangkok Post – Business News (16 December 2013)</p>
記者: Sanjay Austa</p>
</p>
このニュースのちょうど一週間前の台湾での明るいニュースを取り上げた直後に、今度はインドでは時代に逆行する司法判断が最高裁より出されました。LGBTに関する台湾とインドのこの両極端ともいえる司法の扱いが、今後のアジア諸国の社会にどう影響するかも注目して見守りたいと思います。</p>
**********</p>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="http://1.bp.blogspot.com/-TA7nH1Aoqh4/UsAznkki_bI/AAAAAAAAAn0/cyfoiExXzQo/s1600/Indian+gay+rights+activists+protest.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" src="http://1.bp.blogspot.com/-TA7nH1Aoqh4/UsAznkki_bI/AAAAAAAAAn0/cyfoiExXzQo/s400/Indian+gay+rights+activists+protest.jpg" /></a></div>
<写真> 「僕を逮捕してくれ。誇りをもって犯罪者になろう」ニューデリーでのゲイ活動家たちの植民地時代に逆行する判決に抗議するデモ。</p>
<b><記事訳文></b></p>
インドにおけるゲイの姿を想像しようとした人たちはおそらく撚りあげた髪の毛、肌にイレズミを入れ、ピンクのシャツを着て唄を歌うように媚びた話し方をする、はでな身振り手振りのタイプを想像したにちがいない。</p>
</p>
かれらのアイドルといえば、ゲイであることを派手に誇示するロヒート・バル、デヴィッド・エイブラハム、マニシュ・アローラのようなファッションデザイナーと思ったにちがいない。ファッション業界での彼らのカリスマは絶大で、駆け出しのデザイナーにとってはゲイであることは有利であると思われていた。</p>
</p>
しかし、ファッションの世界の妖艶さや華やかさとは遠い世界に数百万人のゲイやレズビアンが沈黙のうちに絶望感にうちのめされていたのです。髪の毛を染めることもなく、身体に刺青を入れることもなく、映画の都ボリウッドの典型のようなこれみよがしの気取りなどみじんも見せない人たちの集団のことです。</p>
</p>
この人たちは近所にいるごく普通の人たちで、普通の格好をし、普通の仕事をし、どこにもいる中流階級の未来への希望をもっている人たちです。その多くが小さな町や村に住み、自らの正体は明らかにすることなく生活していました。そのような時代の2009年にデリー高等裁判所が刑法377条への判断をくだして同性愛を無罪とする判決を宣告し、このようなサイレントマジョリティの人たちは自分たちの声を取り戻すことになったのです。</p>
</p>
ゲイであることはもはや犯罪行為ではなくなったのです。かれらの肩の重荷がスーッと消え去ったのです。刑法377条は英国のマコ―レイ卿が1861年に起草した植民地施行法令で、同性愛を自然の法則に反する不純な性行為とみなして処罰の対象としたのです。
</p>
しかし、今年2013年の12月11日、最高裁判所は何百万人というゲイの男性と女性をクロゼットに押し戻す判決を下しました。デリー高等裁判所の判断をくつがえしてホモセクシュアルの行為を再び犯罪行為と裁定したのです。</p>
</p>
5000万人以上といわれるインドの同性愛者たちはふたたび犯罪者として断罪されるのです。この裁定は多くの人々にショックを与え、自発的な抗議の声がオンラインとオフラインを問わず国中に湧き上がりました。
</p>
抗議の声はなぜこの世界最大の民主主義国において、合意する大人同士がプライベートな空間で何をしていいのかも自分で決められないのか、という一点です。インドは乳母の世話にならなければやっていけない国になろうとするのか?</p>
</p>
インドのイメージそのものが時代に逆行するこのような判決により傷ついている。「今日という日は偏見と人権無視の記念日である」、と著名な作家で自身もゲイであるヴィクラム・セスは言う。</p>
</p>
しかし、薄暗いクロゼットからやっと出られて社会の中間層で目立たなく生きていたゲイの男女にとっては、今回の判決の与える影響は計り知れない。</p>
</p>
「判決を聞いた時には声をあげて泣きたかった」と29歳の映画制作者のシュレ・二クは言う。「私の場合は母親に同性愛とはどういうものか納得してもらうのに本当に苦労しただけに、家族もやっと私の悩みを理解しはじめた時に今回の判決が出されたのは衝撃でした。とつぜん私は犯罪者の仲間です。この判決は時代が200年も逆戻りしたも同然です。」</p>
</p>
調査研究学徒である29歳のワリッドの場合はもっと運が悪かった。彼の家族は彼の考え方を理解しようとする態度を一度も示したことがなかった。父親はもしふたたび彼が同性愛の話をもちだしたら、刺し殺してやるとさえ面と向かって言う始末。今回の最高裁の判断は家族の立場をいっそう強固なものにし、「だから言っただろう!」という態度をこれみよがしに示すようになっている。</p>
</p>
「私の父親は私が同性愛者であるよりは死んだ方がよい。われ等の宗教は同性愛を認めていないし、それだけ言えば十分だろう」と父親からはっきり言われたとワリッドは言う。</p>
</p>
今回の最高裁の判断は警察にもLGBTコミュニティに対して脅しやゆすりの口実を与える絶好の機会を提供するだけだとワリッドは思っている。「ゲイ仲間同士が集まることやパーティを開くことは、警官に捕まるリスクの覚悟なしにはもうできなくなる。いったん捕まればどんな言い訳をしようとも賄賂の要求から逃れられないだろう」とワリッドは言う。</p>
</p>
30歳のビジネスマンであるアンシュ・タクールも同じ意見である。彼も友人から警察がかぎつけて捕まえに来ないように今のうちからゲイのウェブサイトから名前を消した方がよいとアドバイスされたという。「今では自分の安全が脅かされていると感じる。もし自分がパートナーと一緒にいて手をにぎっていれば刑法377条により罪に問われかねない。デリー高等裁判所の判決のあと我々が抱いていた明るい希望はすべて死んでしまった。」と彼は言う。</p>
</p>
アンシュもまた自分の同性愛について家族を説得するには苦労した経験がある。「うれしいことに家族は私のことを愛してくれており、今では自由にさしてくれている。同性愛についてはもう話題にしなくなった。心の奥では私がいつかストレートになって女性と結婚し、私のために用意してくれていた生活を送ってほしいと願っているのではないかと思う。今回の最高裁判決は家族を前にして再び私の身の置き所がなくなった気がしてしょうがありません。」とアンシュは言う。</p>
</p>
デリーの学生のサンバーヴ・カアリアはボーイフレンドと一緒にスペインに移住したいと数年前に両親に打ち明けたことがある。その時は両親は彼がインドに留まることを望んだが、今度の判決を聞いた後では二人のスペインへの移住には同意すると言っている。</p>
</p>
「この判決のニュースを聞いてすぐ私の頭をよぎった想像は、大勢の若いLGBTの人たちが毎日のように自殺するイメージです。それは大都会だけでなく、このような法律の格好の餌食になっていた小さな地方の町に生きる若いひとたちです」とサンバーヴは言う。</p>
</p>
28歳のスミロンは女性のスポーツ心理学者で、もう長年にわたって自身の結婚のことについてはのらりくらりと結論をひきのばしにしてきたが、母親は結婚すれば彼女の「症状が治る」のではないかと期待しているようだ。今回の判決が出てからは結婚の問題はもうこれ以上先延ばしにはできないと感じているとスミロンは打ち明ける。</p>
</p>
**********</p>
<b><訳者コメント></b></p>
台湾の明るいニュースの直後だったので、このインドのニュースは衝撃的です。もう20年ほど前のことですが、2年にわたり4回ほどインド各地を旅行した経験があるので、あの悠久の大地のはかり知れない磁石のような力がそう簡単には人間を開放してくれないのか、と思いたくなります。</p>
その偏見の根幹はやはりヒンズー教、イスラム教などの宗教です。自由の国アメリカでさえ同性婚を認める州の数はじょじょに増えてはいるものの、州単位の地方分権という政治形態に救われているだけで、カトリックを先頭とするキリスト教の教義をかたくなに守ろうとする団体や個人は少なくありません。アメリカですらLGBTは未だに偏見と誤解と無理解に翻弄されているのです。</p>
日本は特定の宗教にこだわりを持たない世界でもユニークな国です。あらゆる宗教をのみ込むおおらかさがあり、宗教的偏見が個人の自由や人権を侵すというケースは狂信的な小さな教団をのぞいてはごくまれです。</p>
LGBTは先天的にそなわった性指向によるもので、時代背景や社会的な影響とは関係なく個人のなかに顕在化してくるものです。社会的、法的差別の対象になるいわれはないのです。該当する個々人の人権を尊重し社会的に不利益な扱いをなくすという目的を明確にした政治的な判断と政治家の参画があれば、関連する法律を改定してLGBT者がもっと自由に生きられる環境が実現する日が必ずくるだろうという気がしてなりません。</p>
</p>
******</p>
</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-16603371476880422282013-12-26T17:11:00.000+09:002014-01-04T21:16:51.552+09:00台湾で手術なしでも法的性別変更が可能になる</p>
<b>TG/TS関連ニュース(台湾)</b></p>
<b>台湾で手術なしでも法的性別変更が可能になる</b></p>
(GAY STAR NEWS, by Derek Yiu; 2013年12月9日記事より翻訳)</p>
<b>TSやIS当事者には選択の自由が大きく広がる画期的判断</b></p>
台湾の衛生福利部(省に相当)は手術等による肉体的性別変更過程を経なくても
