2010年3月1日月曜日

SRSのすべてを語るプリチャー医師


そこが知りたいあなたに、SRSのすべてを語るプリチャー医師
(2月24日付けCNN Asiaの記事より翻訳。記者:リチャード・アーリック)

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バンコクの性別適合手術(SRS)で著名な医師が、この複雑な手術の実際を赤裸々に解説してくれた。

サンフランシスコから来た手術希望者モニカ・ワイスさん(29歳)は、PAI(Preecha Aesthetic Institute)のカウンセリングルームで二種類の膣を見比べていた。そこ(ペニス)をくるんでいる皮膚を切り取り裏返して、膣の内側に移植するのです。陰茎皮膚反転法と呼ばれています。ここタイでは約8,000ドルでできます。もうひとつ別の方法があり、大腸の一部を切り離し膣の空洞として利用するものです。この方法は、20,000ドルかかります、とワイスさんが教えてくれる。

「わたしは恐らく大腸膣形成法を選ぶと思います。理由は仕上がりの質がすぐれているからです。合併症も少なくてすみ、長期間の安定した状態が期待できます。また感覚がもっと本物の膣に近いと聞いています。」

ワイスさんはバンコクに来て、Preecha Aesthetic Institute (PAI)のプリチャー・テュートラノン医師の手に、自らの性意識と体の再統合をゆだねることに決めた。プリチャー医師は性転換の手術においてはタイでは最も有名な存在なのです。ワイスさんはラッキーなひとりと言っていいでしょう。性転換という複雑な分野では、男性を女性の体に変えるのは(通常はペニスの皮膚を使い膣壁とする)、比較的に簡単です。一方、女性を男性に変えるのははるかに複雑で困難がともないます。

しかし、プリチャー医師の手にかかると、男性から女性への手術は一日で終わる仕事です。「この30年間で3,500件以上の手術をこなしてきた」と、バンコクの今一番トレンディーな街トンローに新しく完成した(昨年12月)、モダーンなビルの1-3階を占めるPAIクリニックの中で語ってくれた。

ワイスさんがその手術を受ける決心をするとなると、その結果は過去の実績から言ってもまず成功裏に終わるはずである。プリチャー医師の指導下の15人の医師チームの一人が、男性器をメスで削り取り、もう一人が胸にインプラントを挿入する。手術後に生まれ変わった新しい女性は、たいていの場合、男性と性的関係をもつことになり、クライマックスを味わうことができる。手術を受けた患者の約80%が男性と性的関係をもつようになり、残りはいわゆるレズビアンになる。およそ80%の患者がオーガズムを経験することができる。性的クライマックスは年齢やホルモンの使用暦にも左右されることもあるが、とプリチャー医師は付け加えた。

ワイスさんは、性的クライマックスを味わう能力を失うのが心配になることは正直認めている。しかし、すでにその手術を受けた何千人もの人たちと同じように、本来あるべき体を取り戻したいという抑えようのない渇望が、このような心配に打ち勝ち決心する場合が多いのだ。その結果として、プリチャー医師とPAIも十分な利益をあげていることも事実なのである。

コストフレンドリーなタイでの性別適合手術

タイでの手術費用は他の国と比較してコストが安く、それが性転換手術のために多くの外国人がバンコクを選ぶ理由となっている。男性が女性になるためのコストは、術式により9,000ドルから約20,000ドルであるが、男性から女性(MTF)がプリチャー医師の患者の圧倒的な割合を占めている。

女性から男性の患者(FTM)には12,000ドルで出来る、約2.5cmの小さなペニスをつくる方法がある。これには乳房のふくらみを取り、子宮と卵巣の除去も含まれている。もっと長いペニスを希望する場合には、コストが約20,000ドルにまで高くなる。

PAIのビジネスは十分な収益力がある。これは、プリチャー医師のクリニックはほかにも鼻や目の整形、その他脂肪吸引などの多くの美容整形手術を手がけているからである。今年後半にはベトナムのハノイに分院をオープンする計画があり、中東のドバイにも進出することも検討している。

ワイスさんは今年の1月に、男性から女性に変わるための前段階の部分となる手術をプリチャー医師のクリニックで受けた。バンコクで術後の静養をしている彼女は、アメリカで同じ手術をした場合の三分の一の経費、10,000ドルで済んだと言う。これがトランスジェンダー、つまり女、となることが私にとって正しいことかどうか判断するための、最初の後戻りできない行動だったと思います。女性ホルモン治療はもう11年間続けているし、サンフランシスコの友人たちは私をまだ男として付き合っているので、今回の手術により自分がもっと前進し、ほとんどの人が私を女性として認めるようになるのを願って、その日を楽しみにしています。

