2007年8月27日月曜日

SRSコーディネーターの役割


SRSコーディネーターの役割

手術のために外国に行くには、かなりの勇気と決断がいります。SRSという手術自体が不安なのに、タイのことなどほとんど予備知識がない。タイ語はもちろん、英語もおぼつかない。入院中はともかく、退院後から帰国までの期間はだれか面倒を見てくれるだろうか。

MTF手術の場合は5日の入院期間のあとホテルに移ってからは、すべて自己管理で帰国までの約10日間を過ごすことになります。病院所属の日本人通訳はいますが、個人的な面倒まではみてくれません。一人での食事も味気なく、どこで何を食べればよいかも迷います。話し相手もいない、術後の経過についても相談相手もいないのでは、精神的な不安はつのります。友人や家族の付き添いが可能な方はいいとして、単独で来られる方も時折見受けられますが、その不安な心中を察すると胸が痛みます。

私自身は東京に住んでいますが、原則としてバンコク空港でのお出迎えにはじまり、無事に帰国されるまでの個人的なお世話もふくめて、バンコク滞在中のあらゆる面倒を見させて頂くのが私のSRSコーディネーターとしての役目だと思っています。

また手術を済ませて帰国すればすべてが終了というわけではありません。MTFの場合は手術後6ヶ月から1年に及ぶ、当事者個人の自己管理と責任で行うダイレーションという非常に大事な作業があります。(FTMは数段階に分けた手術を行うこともあります。)本来の性での本格的な生活を目指している回復期間中には、医師に聞きたいことが必ずあります。その場合に医師との仲介役として、対処法などを聞き不安材料を取り除くお手伝いをするのもコーディネーターの重要な役目です。プリチャー先生も常に帰国後のフォローアップ・ケアの重要性を強調されております。

コーディネーターの役割を要約しますと、次のような場面でパーソナルケアを提供することです。

1) 事前のSRS手術の概略説明
2) 医師や病院、バンコクについての予備知識
3) 適格条件のチェック・予備カウンセリング
4) 手術日の予約、バンコク渡航の相談
5) バンコク国際空港での出迎え
6) 医師のカウンセリング時の通訳
7) 手術日の付き添い
8) 手術後の入院中のお世話
9) ホテル移動後の個人的なお世話
10) 帰国後に使用する薬品類などの購入手配
11) 食事、買い物、観光の付き添い
12) 退院後帰国までのPAI通院時の付き添い
13) バンコク空港までのお見送り
14) 手術後1年間のフォローアップ・ケア

次回ではコーディネーターの仕事内容をより具体的に説明いたします。

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