法的性別の変更が可能とする判断をくだした。</p>
</p>
12月9日に3時間におよぶ白熱した議論の末、衛生福利部は法的性別を
変更したいと意図する個人は、精神科医の診断を含むいかなる医学的
処置を経なくてもそれが可能とするべきであるという結論に達した。</p>
</p>
トランスジェンダーとインターセックス当事者のコミュニティーはこの決定を両者
の要求を共に満たすものとして歓迎の意を表明した。</p>
現行の医学的評価過程では医師は患者の両親に面接しなくてはならず、両親に与えられている拒否権が多くの成人した子供の当事者にとっては悪夢となっていたという一面が想起される。</p>
今までもうひとつの障害となって立ちはだかっていた内務省は、さらなる検証と議論を経たのちに、この新しい判断を実施に移すための関連規則やその詳細を煮詰める作業に入ることになる。</p>
内政部(内務省)の管轄する戸籍登記制度は国民のあらゆる法的文書とリンクしており、出生時に登記された性別を変更するためには他の法的文書も変更しなくてはならない、とインターセックス者の権利活動家のハイカー・チュウ氏は本紙に語った。</p>
内政部の現行の規則では、該当する個人は二人の精神科医の承認を経て性別変更に進むことができる。さらに新しい性を獲得するためには当該性別に関連するすべての肉体器官を外科的処置により切除することが要求されている。</p>
(性別変更のために行われる)強制的な手術は多くの当事者にとっては拷問以外の何ものでもない、というのが今日の議論でも明らかにされた論点であった。</p>
「ジェンダー認識はつねに一個の個人の問題に帰着するものです。これは内政部がまた新たに一から学ばなければならない問題です」、とチュウ氏は言う。</p>
ある女性が出生時に間違って男子として登録されたため36年間も差別に苦しめられたが、きびしい法規則が存在したため何もできなかったという女性のことをチュウ氏は語ってくれた。</p>
性転換後に自殺した二件の例をあげて精神科医による診断評価が大事だと主張する医師がいる一方で、性転換後の社会への適応困難という問題はむしろ社会問題として捉えるべきではないかと活動家は討論の中でその見解を述べている。</p>
精神科医の診断評価と性転換手術という二つの要求項目のためと、それに関わる金銭上および肉体的な制約があるために、トランス当事者が望む法的なジェンダーを獲得する妨げになっているのが問題ではないか、と活動家は言う。</p>
昨年のことながらアルゼンチンが世界で始めて、成人ならなんらの手術や医師の承認なしに法的に自分のジェンダーを変更できる国となったことは特筆に値するでしょう。</p>
</p>
***************</p>
<b>GAYSTARNEWS読者のコメント:</b></p>
台湾よ、よくやった!法的なジェンダーの承認を人質にとって必要もない、また望まない精神科医に送り込むのは重大な人権侵害です。これを終わらせた台湾によくやったと言いたい。(Holly)</p>
台湾よ、おめでとう!愛を込めて。(Garry Forester)</p>
</p>
**********</p>
</p>
<b>訳者・投稿者のコメント:</b> </p>
アジア諸国では始めての画期的な政治的判断です。衛生福利部と内政部との法制化の整備が今後順調に進むことを祈ります。</p>
**********</p>
</p>
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-73629723319552508192012-10-14T00:19:00.000+09:002012-10-14T00:19:26.867+09:00</p>
<b>クロスドレシングに違法判決 (マレーシア)</b></p>
(Online news: The Bangkok Post; 10/12/2012)</p>
**********</p>
TS活動家団体の発表によると、4人のイスラム教徒のマレーシア人トランスセクシュアルが、女装禁止令の撤回を求めてイスラム法廷に提訴していた話題の訴訟が敗訴に終わったとの発表が昨日あった。</p>
イスラム教徒が国民の約6割をしめるマレーシアでは、同性愛とトランスセクシュアルのライフスタイルはタブーとされており、今回の裁判はクロスドレシングを違法とするイスラム法廷の裁定を覆そうとする最初の挑戦だった。</p>
首都クアラルンプールのすぐ南に位置するセレンバン州の高等裁判所は、同州の宗教法であるシャリア法は差別を禁じた憲法上の権利を侵害するものであるという4人の原告の訴えを退けた判決であった。</p>
今回の提訴が実現するまで助力を惜しまなかった女性TS活動家のティラガ氏の言によると、判決はクロスドレシング禁止令を覆すのを拒否したが、マレーシアでは法体系が二つあり、イスラム教徒の生活面に関する事柄にはシャリア法が介入し州政府が管理監督する役目を果たしているとのこと。</p>
判事によれば、4人の原告は男性として生まれ、現在もまだ男性であるためイスラム法が適用される。クロスドレシングはイスラム社会では排斥されるべきであると判事は述べたと、取材したAFP通信に答えた。4人は上告すべきかどうか検討中であるとのこと。</p>
提訴した4人はジュザイリ24歳、シュコール25歳、ワン・ファイロール27歳、アダム・シャズルール25歳で、それぞれブライダルショップでメーキャップアーティストとして働いており、日常生活でも女性の服装で生活している。</p>
セレンバン州政府の監督下にあるイスラム法廷では、イスラム教徒の男性がクロスドレシングや女性として振る舞うことを禁じており、4人とも以前に同容疑で逮捕された経歴がある。</p>
ジュザイリとシュコールの二人に対する以前の裁判は現在も進行中であり、もし有罪となれば最高6ヶ月の懲役となる。</p>
昨年には女性としての性転換手術を済ませたTS当事者が身分証明書の性別変更を求めた裁判で、別の州の高等裁判所が訴えを退けた事例があった。この25歳の薬局で働いていたMTF女性は判決の数週間後に、報道によれば心臓病が原因で死亡したと伝えられた。</p>
ソドミー法(男性同士のアナルセックスを禁ずる法)がまだ存在し、20年の懲役刑で罰せられるマレーシア。同様にトランスセクシュアルも社会の片隅に追いやられた存在であり、就業の機会が閉ざされてその多くがセックスワーカーとして生きていくしかないのが現状である。</p>
**********</p>
<b>(余談1)</b></p>
ソドミー法はアメリカでは2003年になりほとんどの州が廃止したが、いまだにオクラホマ州、カンザス州、テキサス州には残っている。イスラム教だけでなくキリスト教社会でも同性愛やソドミー行為を忌避するのは、ごく最近まで当然とされていた。それは性行為が子孫を残すための聖なる行為であり、ソドミーや同性愛では子孫は残せない。“産めよ、増やせよ、地に満ちよ”のキリスト教の根幹を揺るがす行為として敵視された歴史がいまだに残っているからだと解釈できます。</p>
同性愛者やトランスセクシュアルは子孫を残せません(精子・卵子保存法などを除いては)。これが一般社会から異端扱いされる原因ではないかと思います。その偏見はイスラム教、キリスト教社会を問わず根強く存在しています。先進国、途上国も問いません。</p>
<b>(余談2)</b></p>
自分のせいではない、親のせいでもない、社会のせいでもない。自分の感じる性別違和感はだれにもわかってもらえない。それでは、TS当事者はどう生きていけばよいのでしょうか。だれの責任でもない以上、わが身の災難を嘆いてもなにも解決しない。それならば、特別視する世間にも罪はないと開き直ること、そして自分の打ち込める仕事を見つけ自立していくことです。自分なりの生き方を身につければ周囲のひとの見る目もちがってくる。やがて自分の方から違和感なく社会に同化していける日が必ず来ると思うことです。その過程としてSRSの手段をとるかどうかは、当事者個人の判断と行動しかありません。現実に生き生きとして生活しているTS当事者を知る立場にある者からの発言として秤にかけてください。</p>
<b>(余談3)</b></p>
イスラム教国家マレーシアでもアメリカ同様に、州により社会環境がかなり違う。地方にいくにしたがい保守的な風土となり、とくに女性の自由度は制限されている。首都クアラルンプールは開放度が高く、マレー人女性でもスカーフをかぶるかどうかは個人の自由。やはりスカーフ姿の女性が圧倒的に多いが、これは家庭環境も影響している。また現実的なメリットもあるようで、色とりどりのスカーフでファッションを楽しむ、髪にほこりがつかないので外出時には便利、熱帯の国ながら腕は長袖か7分袖、若い女性はジーパン姿も多い。マレー風のツーピースの衣服も体をしばらず快適ですよ、とのこと。やはり女性が肌を露出するのはつつしむべき、と彼女たちも感じているみたいで、暑苦しそうなイスラムの服装に関してはわれわれが思っているほど束縛感はもっていないようです。若い女性の表情は明るく陽気です。<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-HVY0tfsMiHM/UHl96cdS4iI/AAAAAAAAAls/dkx5cpzBvzc/s1600/%25E7%2594%25BB%25E5%2583%258F%2B610.jpg" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="246" width="320" src="http://3.bp.blogspot.com/-HVY0tfsMiHM/UHl96cdS4iI/AAAAAAAAAls/dkx5cpzBvzc/s320/%25E7%2594%25BB%25E5%2583%258F%2B610.jpg" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-gvXy9HwUYek/UHl-M6Nq8SI/AAAAAAAAAl4/mFf_TdP8FLA/s1600/%25E7%2594%25BB%25E5%2583%258F%2B1169.jpg" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="245" width="320" src="http://1.bp.blogspot.com/-gvXy9HwUYek/UHl-M6Nq8SI/AAAAAAAAAl4/mFf_TdP8FLA/s320/%25E7%2594%25BB%25E5%2583%258F%2B1169.jpg" /></a></div>
