2011年1月31日月曜日

スワナプーム国際空港と市内を結ぶエアポートリンク


スワナプーム国際空港とバンコク市内を結ぶエアポートリンク

バンコク中心地とスワナプーム国際空港を15分で結ぶ快速鉄道「エアポートリンク」が昨年8月に開通した。その便利さが大いに期待されたが、現地新聞の読者コメント欄では利用者の反応はかんばしくない。私自身も昨年11月に始めて利用してみたが、正直なところ便利さに関しては期待はずれだった。しかし、利用の仕方では安くて便利な場合もあるでしょうから、ここでエアポートリンクの概略を紹介しておきます。

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列車には2種類あり、エクスプレスラインは空港と市内中心に近い「マカサン駅」をノンストップで結ぶ高速線で、これが「エアポートリンク」と呼ばれている。最高時速160キロの高速で、所要時間は15分。

空港から各駅停車して終点の「パヤタイ駅」まで8駅を結ぶサービスが「シティ・ライン」と呼ばれている。この線は通勤客や学生の利用が中心。終点までの所要時間は27分。

両路線とも始発の午前6時から深夜0時までの運行。運行間隔は15分。

路線の全長は28.6キロで、エアポートリンクは最高時速160キロで走行。

空港からマカサン駅までのエアポートリンク料金は150バーツ。パヤタイ駅までのシティ・ラインの料金は距離により、15バーツから45バーツまでとなっている。

エアポートリンクはタイ国有鉄道(SRT)の所有と運行になるもので、タイでは最高速の鉄道となります。

2011年1月4日より、バンコク中心街に近いマカサン駅に航空手荷物のチェックイン用カウンターが営業開始した。ただし、当面の間は利用できるのはタイ航空とバンコク・エアウェイズの2社便だけとなる。チェックイン時間は飛行機の出発時間の3時間前から13時間前までの間。

車両と運行システムはドイツのシーメンス社製で、手荷物のチェックイン設備とシステムは国有鉄道とタイ空港公社(AOT)との共同開発になるものです。

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           (無料で試運転期間中の光景)

マカサン駅の手荷物チェックインが便利かどうかは、私見ながらかなり疑問です。当面の間はタイ航空とバンコク・エアウェイズだけという点は別としても、東京のシティ・エアーターミナルでやっていたような出国検査までできるのなら大いにメリットがあるが、空港での出国検査の長蛇の列を考えるとメリットは半減する。マカサン駅までタクシーで来るなら、一気に空港までタクシーで行ったほうが楽ではないか。また、料金も一人利用なら得かもしれないが、鉄道料金は2人以上だと不経済になり、タクシーの方が安くなる。

空港から市内までの利用では、空港駅で荷物を列車に積み込み、マカサン駅ではガラガラと引っ張ってタクシー乗り場でまた積み込んでホテルに向かうことになる。私が利用した夕方の時間にはタクシーは1台しかいなかった。

エアポートリンクの乗り心地は悪くない。ドイツのシーメンス社製の車両は快適で、荷物置くスペースもあり、走行音も静か。マカサン駅までわずか15分で到着するので、ゆっくり景色を味わうひまもないくらい。私の利用した夕方5時ごろの時間帯では、2両編成の車内は5人くらいしか乗っていなかった(空港から市内まで)。まだ周知されていないからでもあるでしょう。

もうひとつ気がついたこと。マカサン駅からタクシーでホテルに向かうとき、駅は3階レベルにあるので、タクシーは駐車場ビルのような急斜面のらせん状の狭い出口をぐるぐる回りながら降りていく。地上レベルに着くと市内中心部とは反対方向に向かう車線に出る。すこし走ってからUターンして中心部に向かうことになる。

要するに設計の段階で利用者の利便を考えていない証拠。これは空港ターミナルでも同じで、やっと地下駅まで降りても、チケット窓口からホームに降りるエスカレータまでの導線がスムーズでない。チケットを買ってから5メートルほど引き返して下りエスカレータに乗るという、大きい荷物を持つ場合などにはイライラさせる設計になっている。

また、エアポートリンクのチケット売り場はシティ・ライン用窓口の反対側に設置され、通常の導線で近づいても見えない位置に設置されている。案内標識が親切でない。

欲を言えばいろいろ欠点はあるものの、エアポートリンクは一人で身軽に旅行する場合や、空港に人を迎えに行くような場合には便利な乗り物だとは思います。ものは試しに、一度は乗って見てください。

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2011年1月28日金曜日

「第三の性」エアホステス-続報


「第三の性」エアホステス - 続報

トランスセクシュアル乗務員については投稿したばかりですが、このニュースの続報が今朝のザ・ネーション紙に載りましたので早速お伝えします。

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PCエアのトランスセクシュアル乗務員、まず日本、韓国、中国へのチャーター便でデビュー

「当社はすべての性別の乗務員を雇用する最初の航空会社になりました。これはプラスのイメージで社会に受け入れられたと理解しています」。会見に臨んだこの新しい航空会社のスポークスウーマンのチュタティップさんは笑顔で答えていました。

このタイの新規設立の航空会社は3月からスワナプーム国際空港を拠点に運行を開始する予定で、まず日本の成田と関空、さらに韓国に乗り入れを実現し、その後中国の主要都市に路線を拡大する計画だそうです。

PCエアは2年間の事業化検討期間を経て、昨年7月に会社設立された航空会社。会社のオーナーはピーター・チャン氏と元官僚のチャトウィワット・クルムコモン氏で、当面は運行コストを抑え他の経費も現実に合わせて運営できるように、チャーター便に特化する方針でいくとのこと。

PCエアは便利な時間帯に飛ぶ定期チャーター便として、日本は東京と大阪路線で開設する。ビジネスクラス18席、エコノミー210席の機材を使い、機種はエアバスA310-222型でミャンマーのエア・バガンからリースで調達する。

マーケティング、地上サービス要員、パイロットなど総計100人の社員を雇用し、その内30人が客室乗務員となる。

「この路線にはすでに競争相手がいるのは承知していますが、名前は私が言うまでもないでしょう」。とチュタティップさんは笑顔で言う。

今週始めに3人のトランスセクシュアル客室乗務員の採用が発表された時には社会の耳目をあつめたが、第三の性の乗務員の雇用についてはすでに民間航空局より認可がおりているそうです。

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日本の国土交通省が乗務員の性別にイチャモンをつける筋合いはないので、また成田空港も羽田の国際化に対抗する必要から、PCエアの成田と関空就航がスムーズに実現することを願っております。みなさん、応援してあげてください!次回のバンコク行きはPCエアで!

