2007年1月22日月曜日

バンコクの交通百景




バンコクの交通事情1999年12月5日の国王誕生日に合わせて、BTSという名称で親しまれるスカイトレインが開業するに及んでバンコクの交通事情は劇的に変化しました。それまでは道路はギネスブックに載せてもよいぐらいの渋滞ぶりで、地元のバス通勤客はもちろんタクシーを利用する観光客も大変な忍耐を強いられていました。高架鉄道のスカイトレインはほぼ5分間隔で運行され、まだ2路線24駅しかないとはいえバンコクの主要な場所には簡単に移動できます。




ドイツ製の車体と運行システムを採用しており、信頼性は高く快適な乗り物です。2007年中にはチャオプラヤ川の対岸まで延長線が開通する予定です。











2004年7月3日にはさらにMRTという名称の地下鉄が運行を開始し、18駅のうちBTSとの乗換駅も3駅あり、移動手段が格段と便利になりました。駅の設備なども日本やシンガポールに負けないほどの立派なものです。BTSとMRTを組み合わせればめぼしい場所にはラッシュ時間に関係なく移動でき、現地の学生や通勤客の利用も増えています。コンピュータ化された改札システムで、キップの買い方と利用のコツさえ分かれば言葉の問題もありません。











バンコク名物のタクシーは健在です。ほとんどが日本製の小型車で、やはりドア・ツ・ドアで移動するには便利ですが、日本語や英語を話す運転手はまずいないと思った方がよいでしょう。朝夕のラッシュアワーにはタクシーはさけるのが賢明です。タクシーは全部メーター制で、初乗り120円ほどで料金は非常に安いですが、観光名所などの客待ちタクシーは相手を見てふっかけてくることもあるので、流しのタクシーを拾うのが賢明です。







地元庶民の足として有名なのが小回りのきく「トゥクトゥク」と呼ばれる三輪タクシーで、他のアジアの国々にも輸出されています。メーター無しなので、料金は乗る前に交渉します。渋滞のすき間をぬって走るのでかなりスリルが味わえますが、近距離の利用にとどめておくべきでしょう。「観光客プライス」があるため料金はタクシーと変わらないと思った方が無難です。









「モーターサイ」というのはモーターサイクル・タクシーのことで、恐らくタイ人の発明だと思います。横町の入り口に制服のベストを着たドライバーたちが待機しています。限られた受け持ち地域だけが守備範囲で、料金も決められていてボラレたりすることはありません。ドライバーはヘルメットをかぶっていますが、お客は無防備のことが多く、女性が横座りで乗っているのをみるとハラハラします。やはり観光客は安全を考えるとバイクタクシーは避けた方がよいでしょう。











公共の路線バスは縦横に走っていて料金も驚くほど安いですが、路線と時間により混んでいるのと、行き先を示す路線番号を覚えるのは一苦労です。料金は車内を廻ってくる昔なつかしい「車掌さん」に払います。やはり路線バスは居住者向けで、短期旅行者には向いていないと考えるべきでしょう。











最後にしてはいけないですが、ボートがあります。もともとバンコクは水の都でした。チャオプラヤ川から運河が市街地、住宅地を縦横に縫って整備され、ボートが重要な交通手段だったのですが、街の近代化につれかなりの運河が埋め立てられたのは残念なことです。それでも穀物運搬船や運河ツアーの観光用ボート、対岸を結ぶフェリー、朝夕の通勤客の足となるボートタクシーなど、チャオプラヤ川はバンコクの動脈として朝、午後、夕方、とそれぞれ異なった表情を見せ、生き生きと脈打っています。

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