*****
島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com9tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-62059101457571896192012-08-10T19:32:00.004+09:002012-08-10T20:43:47.932+09:00”トランスジェンダーの母”の葬列</p><br /><span style="font-weight:bold;">マレーシア、”トランスジェンダーの母”の葬列</span><br /></p><br />いまマレーシアのクアラルンプールに滞在中です。8月9日付けの現地英字紙「The Star」<br />にトランスジェンダーに関する記事がありましたので、ご紹介いたします。<br /><br />**********<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-HYLTVgSs568/UCTzeg5AFOI/AAAAAAAAAlE/h7KZ-efUYVo/s1600/008.JPG" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="400" width="234" src="http://1.bp.blogspot.com/-HYLTVgSs568/UCTzeg5AFOI/AAAAAAAAAlE/h7KZ-efUYVo/s400/008.JPG" /></a></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://4.bp.blogspot.com/-krMWc4tv5Cw/UCTz1YMQo3I/AAAAAAAAAlQ/rG42idxzUlg/s1600/005.JPG" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="262" width="400" src="http://4.bp.blogspot.com/-krMWc4tv5Cw/UCTz1YMQo3I/AAAAAAAAAlQ/rG42idxzUlg/s400/005.JPG" /></a></div>
マレーシアではめったに見られない、数百人のカラフルなインド系住民の葬儀の行列が人目をひいた。歌をうたい、踊り、楽器を弾きながらこの葬列に参加したのは、かれらが”母”と親しみをこめて呼んでいたM. アシャ・デヴィに最後のお別れを惜しむ人々でした。<br /><br />首都クアラルンプールに隣接するプタリンジャヤ市で行われたこの葬儀には、マレーシアにとどまらず世界各地からトランスジェンダーの参列者が集り、”トランスジェンダーの母”にお別れを惜しんでいました。アシャはトランスジェンダー社会では、ここマレーシアだけでなく海外でも尊敬を集めた人物だったのです。<br /><br />この葬儀はインドのヒジュラと呼ばれるTJコミュニティーで行われる葬儀とよく似ています。ヒジュラは社会的には”男でもなく女でもない”存在として認知されており、インドの一部のマスコミなどでは去勢者(宦官)と呼ばれています。<br /><br />ヒジュラ社会では、施しを受ける、新生男児の健康を祈ってお礼をもらう、お祭りや集会などで歌や踊りを披露する、女神を祭る寺で仕えるなどが、むかしから生活の糧を得る方法でした。<br /><br />アシャは”Asha Amma”アシャお母さん)と呼ばれて親しまれ、ここチョウキット地域の”インド人ゴッドマザー”と呼ばれていましたが、8月7日68歳にして心臓病でこの世を去りました。マレーシアのトランスジェンダー女性としては最高齢でした。<br /><br />アシャは20歳代前半に性転換手術を受け、29歳のときに女性として公式認定されIDカードを政府から交付されています。<br /><br />その後正式に結婚もし、14年前に夫が死去してからは地元チョウキットで小さなレストランを経営していました。彼女を知る友人によると、アシャはトランスジェンダーの人たちが女性としてのIDカードを取得する手助けや、性転換手術をうけたいと希望する人たちのカウンセラーとして信頼されていました。<br /><br />この彩り華やかな葬列はセントゥール火葬場まで続き、アシャの死去はここマレーシアのタミール語新聞では大きな扱いで報道されています。<br /><br />**********<br /><br />〔付記〕<br />マレーシアは人口約2500万人で、およそ60%がイスラム教徒のマレー系、30%が華僑系、10%がインド系の住民です。インド系は英国統治時代に労働力としてインドから連れてこれらたタミール人が多くタミール語、マレー語、英語を話す人が多い。実業家として成功した例も少なからずありますが、やはり大多数が社会的には下層を占めています。<br /><br />アシャが性転換手術を受けたのはどこかは分かりませんが、およそ45年前ということになります。結婚もできるほどのちゃんとした手術がこの時代にすでに行われていたのは驚きです。<br /><br />とにかく20台前半という若い時期に手術するのは、生まれたままの性での人生がまだ短いので、本来のジェンダーに合った性での生活には早く適応できる、というプリチャー先生の言った言葉を思い出します。<br /><br />*****<br /></p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-43226748490747771302012-07-06T22:41:00.002+09:002012-07-06T23:06:38.125+09:00性別を記載しない健康保険証発行<b>GID者に性別記載のない健康保険証発行</b>
</p>
7月早々の新聞記事をもう読まれた方も多いと思いますが、読売新聞の7月2日の記事を転載させて頂きます。
</p>
**********
</p>
<b>性同一性障害、男女記載しない新たな保険証交付</b>
</p>
松江市は2日、心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された市民団体代表、上田地優(ちひろ)さん(54)に対し、性別欄に男女別を記載しない新たな国民健康保険証を交付した。
厚生労働省によると、性同一性障害を巡り、本人の要望で保険証の表記を変更したのは全国初という。上田さんは「男性と記された保険証を示すのは精神的に苦痛」として、5年前から保険証の記載を「男性」から「女性」に変更するよう市に要望していた。
</p>
市によると、新たな保険証では、目に付きやすい表紙の性別欄に男女別を記載せず、裏面の備考欄に「戸籍上の性別、男性(性同一性障害のため)」と記している。市は本人の要望を受けて同省などと協議、保険証表記の変更を決定した。
(2012年7月2日21時18分 読売新聞)
</p>
*****
</p>
<b><コメント></b>
SRSを済ませたGID当事者にとっては戸籍上の性別変更が可能になり(2004年7月16日施行)、社会生活上の自由度や精神的プレシャーは大幅に改善されたといってもよいと思います。ただ、SRSをまだ済ませていない当事者やそれを望まない人たちにとっては、公文書の性別記載はいまだに改善・解決してはおらず(パスポート、健康保険証など)、GID当事者が社会生活を送るに際して大きな精神的負担をしいられています。
</p>
この度の松江市の例は一地方自治体の働きかけが国を動かしたわけですね。その当事者の方の粘り強い努力と、自治体のとった先例のない行動は賞賛するべきです。ただこの一例だけで全国的に許可されると思うのは早計(つまり早合点)ではないかと懸念されます。他の多くの自治体が動かなければ国が率先して汗をかいて動くことはまず考えられません。自治体を動かすには当事者がまず動かなければなりません。
</p>
松江市の例には大いに勇気付けられます。同様の境遇におかれている当事者の方は、まず居住地の自治体に掛け合って、能動的に突破口を開く努力をされるよう進言いたします。
</p>
*****
</p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-57922556286539270162012-05-17T22:40:00.001+09:002012-06-04T15:39:55.410+09:00トランスジェンダーとHIVの問題</p>
<b>アジア・太平洋のトランスジェンダーにHIVの危機が</b>
</p>
**********
</p>
(5月17日付けのシンガポールのThe Straits Times記事から)
</p>
<バンコク発AFP電>
</p>
アジア・太平洋地域のおよそ半分近くのトランスジェンダー当事者が劣悪なヘルスケアとハイリスクなライフスタイルのために、HIV感染率が危機的なレベルに達していると国連の報告書が指摘しています。
</p>
このアジア・太平洋地域の900万から950万人のトランスジェンダー人口が、まん延するHIVの影響をもろに受けている、と国連開発計画(UNDP)の報告書は述べており、このトランスジェンダー・コミュニティーに属する49%が感染している可能性があると指摘している。
</p>
ただこの数字はトランス女性(男性から女性になる例)の聞き取り調査から得られた感染例から推測される数字であり、UNDPによるとこの広い地域での“分散した、小規模な調査でのデータ”をもとにしていることに留意する必要があるとのこと。
</p>
