2011年12月30日金曜日
セックスレスの時代?
男も女もお互いに興味なし!?
2011年は重苦しい空気がよどんだ1年でした。今回はちょっと息抜きにごく普通の男と女の話題をとりあげましょうか。
最近立て続けに日本の男と女がお互いに興味を失い、人口減少に拍車がかかっているという記事を見かけました。GIDとは直接の関係ない話ですが、男が女に興味を失い、女も男なしでも生きていける社会になりつつあるというのは、これは大問題です。
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『セックス負債は日本の損失だ』
(11月29日CNNネット版)より
経済学者の観点から見れば、日本の過去20年の病を直す応援の声は常に「日本よ、金を使え、消費せよ」だった。人口学者の観点からは、その叫びは「日本よ、産めよ、増やせよ」である。
先週発表された調査結果には、ますます顕著になってきた後者の問題が浮き彫りにされている。人口及び社会保障問題研究所の調査結果によれば、1億3千万人の高齢化するこの国において独身男性の数がまたまた記録を更新したという。
18歳から34歳の独身男性の数は、先回2005年の調査にくらべ9.2%も上昇している。独身男性の約61%がガールフレンドを持たず、また成人女性の半数が夫またはボーイフレンドを持たないという。さらに悪いのは、ガールフレンドもボーイフレンドも、妻も夫も持たない男と女のなんと45%もが、相手を探すことにも興味がないということだ。
しかも、30台後半の独身の男と女の4人に一人は、セックスした経験もないとか。
ここで注目すべきは、調査対象になった独身男性も女性も、それぞれ86%と89%という高率で将来的には結婚したいという願望はもっていることだ。その障害は何かというと、経済的な問題であって、調査対象の独身男女の40%以上が結婚しない最大の理由は、お金のやりくりが出来ないという経済上の不安があるからと答えている。
しかし、経済的な理由というのは本当だろうか。この調査では未婚の若い女性の90%が、独身でいる方がよいと答えているのだ。
これは今年の春に行われた日本家族計画協会の調査結果にも符合する。それによると、16歳から19歳の男性の36%がセックスには無関心かさけたがる傾向があり、2008年の調査にくらべると19%も増えているのだ。一方、調査対象となった10代の女性の59%がセックスに興味がないと答え、これは2年間で12%も増加している。
これらの統計上の数字は、よく話題になる“草食系の男子”の増殖という現象とも一致する。この用語は2006年に作家の深沢まき氏が造ったもので、「日本ではセックスは肉体の関係と同意義であり、最近の若い男性は肉体的関係には興味をもたないので、“草食を好む男の子”と呼ぶことにしたのがきっかけ」とCNNに語っている。
この現象は世界でも出生率が最低レベルの国に数えられる日本が、人口構成上の問題をかかえていることを意味する。日本の出生率は1.34であり、安定した労働力を維持するために必要な2.1を下回っている。人口の5分の1が65歳以上であることを考えると、将来の人口増はますます重要になってくる。
3年前に日本最大の経済団体である経団連は参加企業の1600社に対して、低下する出生率に歯止めをかけるため妻帯者がもっと家庭で自由時間を過ごせる配慮をするように要請したことがある。
しかし、この最近の調査結果からみると、残念なことに、日本のカップルは与えられた宿題をまじめにやっていないようだ。
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<インドネシア・バリ島で見たトイレの標識>
『セックス回数調査でインドネシアがトップ』
(The Nation 11月25日版)
アジア10カ国の性的にアクティブな男女を対象にして行われたセックス回数調査ではインドネシアの男性がトップの座を占めた。
これはバイアグラなどの勃起不全(ED)を改善する薬品メーカーである、アメリカのファイザー社が最近行った“アジアの理想的セックス調査”によるもので、インドネシアの男性が平均月に9.8回の性行為を行っていることが判明した。2位につけたのはフィリピンの男性で、月平均で9.4回であった。またインド男性は月平均8.8回で、タイの男性はというと、月平均7.7回だった。
この調査では1,685人の男性と1,624人の女性が対象とされ、国別では中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、そしてタイである。回答者のすべてが31歳から74歳まで、過去12ヶ月以内に性交経験がある人たちである。
女性の対象者はインドの女性が月平均8.7回でトップを占め、次が月平均6.8回であったインドネシアとマレーシアが続いた。この調査ではタイ人女性は月平均5.7回でしかなかった。
クアラルンプールのモナッシュ大学泌尿器外科医のジョージ・リー助教授によると、この調査によりほとんどのアジア人にとっては性的満足感の達成には勃起の硬さが重要な要素をしめていることがわかったとのこと。例えば、マレーシア人男性の90%がこの勃起の重要性を指摘している。
満足感については回答者のわずか三分の一が性交時の持続時間を重要視しているにすぎなかった。
タイの有名な性に関する研究家であり産婦人科医でもあるパンサック医師は、270万人ものタイ男性が勃起障害をもっていると推定されると述べている。ただ、治療を求めて医師を訪ねる人は27,000人にすぎないとか。
<注>この調査では日本は調査対象にも選ばれなかったみたいですが、その理由はわかりますね・・・・。ファイザー社のバイアグラもあまり売れていないのでしょう、勃起の助けも求めない日本では。
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<年末の独り言>
『ジェンダーとセックス』
ジェンダー意識がはっきりしていないと、肉体的行為をともなうセックスにつながらない。日本の若い世代がセックスを求めなくなったということは、ジェンダー意識も希薄になっているということか。最近のファッションや行動様式をみていても、ジェンダーレス化がセックスレス化につながっているのではないかと思う。なんともわびしい時代になったものだと嘆くしかない。
彼女のいない男性の半数ちかくが交際も望んでいないという。女性に肉体的に接するまでにはいろいろめんどうな手順を踏まなければならない。いきなり触ればセクハラになり、想いを告白しても断られることもありえる。その自分がぶざまに見えるのは今どきの過保護になれた若者には耐えられないのだろう。それなら、独りでいたほうが気楽である、セックスなしでも生けていける・・・ということになるのだろうか。
ジェンダー意識がしっかりした人間なら、異性を求めるのはごく自然である。べつに相手が同性でもかまわない。要するに自分のジェンダー意識に素直にしたがった行動であればよい。それにふさわしい性行動が健全なセックスであり、社会的にも容認されるべきだと私は思う。
ジェンダーよ、しっかりせい。セックスよがんばれ!
