2008年4月30日水曜日

性別変更条件の「子なし条項」緩和の方向へ

性別変更条件の「子なし条項」緩和の方向へ

性同一性障害の当事者の方々はすでにご存知のことでしょうが、2003年に超党派の議員立法で成立した戸籍の性別変更に関する特例法が改正される見通しになりました。

4月24日にまとまった与党の改正案では、現行法にある「子供がいないこと」という条件を、「未成年の子供がいないこと」に緩和するという内容です。この改正案が成立すれば、「女性の父親」や「男性の母親」が法的に認められることになります。特例法成立の経過からみても、野党にも部分的な異論はあっても強固に反対する理由は見当たらないので、今の国会で改正案が可決されると思われます。

当事者たちは「子供がいないこと」という条件の削除を要望してきたわけですが、与党が「未成年の子供がいないこと」という妥協案に落ち着いたのは、未成年の子供の心理的な混乱を考慮した結果で、成人すれば大人としての対応が期待できるから、という理由だと思われます。

民主党は「子供がいないこと」という条件そのものを撤廃する改正案をまとめているようです。今国会を揺るがしている他の法案のように与野党でぶつかって、下手すれば先送りになってしまうような問題ではないことは、両者ともわかっているはずですから、修正が必要なら修正協議に応じて結論を出す方向にいくと期待しておりますが・・・・

(4月24日・日経新聞夕刊の記事を参考に私見を加えたものです。)

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