この調査をまとめた香港大学のサム・ウィンター氏は、“この極めて人間的な営みが危機的状況に直面している現実に各国政府が早急な対応策を講じる必要性”を訴えている。多くのトランスジェンダー当事者が生活に困窮したあげく、危険なセックス行為をともなう売春で生計を立てる状況に追い込まれている現状に注意を喚起している。
</p>
**********
</p>
<参考>
</p>
* タイではSRS手術などの前には必ずHIV検査が行われます。
</p>
* HIV陽性者でも手術は受けられますが、手術器具はすべて廃棄処分にされるため手術費用が30%余分に請求されます。
</p>
*****
</p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-18564917039224769142012-05-09T22:13:00.005+09:002012-05-09T22:40:15.491+09:00SRS?GRS?</p>
<b>Gender & Sexuality
</b>
</p>
何気なく使っているこのような用語に深い意味があることに、あらためて考えさせられる機会がふえて頭を悩ませていました。私はGID当事者ではないので、このような問題を客観視できる立場から私見を述べてみたいと思った次第です。
</p><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://3.bp.blogspot.com/-vcWAXigvSUA/T6psrcDpobI/AAAAAAAAAkM/v6t4EUdrN6U/s1600/Toilet%2Bsigns%2B2.jpg" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="259" width="400" src="http://3.bp.blogspot.com/-vcWAXigvSUA/T6psrcDpobI/AAAAAAAAAkM/v6t4EUdrN6U/s400/Toilet%2Bsigns%2B2.jpg" /></a></div>
<トイレでは「男」と「女」しかないですが、これでよいのか?>
</p>
<b>セックスか、ジェンダーか</b>
</p>
一般に通用している「性別適合手術」という言葉はSex Reassignment Surgery(SRS)の訳語ですが、これをGender Reassignment Surgery(GRS)と呼ぶ人もいます。タイのプリチャー医師もその一人で、以前からGRSという用語を好んで使っています。SRSが一般的な今ではGRSは古い用語なのだろう、くらいにしか思って深くは追求しなかったのですが、最近ちょっと待てよと思い始めています。GRSにはそれなりの意味合いがあるのではないかと・・・・。
</p>
つまり“Sex”と“Gender”の違いと、その相互関連性です。俗っぽい言い方をすれば、“セックス”というのは両脚の間にあるもの、“ジェンダー”というのは両耳の間にあるもの、という明瞭な区別がありますが、両者には密接な関連があります。
</p>
<b>ジェンダーセックスの不協和音</b>
</p>
両耳の間というのはもちろん脳に関する分野で、神経や精神性をつかさどる通信司令室のある場所です。愛情、幸福感、また違和感や不協和音もここで感受します。両脚の間にある性器官もこの脳内の司令塔に影響を与え、またそこから指令を受ける関係にあります。
</p>
おいしい、まずい、甘い、辛いなどの味覚も舌の味蕾で味わうとはいうものの、実際は脳神経を伝わって脳内の器官が感知して味わうのと同じです。舌の味蕾と脳神経は切っても切れない関係にあるのです。ジェンダーとセックスも同じ関係だと言えます。
</p>
GID(性同一性障害)というのはジェンダーとセックスの間の不協和音が原因となる悩みですが、ジェンダーは脳神経に関わるもので現状の医学では手術であれ薬物手法であれ、これを変えることは不可能です。一方セックスに関する肉体器官は外科的処置で、完璧とはいえないまでも変えることは可能です。性器官を外科手術によって、男性から女性へ、女性から男性へ、と転換して性別を再指定するのだから性別適合手術(=性別再指定手術)はSRSでよいわけです。この手順をふむことでジェンダーとセックスとの違和感が解消して、生来の性意識に基づく人生が送れるようになる、というのがSRSという外科的処置の果たしている役割だと思います。
</p>
<b>セクシュアリティとは?</b>
</p>
ところが、性転換手術のアジアの草分け的存在であるプリチャー医師がなぜGRSを好んで使うのか、思い当たるケースに出会う機会が何度かありました。それは、すでにSRSを受けた当事者にも自分の性的指向の対象が異性なのか同性なのか明確でないひともかなり存在することです。
</p>
「MTF=男性から女性」を例にとれば、SRSを経て女性になったものの自分の性的指向が異性である男性なのか、手術の結果いまや同性となった女性に向けられているのか、明確な自覚がないという場合です。
</p>
生物学的には男性として生まれ育った人が自分の性別に違和感を覚え、SRSを経て念願の女性になれたわけですから、今や異性である男性に性的興味をもつのが普通ではないか、と思うのが“普通”です。ところが、例外というよりは簡単に型にはめてはいけないケースが多々あるということです。
</p>
<b>性愛に興味のない人</b>
</p>
一般人の中にも「エイ・セクシュアル=asexual」というとくに性愛に興味をもたない人もいるのです。“草食系男子”が増えつつある日本でも言えることですが、アメリカのアルフレッド・キンゼー調査でも未婚の女性では14-19%、未婚の男性では3-4%が、対象が異性であれ同性であれ性的接触に一切の興味をもたないと指摘されています。GID当事者にも同じような傾向をもつ人がいても驚くにはあたらないかもしれません。
</p>
念願の女性の身体になったのに、性的興味の対象は意外にも“同性”の女性だった、つまり同性愛指向だったという人もいるのです。心を許し、肉体的な愛情表現の対象として持続的な関係をもてるのは、意外にも同性だったと気付くポストSRSの例は少なくないかもしれません。つまりゲイやレズビアンの関係がトランスセクシュアル当事者にも同じように存在するというのも事実です。レズビアンから派生した“トランスビアン”という言葉もあるそうですから。
</p>
<b>ジェンダーとセクシュアリティの相性</b>
</p>
ここで興味深いのは、SRS後にどういう性的指向に向かうかは実際に性体験をしてみないと分からない場合があることです。多くのGID当事者は、長年悩みぬいた肉体上の性別の違和感から逃れるために必死の思いでSRSまで進むのが精いっぱいだったことは想像にかたくないでしょう。そのような特殊事情を考えると、異性であれ同性であれ親密な人間関係なしにはむずかしい実際の性体験を経ていないGID当事者が少なくないのではと思われます。
</p>
ジェンダーとセクシュアリティの実際の相性テストを経ないままSRSを受け、事後に経験する性体験からはじめて自分のセクシュアリティが確認できたというケースが想定されます。この中には、異性愛もいるでしょうし、同性愛もいるし、性愛などなくても生きていける人もいるというのが現実の姿ではないかと思います。
</p>
ジェンダーと肉体的性別との葛藤がなくなっただけで、心の安定を得られたのが最高の幸せだったと感謝の手紙を送りつづけた老年のスイス人の話を先生から聞きましたが、「性転換手術」という単純な用語の裏にはGID当事者の多様な生き様があることを改めて教えられた次第です。
</p>
<b>SRSを経てGRSに到達する?</b>
</p>
つまり、SRS後にはじめてジェンダーとセクシュアリティの落ち着き場所(相性)が判明する、という見方に私は傾いています。この両者の相性が合致することによって、または両者の葛藤のないエイ・セクシュアルの境地に安住の地を見つけることによって、精神と肉体の安らぎが得られるのではないか。
</p>
それがSRSという外科的処置の目指すところであり、それが達成されれば究極の目的である精神(ジェンダー)の安堵が得られる。つまり、SRSはGRSという最終目標に到達するための手段であると言えるのではないでしょうか。
</p>
「セクシュアリティ」という肉体的性指向はあくまで「ジェンダー」という性意識の従的な存在なので、「意識上の性別をいったん白紙に戻し再指定する手術」という意味に解釈できる「GRS=Gender Reassignment Surgery」と呼んでもいっこうに差し支えなく、この方が読みが深い術名ではないかと思えるようになった、というのが私の反省です。SRSはGRSへの避けて通れない外科的処置と言ってもいいでしょうか。
</p>
プリチャー先生は手術後一ヵ月半経てばもう性交渉をしてかまわないというのが口癖で、ちょっと早すぎるのではと言うと、そんなことはない、一ヵ月半で大丈夫だとゆずらない。医者というのは多くを語らない人が多いので、その真意を類推しての話ですが、SRS後の出来るだけ早い時期にパートナーと親密な性的関係を体験することで、ジェンダーとセクシュアリティの落ち着き場所がきまり、当事者がすみやかに安堵できる境地に達するようにと願っての先生の温情である、と私なりに解釈している次第ですが・・・・。
</p>
**********
</p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-6875767389659214412012-04-25T18:39:00.000+09:002012-05-09T22:46:49.376+09:00トランスジェンダー女性が政治をめざす(タイ)<b>ヨランダさんが政治の道へ(タイの話題)</b>
</p>
その美しさでタイ全土を魅了したトランスジェンダー女性が地方議会選挙に立候補したことが大きな話題となっている。トランスジェンダー女性が政治の分野に進出するのは別に珍しいことではなく、世界的にもその例は少なくありません。
</p>
タイではとくに地方政治は男の世界という既成概念があり、それをトランスジェンダー女性が打ち破ろうとするのは勇気のいることで、やはりニュースバリューがあります。また当人が数年前の美人コンテストの優勝者でもあり、トランスジェンダーの地位向上に社会活動をしている頭のよい女性であることも話題性を高めているようです。4月25日版のタイの英字新聞「ザ・ネーション」の記事をご紹介します。