プリチャー医師チームの外科医がワイスさんの胸にインプラントを挿入し、鼻の整形とその他顔の女性化の手術を行った。本格的に性別適合手術に進み、ペニスを取り去り膣に造りかえるかどうかの決心は、現時点ではお金の問題と、それが私の将来にいい結果をもたらすかどうかの判断にかかっている、とワイスさんは言う。

そう簡単ではない女性から男性へ

パソコンの画面で正視に堪えないような生々しい手術写真を見せながら、プリチャー医師はなぜ女性を男性に変える方がもっとむずかしいか説明してくれた。この手術にありがちな医学的、美容的な問題のために、多くの女性が小さいペニス形成法を選ぶ傾向が強くなっていると言う。

「長いペニスを造るにはとても大がかりな手術が必要となり、また体のあちこちに傷跡を残すことになります。これは、わき腹、腕や太ももからの皮膚移植、皮弁跡です。最近では、小さなペニス、いわゆる「マイクロペニス」を選ぶ患者さんが多くなってきました。通常のやり方はクリトリスを長く伸ばし、2.5cmほどの長さのペニスを造ります。これで患者さんはトイレで立ち位置で小便ができるようになります。また、マスタベーションで自らを性的に刺激することもでき、性的感覚を味わうことは可能なのです。」

「残念ながら2.5cmのペニスでは、挿入による性交は不可能です。短すぎるので挿入は無理ですが、さわったり、こすりあったりすることで、性的快感を楽しむことは可能になります。」

「このマイクロペニスのもうひとつの利点は、体に傷跡が一切残らないことです。本格的なペニス形成の場合と違って、体の他の部分からの皮膚移植が必要ないからです。」

「長いペニスの場合は、皮膚がたくさん必要になります。平均的なサイズ?6インチ(15cm)、8インチ(20cm)も可能ですが、平均としては4インチ(10cm)くらいです。患者さんの希望により決まります。」

ペニスを1インチより長くする場合には、円筒形になるだけの皮膚を移植することが必要になります。これが本物のペニスの役割をするわけですが、感覚はどうしてもにぶいものになります。

「このように再建したペニスには感覚がありません。立って小便することはできます。またペニスをこすり刺激することにより、女性のパートナーを興奮させることができます。シリコン・インプラントを挿入することでペニスに硬さを持たせられるので、挿入性交も可能になります。」

FTM-なぜ外科医のメスの性転換に時間がかかるのか

「もしあなたが女性で男性になりたいなら、何段階にも分かれた手術を経なければなりません。男性から女性の場合のようにワンストップ・ショッピングはないのです。男性から女性なら、2週間の滞在ですべてが終わり、帰国してさらに2週間ほど休養すれば、もうあなたは立派な女性になれるのです」とプリチャー医師は言う。

しかし、女性から男性になるには患者にとってもリスクが増大します。とくに挿入セックスが可能な長いペニスを希望する場合です。「挿入したシリコンがずれて飛び出すこともあり得ます。帰国してからこのような事態になれば、また医師のもとで修復するための旅費など余分な経費がかかります」とプリチャー医師は言う。

タイ政府は最近になり性転換手術に関する法律を改定した。それによると、タイ人の患者は実際に手術を受けるまでに最低1年間は待たなければならない。18歳になる前の性転換手術は完全な違法とみなされ、さらに18歳から20歳までの患者は親の同意を必要とする。

この新しい法律に対応するため、プリチャー医師はタイ人患者の場合は二人の精神科医の診断を求め、資格に適合するか判定してもらう方法をとっている。実際には、女性になりたくてプリチャー医師を頼ってくる患者の大部分は外国人で、アメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ諸国、中国、日本、韓国、中東、などが占めている。(注2)

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(注1)レポーターのリチャード・アーリック氏はサンフランシスコ出身のアメリカ人で、1978年以来外国メディアのためにアジアで取材活動をしており、現在はバンコクを拠点としている。

(注2)外国人の場合は、精神科医のGID診断書、20歳以上、1年以上のホルモン治療、6ヶ月以上の望む性での生活体験、などの要件を満たせばとくに問題はない。

(注3)PAIとSRSに関してもっと詳しく知りたい方は、下記のメールアドレスまでご連絡ください。個々の状況に合わせてできるだけのサポートをいたします。
Email: masa.shimamura@gmail.com

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