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2011年12月22日木曜日
第三のジェンダー、やっと離陸へ
レディーボーイ搭乗機、離陸準備完了
今年の1月の投稿でとりあげたタイのPCエア航空がやっと離陸することになりました。以下は12月16日付けのバンコクポスト紙の記事です。(1月26日投稿:「第三の性」エアホステス離陸準備中)及び1月28日の「その続報」参照)
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第三のジェンダーのキャビンアテンダントを配置する世界初めてのエアラインといわれる、個人所有でタイ国籍のPCエア航空が、当初の予定より9ヶ月遅れながら離陸準備が整いました。
PCエアのフライトアテンダントとして採用された4人のレディーボーイたちは(写真参照)、昨日のデモフライトで報道関係者にそのサービスぶりを披露しました。この航空会社はまずチャーター便として営業運航を開始し、来年の6月以降から正規の航空会社として定期便運行を開始する予定です。
PCエアの処女飛行は、12月24日のバンコクとラオスのビエンチャン間のツアグループを乗せたチャーター便で、来年1月23日にはバンコクと中国の二つの都市を結ぶチャーター便の運行を開始する予定になっている。
民間航空局の規則にしたがい、定期便運行開始に先駆けて、アジア圏内のツアグループを対象にチャーター便で運行を開始し、来年6月に正規航空会社としての資格認定を受けることになる。
昨日のデモフライトでは唯一の所有機材であるエアバス310-222型機を使い、報道陣を招待した機内で4人のレディーボーイ搭乗員が他のクルーに加わりそのサービスぶりを披露した。
唯一のオーナー社長であるタイ人のピーター・チャン氏は報道陣に対して、運行開始の遅れは財務上の問題ではなく、旅行ハイシーズンの到来にタイミングを合わせたからだと説明した。
不動産会社の役員でもある同氏は、ローシーズン中の需要上の問題とその後のタイを襲った大洪水も遅れの要因ではあると述べた。
この新事業への自信の表れとして、自身がキャビンアテンダントの経験をもつ同氏は、ほとんどの航空会社はリースで機材を調達するのが普通だが、既存の航空会社からジェット旅客機を購入するにあたって10億バーツ(約28億円)のキャッシュで払う道を選んだ。
また、来年の第二4半期には定期便運行を開始し就航先も拡大する予定なので、新たにワイドボディーのA300-600型機を2機導入する計画であると述べた。
ピーター・チャン氏によると、PCエアの就航先として候補にあがっているのは、香港、中国、韓国、そして日本である。PCエアが5年以内に収支均衡になるとは思っていないが、定期便運行開始に合わせてタイ株式市場に上場することを考えているので、投資家および国内・海外のツアオペレーターとも協力関係を築きたいとのこと。
さらにPCエアはトランスセクシュアルに就職の門戸を開き、キャビンアテンダントとして引き続き採用していく方針であり、機会平等を企業理念としてかかげている、と述べた。
30人採用したキャビンアテンダントのうち4人がレディーボーイであり、また19人が女性、男性は7人、全員が資格をクリアしている。レディーボーイのひとりタニャラットさん(上の写真の右から2番目)は2007年度のミス・ティファニー・ユニバースの栄冠に輝いたこともあり、またモデルやテレビの喜劇ドラマの女優としても知られている。
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日本のメディアでもこのニュースは取り上げられたようですが、ロイター通信によるとピーター・チャン氏(オレンジ色ネクタイの男性)は“私がパイオニアになったようだが、他の航空会社も私のアイデアに興味をもつだろうと確信している”とのこと。日本のエアラインにもぜひお勧めしたいアイデアですね。エアラインだけでなく、トランスジェンダーは鉄道関係を含む幅広い分野のサービス産業にはぴったりの適性をもっていると思います。
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<注>トランスジェンダーはタイでは“カトーイ”とか“レディーボーイ”と呼ばれています。これらの記事でも”third gender” “transgender” ”transsexual”などいろいろの名称が使われています。
この写真でもわかるように彼女たちを“レディーボーイ”というのは、“ボーイ”の部分にちょっと抵抗がありますが、タイではSRS後でも性別変更が法的に認められないので我慢するしかないかもしれません。それでも、PCエアのような職場の門戸をひらく動きが、SRS先進国タイで起こったのは拍手喝采です。日本への就航を楽しみに待ちましょう。
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