</p>
*****
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="http://1.bp.blogspot.com/-AzoHVkJBprI/T5fEFQDKUGI/AAAAAAAAAj8/8sYSMwln_0c/s1600/Yolanda%2Bphoto.jpg" imageanchor="1" style="margin-left:1em; margin-right:1em"><img border="0" height="286" width="400" src="http://1.bp.blogspot.com/-AzoHVkJBprI/T5fEFQDKUGI/AAAAAAAAAj8/8sYSMwln_0c/s400/Yolanda%2Bphoto.jpg" /></a></div>
</p>
“私のこれまでの経験と能力を生かしてナン県の将来にお役にたてることには自身があります“とヨランダ
さん(30歳)が抱負を語ったのは昨日のことです。(注:ナン県はタイ北部のラオスに国境を接する県)
</p>
地方議会の議員選挙にトランスジェンダーが出馬するのは初めてのこと。ヨランダさんは政治の世界ではニューフェイスですが、2000人の会員を擁するタイ・トランス女性協会の会長として名を知られる存在。すでに長年にわたりトランス女性の権利を擁護する運動に関わってきている。
</p>
宝石の事業やサテライトテレビ放送にも関わると同時に、博士号取得をめざして勉強中の身でもある。昨年には報道団体からタイ社会でもっとも影響力のある女性のひとりとして選ばれた。
</p>
“トランスジェンダーやホモセクシュアルの人たちからは支持を集められると信じています”と彼女は語る。16歳の時に性転換手術を受けた彼女は、肉体的には女性であるが、タイでは現行法にもとづき公的文書では依然として“ミスター”扱いされる。
</p>
エンターテインメント業界にもヨランダさんのナン県議会選出馬を歓迎する動きもある。Mプラス財団のポントーン・チャラーム氏は、ヨランダさんの県議会選挙出馬は、“長い間この国の政治を牛耳ってきた政治の世界に多様性をもたらすいい機会になる”と述べている。
</p>
ヨランダさんは母親がベンスアンタン地方の区長を努めていた関係もあり、北部の地方議会選では当選の可能性は高いとみている。対抗馬として選挙にでるのは男性二人。立候補受け付けは月曜日から今週の金曜日まで。
</p>
*****
</p>
<b><コメント></b>
まずヨランダさんの写真を見てください。美しい女性ですね!こんな輝くような女性にはめったにお目にかかれません。
</p>
彼女のトランスジェンダー女性活動をサポートしているPAIのプリチャー先生とも親交があり、先月バンコクで先生とお会いしたときのこんな発言が頭に残っています。
</p>
「タイではトランスジェンダーと分かると、十代早々からからホルモン治療を始め、SRSが受けられる年齢(現在では18歳)になるとすぐ手術を受ける。この利点は、骨格や皮膚・筋肉、声の男性化が定着する大人の年齢になる前に、ホルモン治療とSRSによって女性化が定着するので、女性として社会に同化しやすい。」
</p>
法的規制のしばりがある日本人には、また早くからトランスジェンダーを自覚していた当事者にとっては、はがゆいのが日本の現状です。タイの問題はSRS後も法的な性別変更が許されていないことです。
</p>
タイ社会ではすべてがおおらか、いい加減、自分勝手、と思える社会環境があります。しかし、その裏には自分の判断でなにをやってもいいが、“自己責任”であることを忘れるな、という不文律があるような気がします。
</p>
日本では何か起これば他人のせいにする甘えの構造がはびこり、結果的に規制の多い窮屈な社会になっています。タイ社会のいい加減さにうんざりしながらも、その居心地の良さに魅かれる日本人が多いのも事実です。
</p>
関係ないような話になりましたが、これもSRSの現状の両極を表しているというのが日頃からの私の感想です。
</p></p>
***島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-54638480835067210352012-02-29T19:29:00.007+09:002012-03-01T00:38:07.755+09:00妖艶なモデルは男性だった!</p><br /><span style="font-weight:bold;">男と女の境界をスイスイと行き来するスーパーモデル</span><br /><br />キャットウォークの注目を一身にあつめるモデルはなんと男だった。女性ファッション、男性モードであろうと、どちらのジェンダーにもなれる不思議な魅力のモデル、アンドレジ・ペジクにいま世界の注目が集まっています。<br /><br />マレーシアの英字紙 "The Star"(2月16日版)に取り上げられた特集記事です。(記事はAP通信Bonny Ghoshより)<br /><a href="http://2.bp.blogspot.com/-SCsCt2oZheI/T049KhXvx4I/AAAAAAAAAi4/CLvTZDe1vbs/s1600/432.JPG"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 299px; height: 400px;" src="http://2.bp.blogspot.com/-SCsCt2oZheI/T049KhXvx4I/AAAAAAAAAi4/CLvTZDe1vbs/s400/432.JPG" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5714572228145694594" /></a><br />*****<br /><span style="font-weight:bold;">スーパーモデル誕生</span><br />ある冬の寒い日の午後、マンハッタンのカフェで、長い脚をくみ優雅に腰をおろしているのはアンドレジ・ペジク。青い眼のファッションモデルはアールグレイ紅茶を飲みながら窓の外を眺めている、近くのテーブルに座る男たちの視線が彼女にくぎつけになっているのも知らないかのように。<br /><br />黒皮のジャケットを着た男が歩道の窓際に近づき、ガラス窓に顔をつけキスをする。ペジクはくすくす笑いながら、”べつに悪い気はしないわ”、と無邪気である。<br /><br />彼女に視線をむける男たちも、この美しいブロンド女が実際は男であることは恐らく気がついてないだろう。<br /><br />ニューヨークで始まったファッションウィークでは、ペジクはもっとも注目を集めるモデルであると同時に、賛否両論の的になる存在なのである。彼は会場のキャットウォークを男としても女としても闊歩できるただ一人のトップクラスのモデルなのだ。<br /><br />その両性具有を思わせる美形は、たえず限界にいどむファッション業界のトレンドセッターに押しあげたのである。<br /><br />ドイツのファッション雑誌のカバーに彼を起用したスタイリストのカイリー・アンダーソンによると、”彼はだれもがその一切れでも欲しがるような美しい存在なんです。”<br /><br />彼の顔を見ると、どんなに自分の美貌にうぬぼれている女性でも嫉妬にかられるだろう。高いほほ骨、しみひとつない肌、肉感的で形のよい唇。ただ話すときだけ,わずかにふくらんだのど仏が男性の証をしめすのみである。<br /><br />ペジクは女になろうとしているわけではないが、トランスジェンダーに属する人の多くはすでに彼を同じ仲間とみなしている。ペジクは自らのセクシュアリティを説明したり、正当化する必要を感じることなく、両性を自然に内包してしている、ちょっとした英雄的存在とみられているのだ。<br /><br />昨年のこと、ゲイ・レズビアン雑誌「OUT」は、今年の”スタイルメーカー”と名づけ、表紙をがざる写真にはヴェールをかぶり髪には花をあしらったブライダル衣裳のペジクを起用した。<br /><br />昨年だけでも14誌の表紙をかざったペジクだが、フランスのデザイナー、ゴルティエはジェンダーを凌駕するペジクの容姿に惚れこみ、メンズ&ウィメンズショーのインスピレーションを得て、実際にペジク自身が両方のモデルとして登場したほどだった。ゴルティエのメンズショーでは、”ジェームズ・ブロンド”としてピストルをもち黒いジャケットの胸をはだけるダンディーな姿を披露したのだった。<br /><a href="http://3.bp.blogspot.com/-xoM0UVDLu_Q/T04-AJ0arKI/AAAAAAAAAjE/5w2ENQccwvA/s1600/434.JPG"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 400px; height: 299px;" src="http://3.bp.blogspot.com/-xoM0UVDLu_Q/T04-AJ0arKI/AAAAAAAAAjE/5w2ENQccwvA/s400/434.JPG" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5714573149536431266" /></a><br />一方のウィメンズショーではその強力なコントラストとして、ゴルティエの逸品作であるブライダルドレスに身をまとったペジクを披露したのである。<br /><br />フランスの写真家セバスチャン・ミックは、ペジクは意識的に努力することなく女性になれる才能がある、スーパーモデルだけがもつカメラの前の自然なポーズのとり方、その動きのしなやかさは真似しようとしてできるものではない、と絶賛している。