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2011年1月26日水曜日

「第三の性」エア・ホステスが離陸準備中


「第三の性」エア・ホステスが離陸準備中


1月25日付のタイのThe Nation紙をはじめインターネット3紙に、トランスセクシュアル女性3人が新規航空会社のエア・ホステスに採用されるという明るいニュースが掲載されています。「ザ・ネーション」を中心にして3誌の内容をとりまとめてお伝えします。ちなみに、日経新聞の26日夕刊の社会面にも簡単な紹介記事がありました。

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3月1日から運行を始めるタイの新しい航空会社「P.C. エア」が、トランスセクシュアルの就職志望者をエアホステスとして採用したというニュースが就労の悩みをもつ人たちを喜ばせている。採用された求職者の中には2007年のミス・ティファニー美人コンテストで優勝したタニャラートさんがいることも注目の的となっている。

P.C.エアの経営者ピーター・シャン氏は、この航空会社を立ち上げるに当たりトランスセクシュアルがエアホステスの仕事に適性を有しており、その可能性を以前から認識していたと述べている。

初期の職場教育期間を経た後は、トランスセクシュアルたちは他の女性エアホステスたちに交じって実地訓練を受けることになる。ただ他のエアホステスと違うのは、“第三の性”と記された金色の名札をユニホームにつけて乗務することで、これは空港の出入国管理を通過する際の混乱や乗客の誤解を避けるのが目的であるとシャン氏は説明している。

P.C.航空のスポークスウーマンによると、今回のトランスセクシュアルの採用枠は3人だけであるが、将来的には資格や適性を考慮して採用枠を増やしていきたいと述べている。今回の採用第一陣は17人の女性、10人の男性、そして3人のトランスセクシュアルとなっている。

2007年度のミス・ティファニーのタニャラートさん(23)は、最初は、以前に他の会社でもあったように就職申し込みは受け付けるが、最終的には採用しないというパターンかと思ったのに、あこがれていたこの仕事のチャンスが与えられて最高にうれしいと満面の笑顔。

採用されたもう一人のトランスセクシュアル、パンタカンさん(24)の話では、他の航空会社で以前エアホステスの採用申し込みをしたものの採用されなかった。後でその会社で働く友人から聞いた話では採用されなかったのは彼女がトランスセクシュアルであったからだと聞き、その差別意識にショックを受けた経験があると述べている。

パンタカンさんはカセサート大学卒でホスピタリティーとツーリズムの学位をもち、今度こそはこの仕事で成功したい、またタイの社会がトランスセクシュアルにより広い機会を与えるようになったのを心強く思うと述べている。

(注)タイではSRS後のトランスセクシュアルでも戸籍上の性別変更は認められず、身分証明書やパスポートなども元の性別のまま。SRS先進国ながら法的な整備がされていないのが問題視されている。トランスセクシュアルはタイ語では“カトーイ”と呼ばれる。


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この航空会社の機体にも書かれている“わたしはマイウェイで行きたい“という会社のモットーに従い、3人のトランスセクシュアルを採用した。

P.C.エアはバンコクのスワナプーム新国際空港を拠点とするハイクオリティーなサービスを目指す航空会社で、本年3月1日より運行開始する予定。日本の大阪や東京にも路線を拡大する計画があり、近い将来に“カトーイ”のエアホステスのサービスを受けるのも可能になりそうです。乞うご期待。

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私見ながら、“エア・ホステス”という呼称について。古くはステュワーデスに始まり、エア・ホステス、キャビン・アテンダント(客室乗務員)、フライト・アテンダント、などと呼ばれています。エア・ホステスは比較的古い呼称で、今ではあまり使われていないようです。“ホステス”と呼ばれるのがプライドを傷つけるのでしょうか。それとも、ホステスにふさわしいサービスはもう提供していないから、でしょうか。

今回の記事でもザ・ネーション紙は“エア・ホステス”を使っていますが、他のソースでは“フライト・アテンダント”または“キャビン・アテンダント(CA)”と呼んでいます。後者のキャビン・アテンダントやフライト・アテンダントは客室乗務員という職能を重視した呼称で、それはそれで結構ですが、ホステスの方がお客様を温かくもてなす人という元々の意味があり、人間的な温かみを感じます。

バーやナイトクラブのホステスではないですが、パーティを主催し来客をもてなす女主人はホステスとという尊称で呼ばれます。男性ならホストです。この方が人間的な温かみがあり、とくに笑顔で応対するであろう美形のTSエアホステスからは本来のサービスが期待できそうで、この呼称が一番ふさわしいと私は勝手に思い込んでいます。

ついでながら、看護婦さんは今では看護士などという無機質な呼称になっていますね。私も入院した経験がありますが、彼女たちは看護士などという無機質な存在ではなく、まさに天使ともいうべき温かい存在であり、個人的には今でも看護婦さんと呼んでいます。それでなにか問題があるのか、と開き直りたくなりますが・・・・・

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