<br /><a href="http://1.bp.blogspot.com/-E4lS_seG4p8/T04_Et6SfKI/AAAAAAAAAjQ/YWEjnDW32dE/s1600/435.JPG"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 299px; height: 400px;" src="http://1.bp.blogspot.com/-E4lS_seG4p8/T04_Et6SfKI/AAAAAAAAAjQ/YWEjnDW32dE/s400/435.JPG" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5714574327455841442" /></a><br /><span style="font-weight:bold;">ペジクの生い立ち</span><br />だが、この20歳の若者のここに至る人生はなまやさしいものではなかった。東欧の民族紛争の地ボズニアに生まれ、子供時代の大半をセルビアの難民キャンプで過ごしたペジクは、家族ともども逃げるようにオーストラリアに移住した。まだ10代でマクドナルドで働いているときにタレントスカウトに発見されたのが幸運となった。<br /><br />幼少の頃から世間の目で見る女の子の特質を示し、車のおもちゃよりバービードールを好んだ。ティーンエイジャーとしては女の子たちと遊ぶのを好み、ドラッグストから化粧品を盗んで捕まったこともある。ペジクの言うには、友人たちや家族からもありのままの自分で受け入れられていたので、違和感はなく居心地がよかった。<br /><br />身長183センチの長身痩躯、服は女サイズで2か4。靴のサイズがもっとも難点で、実際には女サイズでは11であるが、ウィメンズショーで歩くために無理してサイズ10に足を合わせている。<br /> <br />この一年間は気ちがいじみたメディアの注目を集め、メディア評論家はペジクは露出過剰になるリスクをはらんでいると警告する。他人には真似できない特有のルックスもあるため、ペジクがこの業界で今後もスターの座を維持するのはむずかしくなるかもしれない。<br /><br />彼の人気度が高まるにつれ、デザイナーたちは彼の個性がデザインした衣裳の影を薄めてしまうのではないかと危惧し、ペジクの起用をためらうのではないかとの見方もあるからである。<br /><br />ペジク自身はこのファッションビジネスの移り気の速さは百も承知である。この仕事のために<br />オーストラリアでの大学入学を遅らせた経緯もあるので、もしファッションの仕事に見切りをつけるときが来れば、大学に入り経済学か法律を勉強したいと考えている。<br /><br />どんな話題でもオープンに話しに乗ってくるペジクであるが、自身のセクシュアリティ指向については口が堅い。恋愛の相手としては男がいいか女がいいかと聞くと、はにかんだ表情で”愛には境界線はないのよ”とだけ答えた。<br /><a href="http://4.bp.blogspot.com/-CREaj5y_deI/T04_vT-GB5I/AAAAAAAAAjc/XeRjCUKVIhU/s1600/120215-andrej-pejic-2-vertical-gallery.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 270px; height: 360px;" src="http://4.bp.blogspot.com/-CREaj5y_deI/T04_vT-GB5I/AAAAAAAAAjc/XeRjCUKVIhU/s400/120215-andrej-pejic-2-vertical-gallery.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5714575059226855314" /></a><br />*****<br /><span style="font-weight:bold;"><感想></span><br />生まれながら両性に通じるような容姿で成長した人もけっこういるものです。アンドレージ・ペジクはその好例といえるでしょう。<br /><br />このモデルはトランスセクシュアルであっても、当面は性転換手術などには興味は示さないのではないかと思います。恵まれたルックスと才能を発揮して、男と女の間を自由に行き来できる自由を謳歌して欲しいですね。セクシュアリティについては自分が一番よく知っているはずなので、時が熟せばふさわしい行動を取ることでしょう。<br /><br />男と女の境界など内面の世界ではあってなきようなもの。トランスセクシュアルならその内面の境界はすでに融解しているはず。内面と肉体との違いは手術でなんとか乗り越えられる。アンドレジ・ペジクの場合は、おそらく当面は男と女と境界を行ったりきたりで脚光をあびる生活を送り、また楽しみ、時期がきたらさっさと別の世界に飛び込んでいける、という才能をもっている人なのでしょう。<br /><br />やはり、世の中美形に生まれるのは恵まれた存在です。その美形は一生続くものではないとの自覚があればよし。美形でないものは、なにか打ち込める対象をもち、それに集中して楽しめる境地になれば、人目を気にせずとも自らが満足できる生き方があるはずです。<br /><br />なにはともあれ、アンドレジ・ペジクは衝撃的な印象です。まさに、Man, he's beautiful!<br /><a href="http://3.bp.blogspot.com/-4Yg6qCf_9pQ/T05AK24HdkI/AAAAAAAAAjo/G5wmNM6Qnsw/s1600/120215-andrej-pejic-5-vertical-gallery.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 270px; height: 360px;" src="http://3.bp.blogspot.com/-4Yg6qCf_9pQ/T05AK24HdkI/AAAAAAAAAjo/G5wmNM6Qnsw/s400/120215-andrej-pejic-5-vertical-gallery.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5714575532453492290" /></a><br />*****<br /></p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-27791718525733261302011-12-30T18:19:00.006+09:002011-12-30T19:19:33.092+09:00セックスレスの時代?</p><br /><span style="font-weight:bold;">男も女もお互いに興味なし!?</span><br /><br />2011年は重苦しい空気がよどんだ1年でした。今回はちょっと息抜きにごく普通の男と女の話題をとりあげましょうか。<br /><br />最近立て続けに日本の男と女がお互いに興味を失い、人口減少に拍車がかかっているという記事を見かけました。GIDとは直接の関係ない話ですが、男が女に興味を失い、女も男なしでも生きていける社会になりつつあるというのは、これは大問題です。<br /><br />*****<br /><br /><span style="font-weight:bold;">『セックス負債は日本の損失だ』</span><br />(11月29日CNNネット版)より<br /><br />経済学者の観点から見れば、日本の過去20年の病を直す応援の声は常に「日本よ、金を使え、消費せよ」だった。人口学者の観点からは、その叫びは「日本よ、産めよ、増やせよ」である。<br /><br />先週発表された調査結果には、ますます顕著になってきた後者の問題が浮き彫りにされている。人口及び社会保障問題研究所の調査結果によれば、1億3千万人の高齢化するこの国において独身男性の数がまたまた記録を更新したという。<br /><br />18歳から34歳の独身男性の数は、先回2005年の調査にくらべ9.2%も上昇している。独身男性の約61%がガールフレンドを持たず、また成人女性の半数が夫またはボーイフレンドを持たないという。さらに悪いのは、ガールフレンドもボーイフレンドも、妻も夫も持たない男と女のなんと45%もが、相手を探すことにも興味がないということだ。<br /><br />しかも、30台後半の独身の男と女の4人に一人は、セックスした経験もないとか。<br /><br />ここで注目すべきは、調査対象になった独身男性も女性も、それぞれ86%と89%という高率で将来的には結婚したいという願望はもっていることだ。その障害は何かというと、経済的な問題であって、調査対象の独身男女の40%以上が結婚しない最大の理由は、お金のやりくりが出来ないという経済上の不安があるからと答えている。<br /><br />しかし、経済的な理由というのは本当だろうか。この調査では未婚の若い女性の90%が、独身でいる方がよいと答えているのだ。<br /><br />これは今年の春に行われた日本家族計画協会の調査結果にも符合する。それによると、16歳から19歳の男性の36%がセックスには無関心かさけたがる傾向があり、2008年の調査にくらべると19%も増えているのだ。一方、調査対象となった10代の女性の59%がセックスに興味がないと答え、これは2年間で12%も増加している。<br /><br />これらの統計上の数字は、よく話題になる“草食系の男子”の増殖という現象とも一致する。この用語は2006年に作家の深沢まき氏が造ったもので、「日本ではセックスは肉体の関係と同意義であり、最近の若い男性は肉体的関係には興味をもたないので、“草食を好む男の子”と呼ぶことにしたのがきっかけ」とCNNに語っている。<br /><br />この現象は世界でも出生率が最低レベルの国に数えられる日本が、人口構成上の問題をかかえていることを意味する。日本の出生率は1.34であり、安定した労働力を維持するために必要な2.1を下回っている。人口の5分の1が65歳以上であることを考えると、将来の人口増はますます重要になってくる。<br /><br />3年前に日本最大の経済団体である経団連は参加企業の1600社に対して、低下する出生率に歯止めをかけるため妻帯者がもっと家庭で自由時間を過ごせる配慮をするように要請したことがある。<br /><br />しかし、この最近の調査結果からみると、残念なことに、日本のカップルは与えられた宿題をまじめにやっていないようだ。<br /><br />*****<br /><br /> <インドネシア・バリ島で見たトイレの標識><br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/-ntaont4GyJs/Tv2OE9cFMiI/AAAAAAAAAig/HKsIjd6HZuw/s1600/Toilet%2Bsigns%2B2.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 400px; height: 266px;" src="http://4.bp.blogspot.com/-ntaont4GyJs/Tv2OE9cFMiI/AAAAAAAAAig/HKsIjd6HZuw/s400/Toilet%2Bsigns%2B2.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5691861719929139746" /></a><br /><span style="font-weight:bold;">『セックス回数調査でインドネシアがトップ』</span><br />(The Nation 11月25日版)<br /> <br />アジア10カ国の性的にアクティブな男女を対象にして行われたセックス回数調査ではインドネシアの男性がトップの座を占めた。<br /><br />これはバイアグラなどの勃起不全(ED)を改善する薬品メーカーである、アメリカのファイザー社が最近行った“アジアの理想的セックス調査”によるもので、インドネシアの男性が平均月に9.8回の性行為を行っていることが判明した。2位につけたのはフィリピンの男性で、月平均で9.4回であった。またインド男性は月平均8.8回で、タイの男性はというと、月平均7.7回だった。<br /><br />この調査では1,685人の男性と1,624人の女性が対象とされ、国別では中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、そしてタイである。回答者のすべてが31歳から74歳まで、過去12ヶ月以内に性交経験がある人たちである。<br /><br />女性の対象者はインドの女性が月平均8.7回でトップを占め、次が月平均6.8回であったインドネシアとマレーシアが続いた。この調査ではタイ人女性は月平均5.7回でしかなかった。<br /><br />クアラルンプールのモナッシュ大学泌尿器外科医のジョージ・リー助教授によると、この調査によりほとんどのアジア人にとっては性的満足感の達成には勃起の硬さが重要な要素をしめていることがわかったとのこと。例えば、マレーシア人男性の90%がこの勃起の重要性を指摘している。<br /><br />満足感については回答者のわずか三分の一が性交時の持続時間を重要視しているにすぎなかった。<br /><br />タイの有名な性に関する研究家であり産婦人科医でもあるパンサック医師は、270万人ものタイ男性が勃起障害をもっていると推定されると述べている。ただ、治療を求めて医師を訪ねる人は27,000人にすぎないとか。<br /><br /><注>この調査では日本は調査対象にも選ばれなかったみたいですが、その理由はわかりますね・・・・。ファイザー社のバイアグラもあまり売れていないのでしょう、勃起の助けも求めない日本では。<br /><br />*****<br /><br /><span style="font-weight:bold;"><年末の独り言></span><br /><span style="font-weight:bold;">『ジェンダーとセックス』</span><br />ジェンダー意識がはっきりしていないと、肉体的行為をともなうセックスにつながらない。日本の若い世代がセックスを求めなくなったということは、ジェンダー意識も希薄になっているということか。最近のファッションや行動様式をみていても、ジェンダーレス化がセックスレス化につながっているのではないかと思う。なんともわびしい時代になったものだと嘆くしかない。<br /><br />彼女のいない男性の半数ちかくが交際も望んでいないという。女性に肉体的に接するまでにはいろいろめんどうな手順を踏まなければならない。いきなり触ればセクハラになり、想いを告白しても断られることもありえる。その自分がぶざまに見えるのは今どきの過保護になれた若者には耐えられないのだろう。それなら、独りでいたほうが気楽である、セックスなしでも生けていける・・・ということになるのだろうか。<br /><br />ジェンダー意識がしっかりした人間なら、異性を求めるのはごく自然である。べつに相手が同性でもかまわない。要するに自分のジェンダー意識に素直にしたがった行動であればよい。それにふさわしい性行動が健全なセックスであり、社会的にも容認されるべきだと私は思う。<br />ジェンダーよ、しっかりせい。セックスよがんばれ!<br /><br />***島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-29715602858339531852011-12-22T23:00:00.011+09:002011-12-22T23:51:38.261+09:00第三のジェンダー、やっと離陸へ</p><br /><span style="font-weight:bold;">レディーボーイ搭乗機、離陸準備完了<br /></span><br />今年の1月の投稿でとりあげたタイのPCエア航空がやっと離陸することになりました。以下は12月16日付けのバンコクポスト紙の記事です。(1月26日投稿:「第三の性」エアホステス離陸準備中)及び1月28日の「その続報」参照)<br />**********<br /><br />第三のジェンダーのキャビンアテンダントを配置する世界初めてのエアラインといわれる、個人所有でタイ国籍のPCエア航空が、当初の予定より9ヶ月遅れながら離陸準備が整いました。<br /><br />PCエアのフライトアテンダントとして採用された4人のレディーボーイたちは(写真参照)、昨日のデモフライトで報道関係者にそのサービスぶりを披露しました。この航空会社はまずチャーター便として営業運航を開始し、来年の6月以降から正規の航空会社として定期便運行を開始する予定です。<br /><br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://1.bp.blogspot.com/-hsa5UoU_m-w/TvM6bh29gyI/AAAAAAAAAhA/qAYJLqnPmN4/s1600/PC%2BAir%2Bready%2Bto%2Bfly.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 320px; height: 240px;" src="http://1.bp.blogspot.com/-hsa5UoU_m-w/TvM6bh29gyI/AAAAAAAAAhA/qAYJLqnPmN4/s320/PC%2BAir%2Bready%2Bto%2Bfly.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5688954998918841122" /></a><br />PCエアの処女飛行は、12月24日のバンコクとラオスのビエンチャン間のツアグループを乗せたチャーター便で、来年1月23日にはバンコクと中国の二つの都市を結ぶチャーター便の運行を開始する予定になっている。<br /><br />民間航空局の規則にしたがい、定期便運行開始に先駆けて、アジア圏内のツアグループを対象にチャーター便で運行を開始し、来年6月に正規航空会社としての資格認定を受けることになる。<br /><br />昨日のデモフライトでは唯一の所有機材であるエアバス310-222型機を使い、報道陣を招待した機内で4人のレディーボーイ搭乗員が他のクルーに加わりそのサービスぶりを披露した。<br /><br />唯一のオーナー社長であるタイ人のピーター・チャン氏は報道陣に対して、運行開始の遅れは財務上の問題ではなく、旅行ハイシーズンの到来にタイミングを合わせたからだと説明した。<br /><br />不動産会社の役員でもある同氏は、ローシーズン中の需要上の問題とその後のタイを襲った大洪水も遅れの要因ではあると述べた。<br /><br />この新事業への自信の表れとして、自身がキャビンアテンダントの経験をもつ同氏は、ほとんどの航空会社はリースで機材を調達するのが普通だが、既存の航空会社からジェット旅客機を購入するにあたって10億バーツ(約28億円)のキャッシュで払う道を選んだ。<br /><br />また、来年の第二4半期には定期便運行を開始し就航先も拡大する予定なので、新たにワイドボディーのA300-600型機を2機導入する計画であると述べた。<br /><br />ピーター・チャン氏によると、PCエアの就航先として候補にあがっているのは、香港、中国、韓国、そして日本である。PCエアが5年以内に収支均衡になるとは思っていないが、定期便運行開始に合わせてタイ株式市場に上場することを考えているので、投資家および国内・海外のツアオペレーターとも協力関係を築きたいとのこと。<br /><br />さらにPCエアはトランスセクシュアルに就職の門戸を開き、キャビンアテンダントとして引き続き採用していく方針であり、機会平等を企業理念としてかかげている、と述べた。<br /><br />30人採用したキャビンアテンダントのうち4人がレディーボーイであり、また19人が女性、男性は7人、全員が資格をクリアしている。レディーボーイのひとりタニャラットさん(上の写真の右から2番目)は2007年度のミス・ティファニー・ユニバースの栄冠に輝いたこともあり、またモデルやテレビの喜劇ドラマの女優としても知られている。<br /><br />*****<br /><a onblur="try {parent.deselectBloggerImageGracefully();} catch(e) {}" href="http://4.bp.blogspot.com/-aFzGdTEhGz0/TvNBOKCGonI/AAAAAAAAAiU/LKNmJdk8XJ0/s1600/PC%2BAir%2Bslide_aircraft.jpg"><img style="display:block; margin:0px auto 10px; text-align:center;cursor:pointer; cursor:hand;width: 400px; height: 291px;" src="http://4.bp.blogspot.com/-aFzGdTEhGz0/TvNBOKCGonI/AAAAAAAAAiU/LKNmJdk8XJ0/s400/PC%2BAir%2Bslide_aircraft.jpg" border="0" alt=""id="BLOGGER_PHOTO_ID_5688962465766220402" /></a><br />日本のメディアでもこのニュースは取り上げられたようですが、ロイター通信によるとピーター・チャン氏(オレンジ色ネクタイの男性)は“私がパイオニアになったようだが、他の航空会社も私のアイデアに興味をもつだろうと確信している”とのこと。日本のエアラインにもぜひお勧めしたいアイデアですね。エアラインだけでなく、トランスジェンダーは鉄道関係を含む幅広い分野のサービス産業にはぴったりの適性をもっていると思います。<br />*****<br /><br /><注>トランスジェンダーはタイでは“カトーイ”とか“レディーボーイ”と呼ばれています。これらの記事でも”third gender” “transgender” ”transsexual”などいろいろの名称が使われています。<br />この写真でもわかるように彼女たちを“レディーボーイ”というのは、“ボーイ”の部分にちょっと抵抗がありますが、タイではSRS後でも性別変更が法的に認められないので我慢するしかないかもしれません。それでも、PCエアのような職場の門戸をひらく動きが、SRS先進国タイで起こったのは拍手喝采です。日本への就航を楽しみに待ちましょう。<br /><br />*****<br /></p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-4526961392952855187.post-88846316134260522622011-11-20T21:47:00.004+09:002011-11-20T22:09:27.204+09:00子供を産んだ男 (その続き)</p><br /><span style="font-weight:bold;">「妊娠した男」---その続き<br /></span><br />このニュースはすでに2008年11月の時点でアメリカでは大きな話題になっていたのは知りませんでした。その後も引き続き、「男とは」、「女とは」、「家族とは」というテーマで多くのメディアで取り上げられています。<br /><br />「妊娠した男」の最初の記事とビデオ映像を見て疑問に思ったこともあり、自らMTF当事者としてまた現役の医師として世界各地のGID関係者などに接して研究されている先生に以下のように質問してみました。<br /><br />*****<br /><span style="font-weight:bold;"><私の質問></span><br />FTM男性が妊娠して出産したということは、女性の胸はすでに取っていたものの、<br />女性の生殖器官である卵巣と膣・子宮はそのまま残してあったということですよね。<br />ここにドナーから提供された精子を女性である奥さんの手で注入したと言っていますので。<br /><br />CNNの動画ではオレゴン州に住んでいて、出生証明書や運転免許、生命保険、結婚許可書などすべての公式文書でちゃんと男性と認められているそうです。疑問になる点は、手術でクリトリスがマイクロペニスになっているとはいえ、女性の証である卵巣と子宮を残したままでも、アメリカでは男性と認められたということになります。州によって法律は違うとはいえ、これは性別の根幹に関わることなのでWPATHなどでは話題にはならなかったのでしょうか。日本では卵巣・子宮摘出が女性から男性への条件だと理解していますが?<br />*****<br /><br /><span style="font-weight:bold;"><先生からの返答></span><br />ご指摘の通りだと思います。全く鋭い指摘だと思います。<br /><br />個人的には「外性器が望む性に類似していること」って超馬鹿げていると思います。<br />また内摘だけで戸籍の性別が変えられるのも同様に超馬鹿げています。<br />ジェンダーに問題が有るのですから身体の変工は個人の問題です。<br />ペニスがあっても女性のジェンダーで生きて行けるヒト、生きて行けないヒト、いろいろあって良いんじゃないでしょうか。<br />寧ろ法律で規定することが変だと思います。<br /><br />アメリカではgender incongruenceが確認されればGIDと診断され、GRS後にIDが変わります。<br />彼の場合はオッパイがなくて、ペニスがある?けど内摘はしていない状態ですよね。<br />外性器が希望の性のモノに近似していることの解釈は日本でも裁判所によってかなり違うようです。<br /><br />彼の場合は微妙だと思いますが、恐らく社会組織化の過程、例えば事実上の奥さんが居る、男性としての職業を持っている、など総合的に判断されたのではないでしょうか。pregnant<br />manというのはそう言う意味で画期的だと思います。<br /><br />この辺りの日本の裁判所の事情について暫く日本で調査してみようと思っています。<br />しかし、性別ってこんなもんなんでしょうか・・・・。<br /><br />*****<br /><span style="font-weight:bold;"><私からの返信></span><br />しかし、この外見だけでパスすることはたいへん重要な要素だと思います。これで社会生活上の種々の制約から解放され、全部とは言えませんが(子なき条項など)自由度が高まります。ほとんどのGID当事者がこの第一関門を通過するために悩み苦しんでいるからです。裸になってチェック受けることはまずないからこそ、外観だけでパスできるのは”自由度”の面で重要な意味があると思っています。<br /><br />先生の場合はこの関門はすでに通過されていて、日本の融通のきかない法律だけが障害になっているわけです。それにしてもこの「妊娠した男」のアメリカの例には驚きました。ハワイ州で認められた正式の異性結婚は他の州でも認められるので、今このカップルが居住するオレゴン州でも認められるというわけらしいです。二人目の子供も生まれるので、今後法律面でのトラブルがあり得ることは覚悟しなければ、と当人もインタビューで語っていました。<br /><br />*****<br /><span style="font-weight:bold;"><補足></span><br />“What is a man? What is a woman? The journey of a pregnant man” というCBSテレビの特集番組(2009年10月22日)では、トーマス・ビーティーはすでに同じドナーの第3子を身ごもっていることを打ち明け、司会のバーバラ・ウォルターズも絶句していました。この時妊娠5週目だったので、2010年8月には3番目の子供が誕生しているはずです。<br /><br />性の自由を標榜する6団体の当事者グループからも賛否両論の声があり、固定観念に凝り固まった個人などからも嫌がらせの電話や郵便などが届くそうです。生まれた二人の子供にはいつ打ち明けるのかという質問には、すでに絵本などを通じてわかる範囲で、生命の誕生と多様性について教えているそうです。子供たちはトーマスを”daddy”、ナンシーを “papa” と呼び分けているそうです。<br /><br />勇気付けられるのは、妻ナンシーの最初の結婚で生まれ、成人した二人の娘が全面的にこのカップルの生き方を応援していることです。今後への不安はかかえながらも、あくまで前向きに明るく生きている勇気あるカップルですね。<br /><br />さらに補足ですが、アメリカではこのような「妊娠した男」で子供を産んだ例は35人から40人は知っている、と実名で登場した看護助産婦がCBSテレビで話していました。ただ、トーマス・ビーティーのように、ラリー・キング、バーバラ・ウォルターズ、オプラ・ウィンフリーのような超有名トークショー番組に出演し、雑誌に記事を書き、さらに本まで出版して堂々とカムアウトした例はこれが始めてであっただろうと推測しています。<br /><br />ジェンダーという人間の根源的な存在要因を、単に生殖器という物体にとじこめるのではなく、形をもたない精神の象徴として自由に開放する社会現象として捉えると、この「妊娠した男」の性の歴史に果たす役割はいつか評価される日がくるのではと思います。<br /><br />最初に引用させて頂いた当事者で医師でもある先生の言葉をくりかえしますと、<br />“「外性器が望む性に類似していること」って超馬鹿げていると思います。また内摘だけで戸籍の性別が変えられるのも同様に超馬鹿げています。”<br /><br />これは日本のことですよね?「妊娠した男」トーマス・ビーティーはとっくにこのこのレベルを超越しているという印象を強く受けました。<br /><br />ジェンダーの問題はGIDの根幹である問題ですから、今後ともこのテーマはとりあげていきたいと思っています。<br /><br />*****<br /></p><br /></p>島村政二郎http://www.blogger.com/profile/18362110249664083532noreply@blogger.com0